戦争の危機に立ち向かい労働運動再生へ 職場・地域から新たな一歩を!
11・6労働者集会報告A 3労組発言
開会あいさつ 全国金属機械港合同
木下 浩平 執行委員
今年は3年ぶりに韓国・民主労総の仲間やアメリカの闘う仲間を迎えて、文字通りの国際連帯集会として開催することができました。また、ウクライナ戦争によって戦時下の集会となりました。この事態に労働組合がどういう態度をとるのか。岸田政権がNATO会議に出席したように、日本自身がこの戦争に深々と係わり、中国への戦争に突き進む姿が浮き彫りになっています。岸田政権は、安倍の国葬で、安倍の英霊化と国威発揚を狙い、改憲へと一気に突き進もうとしましたが、国葬反対の広範な怒りの声がそれを徹底的に打ち砕きました。この闘いをさらに引き継いで労働運動の新たな大高揚をつくりだしていこうではありませんか。
■特別報告
全日建運輸連帯労組関西地区生コン支部 武谷 新吾 書記次長
戦争情勢のさなか、関生支部は戦争を阻止するために先頭に立って闘うことを表明します。関西ではこの1年間、大阪広域生コン協組の労働組合つぶしと権力弾圧粉砕の現場闘争を関西労組交流センターの仲間とともに闘い抜きました。この闘いは、最終的にはストライキをはじめとする大衆行動で決着をつけます。
労働組合つぶしは戦争への道です。闘う労働組合の団結と行動で粉砕しましょう。湯川委員長のメッセージを赤川執行委員に読み上げてもらいます。(要約別掲)
メッセージ 全日建連帯労組関西地区生コン支部 湯川裕司委員長
参加されたみなさんに心から敬意を表し、連帯のメッセージを送ります。
現在、日本では新自由主義が貫徹され、あらゆる分野に競争原理が導入されて「カネ儲(もう)けが全て」の殺伐とした社会になっています。
主要国で唯一、賃金が上がっていないのが日本です。日用品・食料品の相次ぐ値上げ、燃料価格の高騰、こうした二重三重の苦しみが労働者を襲っています。
その一方で政治の腐敗ぶりは目に余るものがあります。それは、「安倍国葬」の強行に端的に表れています。安倍元首相こそ、政治を私物化し、「お友達」を優遇して、大企業を儲けさせるだけ儲けさせ、労働者には低賃金・劣悪な労働を押しつける社会をつくった人物であり、反対して声を上げれば容赦なく弾圧される今の「生きづらい」日本社会をつくった張本人に他なりません。さらに、アジア各国との緊張関係をつくり、「脅威」を煽って軍備増強、「戦争のできる国」へと日本をおとしめてきた人物です。全国で国葬反対の運動が巻き起こったにも関わらず、岸田首相は国葬を強行しました。改憲・大軍拡・民意無視の安倍路線を引き継ぐ本性が表れています。
私たち関西地区生コン支部に対する弾圧も安倍政権下で行われました。
もっとも邪魔なのは、戦争に反対して国家と対峙し、労働者の要求を掲げて資本と闘う「本来の労働組合」です。関生支部は、産業別労働組合です。産業別労働組合に力を持たれては資本の思い通りに労働者をこき使うことができない、国の政策も好き勝手できなくなってしまう。そうした危機感から権力者は私たち関生支部の壊滅を狙って大弾圧を仕掛けてきたのです。
先日関生弾圧事件の一つ、「大津一次事件」の論告求刑で検察は私に懲役8年の実刑を求刑しました。労働組合が行うコンプライアンス活動に殺人並みの重罰を科そうとする驚くべき求刑です。決して許されるものではありません。
関生支部は昨年の定期大会で長年の課題であった世代交代を果たしました。これまで長年の習慣になってたことも直すべき点は直そうと努力しています。先輩たちが築いてきた関生支部の組織と運動は、この先、私からさらに次の世代へとバトンタッチしていかなければなりません。そのためにも労働組合潰し攻撃を打ち砕き、産業別労働組合を再建しなければならないのです。
私たちが闘っている相手は強大な力を持っているように見えますが、実際には、大したことはありません。国全体も同じです。労働者・市民の不満の受け皿になる政党がなく、「どうせ政治は変わらない」と多くの人があきらめていることによって延命しているに過ぎないのです。
今こそ、私たち労働組合の出番です。
日々、生産活動を担い、社会を動かしているのは私たち労働者です。不条理な現在の社会を放置するのはもうやめましょう。私たちにはそれを変革する力があります。
権力者に「やりたい放題」を許している大きな原因は、多くの労働者が自らの持つ力に気づいていないからなのです。動労千葉、港合同をはじめ、ここに結集する多くの労働組合のような自らの使命を自覚する労働組合を全国・全産業に増やし、労働者全体の要求を掲げて闘う姿を外に向かってもっと見せましょう。時代は必ず変わります。関生支部もみなさんとともに全力を尽くす決意を申し上げ、連帯のメッセージといたします。(要約/日刊編集部責任)
