幕張車両センターでの労災死亡事故
7/16CTS団体交渉―再回答確認し中断
CTSは責任をとれ!
なぜ外板清掃を外部委託したのか?(組合)
「今の人員ではこなせない」と要員不足を自認
動労千葉は7月16日、幕張車両センターで発生した労災死亡事故(6月21日発生、24日死亡)について、CTSと団体交渉を行った。
事実経過も出さない
再々委託もごまかす
委託内容も隠ぺい
申し入れ内容と会社回答は、以下のとおりだ。
組合
「時系列に沿って事実経過を明らかにすること」
会社
「当社が委託している業務に従事していた作業者が体調不良で救急搬送されたものである」
組合
「委託内容と作業量は?」
会社
「秩父商会とは22年11月から契約している。(委託内容は)契約書に則り行っている」
組合
「二次下請けに委託されていたことを把握していたのか」
会社
「当社は秩父商会に依頼したものである」
ほぼ、これだけである! 事実経過について会社は、職場に張り出されている「速報」すら団交に出さず、当該の方が亡くなった事実にすら触れない。すでに22年に委託を開始した時点から、秩父商会が無断でコンディショングリーンに丸投げしていたのに、それすら触れない。業務委託の内容、作業量についても隠す。
これほどの事態を起こしておきながら、あまりに不誠実で無責任きわまりない会社の姿勢に参加した組合員は怒りを抑えきれない。組合からは「議論の前提が成り立っていない。回答は書き直しの上、再設定したい」と提起し、会社も了解した。
最後に議論の土台として、なぜCTSは外板特別清掃を秩父商会に委託したのかを組合からただした。
会社
「首都圏本部から、各車両につき年一回程度、外板特別清掃の依頼を受けた。幕張には約300両もあるので今の要員では到底こなしきれないから委託した」
組合
「赤字決算を受け、今年度から自社でも始めたではないか」
会社
「自社では3分の1から4分の1程度。全部は無理なので残りは今年度も秩父商会に委託した」
組合
「なぜ、こなしきれないのに仕事を受けるのか」
会社
「JRからの要望にはできるだけ応えたいと思った」
CTSは、要員不足によりJRからの業務委託が完了できないから秩父商会に丸投げしたことを認めた。
問題の根本は、こうしたJR東日本に始まる無責任きわまる丸投げ、丸投げ、丸投げという多重下請け構造にある。それが、取り返しのつかない事態を引き起こしたのだ。
団交後、出席した幕張の現場組合員からは、「回答書を見てムカムカした。しょせん、あの人たちは他人事だと思っているんだ」「団交参加は初めてだったが本社はあんな感じなのか」「行き当たりばったりで団交に臨んでいる感じだ」「責任の所在をはっきりさせないと」と感想が出された。
渡辺書記長は「亡くなった方のために、また、みなさんの職場での安全を守るためにも真実を明らかにしなければいけない。それが動労千葉の仕事だと思う。今後もご協力をお願いします」とこの日の行動を集約した。
笹本 取締役・総務部長が県労委尋問で暴言
「秩父商会はしっかりした会社」
17日に開かれた65歳以降の雇用延長をめぐる千葉県労働委の尋問で、CTS常務取締役である笹本徹管理本部長兼総務部長は、今回の労災死亡事故について問われた際、「自社ではやれないので秩父商会に委託した。秩父商会はしっかりした会社なので」と断じて看過できない暴言をおこなった。まさに他人事! これがCTS経営陣の正体だ。絶対に許すことはできない!
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