新春インタビュー 関道利委員長に聞く
今こそ闘う労働組合を!戦争・大軍拡・改憲の岸田政権打倒!
3月ダイ改決戦・23春闘勝利―組織拡大実現へ全力で闘おう!
――昨年を振り返っていかがだったでしょうか。
明けましておめでとうございます。
昨年は3月ダイ改に対して48時間ストにたちました。ウクライナ戦争が開始される中、戦時下でのストを闘いました。乗務員とともに、エルダーの清掃の組合員を初めてストに入れました。その意味でも非常に大きかったと思います。
職名廃止・業務融合化、外房線・内房線のワンマン化、乗務員の労働時間削り取り、仕業検査の周期延伸、清掃部門でも人員削減を行うなど激しい合理化攻撃でした。コロナ禍を利用して「変革2027」を進め、労働者の闘う姿勢や団結をへし折ろうという攻撃です。
「労働者なんかどうにでもなるんだ」という会社の姿勢に対して、労働組合として立ち向かうことを示すストだったと思います。組合員の多くがエルダー・シニアになる中ですが、組合員が決起してくれたことで48時間ストライキが打てました。また、渡辺書記長になって初めてのストでした。これからに繋がる48時間ストを打ち抜けたと思っています。
社長の深澤は昨秋、鉄道部門3万4千人のうち4千人の削減、転籍・副業の促進を宣言しました。分割・民営化以来の大合理化攻撃です。これにどう立ち向かっていくかです。
――5月クワッドや国葬に対して闘い、11月集会にのぼりつめていきました。
5月クワッド粉砕の闘いは、アメリカ・バイデンが来日する中での非常に重要な闘いとなりました。安倍国葬についても9・23―27と全力で闘いを貫徹しました。中国やロシアの脅威を煽って改憲・戦争・大軍拡と国民動員へ突き進もうとする攻撃に対して、「戦争の本当の原因である日米帝国主義を打倒する」という仲間とともに闘いを展開しました。
闘いの中で、権力に対する怒りがあることが示されたと思います。それを11月集会結集につなげていくことに挑戦してきました。この怒りをいかに組織していけるかということです。
階級的労働運動の再生に向けて関西生コン支部・港合同とともに3労組アピールを発して1年をかけた闘いを展開してきました。2200名が結集し、やり切ったと思います。とくにこの1年、全国の仲間たちと真剣な議論と実践を通してつくり上げてきた階級的労働運動の内容、路線は本当に大きな意味を持つものだったと思っています。今年の集会に向けてもう一歩飛躍をかちとりたい。
国際連帯という意味では、3年ぶりに韓国・アメリカから訪日していただきました。民主労総ソウル本部、鉄道労組ソウル地方本部との交流・連帯を深めることができました。やはり労働者として通じるものがあり、この3年間お互いに国際連帯を欲していたんだとつくづく感じました。これからも共に連帯しながら闘っていきたい。
今年は国際連帯20年です。民主労総ソウル本部とは、戦争に反対する共同アピールを3労組とともに出そうという話にもなりました。国際連帯も今まで以上に拡大していく展望があります。今年の11月労働者集会は、国際連帯がもう1段飛躍する集会にしたい。そういう集会にできるかは、こちらの闘い方次第です。3労組陣形で訴えてきた「闘う労働組合の全国ネットワークを作ろう」ということを全世界に向けて発信しながら闘っていきたいと思います。
――12月4日には久留里線廃止反対を掲げて集会を開催しました。
昨年7月に発表された国交省の有識者会議の提言は、分割・民営化が破綻したことを塗り隠す形でローカル線を強制廃線化しようというものです。私たちが分割・民営化に2波のストを首をかけて闘ったことが間違いではなかったと改めてはっきりしたという思いです。
攻撃の本質は、教育も医療も全て切り捨てて「そんなことより防衛費10兆円が大事だ」「国力の全てを国防に」という国家改造攻撃です。ローカル線の廃線化もその一環です。7月22日に国交省前の抗議行動・デモを闘ったことは非常に重要でした。そういった闘いが動労西日本が主催した三好における集会、そして千葉における久留里線廃止反対を掲げた上総地域集会に繋がったと思います。
