65歳以降雇用延長 7/17千葉県労働委員会闘争
組合員3名とCTS笹本総務部長の証人尋問実施
エルダー雇用延長拒否の不当性は明らかだ!
幕張事業所の労災死亡事故―笹本総務部長 「しっかりした技術を持った会社に委託した」?!

7月17日、65歳以降の雇用延長拒否・動労千葉排除をめぐる千葉県労働委員会闘争を闘った。当該である越川特別執行委員をはじめ、北村執行委員、関委員長、CTS常務取締役である笹本総務部長の証人尋問が行われた。
JR・CTSによる不当労働行為だ!
越川特別執行委員はまず検査派出廃止と要員削減について証言した。22年3月ダイ改以降、鴨川・銚子・一ノ宮の各派出が廃止され、唯一残った木更津派出も1日勤のみにまで削減。派出の要員は20名程度から2名にまで減っている。
だが、検査派出が担っていた業務がなくなったわけではない。臨検業務はJR千葉派出から出動し、分割併合作業、出区点検、入換業務などは本線乗務員や駅社員が対応している。派出を維持することもできない要員不足は明らかだ。
また、エルダーの雇用延長拒否によって、現場からも要員不足を訴える声があがっていることも訴えられた。
北村執行委員は、団交におけるCTSの不誠実さについて証言。エルダーの雇用延長拒否の理由について、当初の「経営が厳しい。好景気なら雇いたい」という回答で説明がつかなくなると、CTSは「若い人を雇いたいから」と回答を変更。また、22年3月の団交で過去の回答がウソだったと突きつけて以降、CTSは何度も回答を引き伸ばし、まともに謝罪もしない。こうした不誠実なあり方を暴露した。
6月21日に幕張事業所で発生し、タイミーを利用して集められた労働者が犠牲にされた労災死亡事故については、前日の団交で「CTSでは業務がこなしきれないから委託した」と回答したことを証言。コスト・要員削減と何重もの外注化によって現場が犠牲にされたことを弾劾した。
関委員長は、分割・民営化との闘いや外注化阻止闘争など、動労千葉の闘いの歴史と国鉄・JRの一貫した不当労働行為意思を明らかにした。
とくに幕張車両センターは、組合員がクビを切られながらも外注化に反対し、12年にわたって外注化を阻止し続けてきた闘いの中心職場だ。前幕張支部長の山田護特別執行委員をはじめ、動労千葉組合員を排除するためにエルダーの雇用延長全体を拒否し始めたことを明らかにした。
昨年4月から、CTSは70歳までの雇用を就業規則化した。だが、エルダー雇用は現在も拒否し続けている。要員不足の中、あえて雇用拒否する理由は動労千葉排除以外にない。JR・CTSによる完全な不当労働行為だとはっきりさせた。
どこまで不誠実なのか!
CTS笹本総務部長の尋問では、エルダーの雇用延長を拒否する理由の不当性と同時に、団交における不誠実な対応について追及した。
エルダーの雇用延長を拒否する理由を「若い人を雇用したいから」としながら、70歳までの雇用を就業規則化。ハローワーク募集で「欠員補充」を理由にしながら、「要員は足りている」。この矛盾をつかれると、笹本総務部長はまともに回答できず、ごまかしに終始した。
団交の対応について追及されると、次々にその不誠実さが暴かれた。
CTSは、組合からウソの団交回答を突きつけられても回答を引き伸ばし続けた挙げ句、ウソの回答を「真摯な回答」といい、「これからも同様に回答」と回答した! その後も、回答書では「遺憾(「思い通りにいかず残念」という意味)」というだけで、一度も謝罪していない。団交での「謝罪」なるものも、責任を担当者の個人だけに切り縮めてごまかそうという不誠実極まりないものだ。
なぜ制度関係の「プロ」である交渉担当者が管理者再雇用の制度の存在さえ知らないのか。なぜ簡単な事実確認に20日、内規の存在を伝えるまでに3ヶ月近くかかるのか。多くの疑問にはまともに答えない。果ては今回の証言で初めて、「私(笹本)が伝えなければ、他の人が知らないのは当然」と言い始めた。どこまで不誠実なのか!
衝撃的だったのは、幕張での労災死亡事故についての証言だ。JRから請けた業務の再外注化について、「しっかりした技術を持った会社に委託した」と証言したのだ。実際には、業務はさらに丸投げ外注化され、秩父商会は現場にすらいなかった。そして「5名中2名がタイミー労働者」という中で、初めて作業に入った労働者が犠牲にされた。それをすべて知りながら、「しっかりした会社に委託した」など、どうして口にすることができるのか! 絶対に許すことはできない!
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労働委員会は結審となり、来年3月に結論が出される予定であることが明らかにされた。裁判・労働委員会闘争と一体で65歳以降の雇用延長をかちとろう。外注化、コスト・要員削減によって現場が犠牲にされたことを決して許さず、外注化撤回・無責任体制の粉砕まで闘おう。 |