動労総連合申第9号
2003年7月7日
東日本旅客鉄道株式会社
代表取締役社長 大塚 陸毅 殿
国鉄動力車労働組合総連合
中央執行委員長 君塚 正治
「車両メンテナンス近代化(第V期)計画」に関する申し入れ
5月22日に会社が提案してきた「車両メンテナンス近代化(第V期)計画」は、これまで営々と築き上げてきた車両の安全確保に対する考え方を根本的に解体し、会社側の利潤のみを追求するものであること、また、車両基地の統廃合や要員削減を含むものであり、到底認めることはできない。
従って、下記のとおり申し入れるので、団体交渉により誠意をもって回答されたい。
記
1.車両検修業務に従事する社員に関して、次の点について具体的に明らかにされたい。
(1) 検修業務に従事する社員数及び年齢構成、今後10年間の退職者数について。
(2) 検修業務に従事する社員の、工場、区所別の標準数及び現在員数について。
2.「効率的な業務体制の構築」に関して、次の点について明らかにされたい。
(1) 計画では2006年を「首都圏新系列統一時期」としていることに関して、新系列車両の今後の具体的な投入計画及び投入箇所について。
(2) 新車投入による新保全効果により2005年度までに300人、2006年度以降300人の要員効果を見込んでいることに関して、区所・工場の統廃合、部外委託等その他の要素も含めた要員効果はどのように見込んでいるのか。。
(3) 現在使用さえている従来車両の耐用年数について。
(4) 習志野電車区から三鷹電車区に209系・231系車両を移管する理由及び具体的な時期について。
(5) 「電留線化」とはどのような意味なのか。また、この場合、仕業・構内業務、転削業務、物品管理業務等はどうなるのか。
(6) 武蔵小金井電車区から豊田電車区に201系車両を移管する理由及び具体的な時期について。
(7) 豊田電車区から京葉電車区に205系車両等を移管する理由及び具体的な時期・車両数について。
また、移管後の京葉電車区の要員規模について。
(8) 幕張電車区から鎌倉総合車両所に217系車両を移管する理由及び具体的な時期について。
(9) 田町電車区から国府津電車区に211系・215系車両を移管する理由及び時期について。
また、「特急車両は別途」としているが、どのような意味か。
(10) 鎌倉総合車両所の工場機能廃止により270名程度が異動するとなっているが、これに伴い各工場ではどの程度余力が発生するのか。
また、各工場及び「鎌倉車両センター」の要員規模はどの程度になるのか。
(11) 首都圏以外の工場及び車両検修区については、どのような計画を持っているのか。
(12) 設備投資計画のうち、「ITを活用したメンテナンスシステム」とは、どのようなシステムなのか。
また、何を目的にして導入するのか。
3.「保全一元化(工場・区所の融合)の推進」に関して、次の点について明らかにされたい。
(1) 「保全一元化(工場・区所の融合)」とは具体的にどのような意味か。
また、「組織や機能を見直し、一元的な車両管理体制を構築する」としているが、具体的にどのような組織、機能、車両管理体制とするのか。
(2) 大井工場と山手電車区を統合する理由及び時期について。
また、「郡山工場+455E一部交検実施」「土崎工場+機関車一部交検実施」とされているが、具体的にどのようなことか。
(3) 工場と区所を融合した場合の指揮命令系統及び、車両故障等が発生した場合の責任体制について。
4.「新たなライフサイクルの構築」に関して、次の点について明らかにされたい。
(1) 鉄道事業配属採用者を総合車両センターに一旦配属し、2年程度の基礎技術教育を実施するとしているが、この理由について。
また、どのような教育内容を考えているのか。標準数外の教育期間として位置づけるのか。
(2) 今後、2年間程度は基本的に検修区所に新規採用者が配属されないことになるが、要員の見通しをどのように考えているのか。
(3) 「人事交流」を行う理由及び期間について。
(4) 「人事交流」の規模を「年間60名程度」としているが、どのような根拠に基づくものか。
(5) 既採用社員の人事交流について、人選等についてどのような考え方で実施するのか。
(6) 「人事交流」で、通勤が不可能な場合の取り扱いについて。
(7) 「計画・管理部門」等については、「総合車両センター/車両センター両方の経験が必要条件」とされているが、現在、計画・管理部門等に配属されている者の取り扱いについて。
(8) 車両職から車掌・運転士への昇進を希望している者について、今後の昇進の考え方について。
5.「車両メンテナンス近代化(第V期)計画」は、2005年度までの3年計画となっているが、会社が目指そうとしている車両検修業務のあり方等について明確にされたい。
6.今回の「車両メンテナンス近代化(第V期)計画」は、これまで営々として築き上げてきた車両検修業務を、コスト削減の名の下に解体し、車両の安全確保に向けた考え方を根底から覆すものであることから、計画を直ちに撤回されたい。
−以上−
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