久留里線の集会には、地域の住民たちが多く結集してくれました。その後、地域から署名運動を展開していく運動になってきています。われわれは今年、廃線化を絶対に阻止する闘いにたちあがります。それは新自由主義を終わらせる労働運動の新たな挑戦でもあると考えています。
――政府は昨年安保3文書の改定を強行しました。
全くもって許せません。敵基地攻撃能力の保有や5年で防衛費43兆円など、歴史的転換となる大軍拡を閣議決定一つで強行しました。
その前段で開かれた有識者会議の第1回は9月30日で11月22日の提言まで2ヶ月もたっていません。わずか4回の会合、会議も1時間弱だったそうです。そこでは「防衛省以外の予算も国防に資するものにせよ」ということまで言われています。まさに戦争国家化です。これほど重大な転換をまともな議論もなく結論ありきで進めています。43兆円の防衛費も岸田が訪米する際の手土産だとも言われています。
有識者には元防衛次官、元外務次官に混ざって読売、日経、元朝日新聞とマスコミの人間まで入っています。世の中の議論が「国債か、増税か」と誘導されていますが本来「戦争をするな」ということが議論されるべきです。ウクライナ戦争―台湾有事を焦点とした中国侵略戦争が全てを一変させ、世界が戦争に向かって雪崩を打っています。労働組合として戦争は絶対に許さない。そういう闘いが必要です。
国交省は貨物輸送についての検討会も開いて、その会合では戦時における貨物鉄道の重要性を防衛省の人間が乗り込んで訴えています。ウクライナ戦争で改めて鉄道での貨物輸送の重要さが示されたといい、台湾有事における貨物輸送が企まれています。
私たちは昨年6月26日、新・戦争協力拒否宣言を出しました。戦争反対は労働組合の本質的な課題です。断固として反対を貫き、阻止する闘いにたつ決意を改めて確認しました。世界戦争を止めることができるか否か、この1年は歴史的勝負の年です。
――1047名解雇撤回闘争も重大局面です。
前回12月23日の裁判は、裁判長が「証人について判断する」と宣言していた裁判でした。しかし、裁判所の判断は、原告側の証言は認め、井手・深澤については「保留」というものでした。
すべての証人を却下して結審強行という攻撃もありえた情勢でした。井手・深澤を引きずり出すための決戦として構えて、支援の仲間を含めて闘い抜いたことで、結審策動を打ち破ることができました。これからの数ヶ月、改めて「井手・深澤を法廷に呼べ」という闘いを強化していくことが必要です。
私たちは国鉄分割・民営化反対を貫き、35年をこえて闘い抜いてきました。鉄道労働者だけでなく、全労働者と労働組合の未来と権利のかかった闘いだったからです。国鉄分割・民営化との闘いは、日本において改憲と戦争国家化を阻止する闘いの基軸として力を発揮してきました。岸田政権が改憲・戦争・大軍拡に突き進む中、改めて闘いの意義は大きくなっています。1047名解雇撤回闘争勝利に向け、署名運動のさらなる発展をかちとり、井手・深澤の証言を実現させていきましょう。
――三里塚闘争も大きな決戦過程です。
NAAは12月27日に供託を行い、年内にも強制執行を行おうとしてきました。しかし、三里塚反対同盟が年末の「四日間決戦」を訴え、全国の仲間が結集し、年内執行は阻止されました。大きな勝利だと思います。先程の有識者会議では、空港を自衛隊が利用することについて「平時から整備を進める必要がある」と提言されています。「成田軍事空港阻止」を掲げて半世紀以上にわたって闘う三里塚闘争は、ますます重要になっています。