■基調報告 動労千葉 関 道利 委員長
11月労働者集会が25年という大きな節目を迎えた。私たちの訴えと闘いの前には今も大きな壁が立ちはだかっている。日本労働運動の後退の現実の中で、情勢に負けることなく闘いの意志を燃やし続けていることの意味は決して小さくない。
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私たち3労組は小さな労働組合だが、闘いの先頭に立つことをやめなかっ たがゆえに激しい攻撃を受け続けてきた。関生支部は、89名もの組合員を不当逮捕・長期拘留する戦後最大の労組弾圧に不屈に闘っている。
動労千葉は、国鉄分割・民営化や業務外注化攻撃との闘いの中で70名を超える不当解雇攻撃を受けながら団結を守りぬいてきた。
港合同は倒産・組合つぶし攻撃に自主管理と地域全体の組織化をもって立ち向かい前進してきた。
私たちの経験が示しているのは、階級的団結・階級的労働組合をつくりあげることは絶対に可能だということだ。
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今日は私たちの闘いの新たな出発の日にしたい。25年間の蓄積が時代と結びつき、力を帯びるときが来ようとしている。
日本における新自由主義攻撃は、1987年国鉄分割・民営化をもって本格的に開始され、社会生活の全てを破壊した。そして、成長の余地を失った資本主義の危機は戦争を生み出し、戦争が世界を呑み込もうとしている。
労働運動は後退し、日本の賃金水準は30年間下がり続け、先進国中最低レベルだ。連合は自民党と体化を深めている。労働者自身の手で労働運動を甦らせるときがきた。
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私たちは歴史の岐路に立っている。ウクライナを舞台としたアメリカ・NATOとロシアの戦争は、三たびの世界戦争の危機、核戦争の危機を告げ知らせている。「台湾有事」を振りかざした米日政府による中国侵略戦争の危機が迫っている。岸田政権は、防衛費倍増、敵基地攻撃能力確保、改憲断行を叫び、挙国一致の防衛力強化が高唱されている。戦争を止めるために、アジア・全世界の仲間たちと連帯し、日本政府との闘いに立ち上らなければならない。また、軍事空港粉砕! 市東さんの農地に対する仮執行に手を付けたNAAを徹底弾劾し、三里塚闘争勝利に向けて闘おう。
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国鉄分割・民営化は完全に破たんした。国交省とJRは、「JR在来線4割廃線」を掲げた大攻撃に踏み出した。ウクライナ戦争が鉄道をとりまく情勢を一変させ、鉄道貨物の軍事利用など、事態がこれまでと違う次元で動きだしている。さらにJR東日本は、「鉄道部門4千人削減」という大合理化攻撃に出ている。全系統の職名の廃止、融合化、広範囲の職場への兼務発令など職種も職場も、企業の壁もとり払って労働者をドレイのように使おうとしている。動労千葉は外注先企業の職場過半数代表をかちとり、民営化体制を覆す闘いに挑戦している。
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私たちは、本日の集会に向けて「3労組共同アピール」を呼びかけた。
第一に、関生支部への大弾圧、JRにおける「労組なき社会化」攻撃粉砕の闘いに全国の力を結集しよう。
第二に、新自由主義を終わらせる闘いに立ち上ろう、その鍵を握っているのは労働組合だ。団結した労働者の闘いは社会を変える力をもっている。
第三に、戦争反対の闘いに立ち上ろう。「内への階級戦争」と「外への侵略戦争」は一つの課題だ。
第四に、国境を越えた労働者の国際連帯闘争の発展のために闘おう。
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われわれはどのような時代に生きているのか、労働運動の変革はこの時代に求められている最先端の変革だ。社会の主人公であり、歴史をつくるのは労働者だ。すべての力を結集し、新たな一歩を踏み出そう。
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