強制執行には何の必要性も合理性もありません。成田空港の軍事利用と三里塚闘争を潰すためだけに、市東さんの農地を奪おうとしているのです。私たち動労千葉は、ジェット燃料貨車輸送阻止闘争から、車の両輪として労農連帯を貫き、首をかけて闘ってきました。「農地は命」を貫く市東さんと同じ気持ちで、農地を強奪し戦争に突き進もうとする国・NAAの攻撃をともに断固粉砕していきましょう。
――今春の闘いに向けてはいかがでしょうか。
まずは3月ダイ改決戦を闘い抜くことです。大網―鴨川、成田―銚子に至る70`にも及ぶ区間の運輸区・駅を一職場に融合化する恐るべき攻撃です。行路内への「その他時間」設定、乗務員による車内清掃、駅業務のさらなる外注化・窓口廃止等を提案してきました。業務融合化と統括センター化の全面的な拡大です。乗務員にコンビニの品出しをやらせることも狙われています。CTSもダイ改での津田沼、幕張の構内の要員削減を提案してきています。
鉄道業務をどこまでもおとしめ、現場労働者の誇りを踏みにじり、競争させ合うように仕向けて分断し、労働組合を根本から解体する攻撃です。昨年のダイ改で作られた枠組みを具体化し、「4千人削減」に向けた攻撃を激しく進めようとしています。労働組合として本当に反撃を作り出すことが必要です。
列車削減も史上最大だった昨年に次ぐ124本の大幅削減です。久留里線も4両から3両編成にするなど、地域切り捨ての攻撃を仕掛けてきています。労働組合として何をなすべきかが問われています。
また、水戸支社や八王子支社ではさらなるワンマン運転が提案されています。それも1両や2両ではなく、5両や6両ワンマンです。千葉支社でも会社は全面的なワンマン拡大を狙っています。ワンマン拡大を許さず闘いに立ち上がりたいと思います。
会社は、「将来的には自動運転」と言いますが、運転士ではない人間を列車の前に乗せていいのか。机上でできるからと言ってやらせるわけにはいきません。列車後方で何かあった時、ワンマンでは一切わかりません。この間も太東駅で乗客が骨折するなど、重大な事故が起こっています。
改めて鉄道の安全を守り、運転保安を確立する観点からもワンマン運転、自動運転は絶対反対です。動労千葉が貫いてきた反合理化・運転保安闘争を軸にした闘いが必要です。
23春闘は非常に重要になっています。戦時下の春闘です。激しいインフレ・物価騰貴の中で生活破壊が進んでいます。本当に「食べていける賃金をよこせ」ということです。一時金については、JR貨物だけでなく、東日本も「コロナ」にかこつけて削減しています。CTSの仲間の状況はより深刻です。幕張事業所では私が職場代表になっていますが、CTSの労働者800名の過半数を取れれば、賃金という意味でも良い闘いができます。この点はやはり、「労働者代表から過半数組合へ」ということです。
30年間賃金が下がり続けるという日本の異常な現実を生み出した最大の戦犯は連合です。連合を打倒し、階級的労働運動を作り上げるストライキに立ち上がらなければなりません。
――最大の闘いは組織拡大ですね。
去年の大会で、全組合員の皆さんに改めて組織拡大に向けた闘いを訴えました。組合員の多くがエルダー・シニアになる中ですが、やはり組織拡大が会社の攻撃に対する一番大きな反撃の力になります。
敵の攻撃も激しいですが、そういう時こそ、踏み出せば展望は開かれます。韓国・民主労総、アメリカやイギリス、フランスなど、世界中の労働者が次々に労働組合を結成し、ストにたちあがっています。空港、病院、郵便局、鉄道など様々な業種・産別で闘いが広がっています。日本でも闘う労働組合、階級的労働運動を甦らせるチャンスが来ています。 JRにおいても、CTSにおいても、その可能性はあります。労働者にはそういう力があるんです。そのことに絶対の信頼をおいて組織拡大を実現していきましょう。仕掛けられた攻撃はこっちから倍返し、組織拡大で返そうということです。それにはやはり行動するしかないと思っています。私を先頭に組織拡大へ、行動を軸に行っていきたいと思います。
――ありがとうございました。 |