本線運転士の 高齢者対策は待ったなし
職場から闘いを巻き起こそう!−貨物協議会
動労千葉は、7月3日付でJR貨物関東支社に対して、「3月ダイ改以降の諸問題に関する申し入れ」を行いました。
長時間勤務となる日勤仕業での深刻な「トイレ問題」。特に、本線運転士の高齢者対策について、@W泊となる仕業は充分に休養をとることが困難であり、安全確保のために解消すること。A運転保安上、熱中症対策として新型車両を導入すること。B腰痛対策として、重い乗務バック携行の解消、手歯止めを軽量化すること―を求めています。
休養を充分に、W泊の解消を
「W泊(ダブルはく)」となる仕業とは、具体的に千葉機関区では、43仕業にて11時15分に出勤し、退勤が0時18分。その日は「明け」=非番とならずに、50仕業にて同日の夜、20時05分に出勤し、退勤が翌日の15時25分になるというものです。
会社は、「嘱託社員の就労に関して次の配慮を行う」として、「@連続深夜帯の勤務。A行き先地における睡眠時間の確保する」としていますが、W泊は、これと明らかに矛盾しています。
熱中症=大災害に匹敵
今、「防護無線機の本体温度が50度程度を超える高温になると、故障表示灯が点灯し、正常に機能しなくなる現象が複数件発生」しています。
会社は、防護無線機の取替が完了するまでの予防措置として、@機関車留置計画を作成する際は、可能な限り、直射日光が当たらない箇所に機関車を留置する。A出区点検に先立ち、運転室内が高温である場合は窓を開けて熱を逃がす。エアコン使用可能な場合は、早めに運転室のエアコンを「入」とする等、を実施するとしています。
問題は、「50度程度を超える高温」となる運転室で60歳を超えるシニアの運転士が働いているということです。昨年、全国で熱中症により救急搬送された約9万5千人の約半数は高齢者でした。昨年6〜9月に全国で亡くなった人は1518人。過去10年間で計8647人に上り、新聞では、「もはや気象現象というより災害と考えた方がよさそうだ」と、報じられています。
乗務カバンの重量は約10キロ!
5月に、62歳のシニアの本線運転士が、「膝を曲げ、中腰前傾姿勢の状態から乗務鞄を両手で掴み、引き出しながら持ち上げようとした際に、腰に強い痛みが走った」と、「筋・筋膜性腰痛症」で休業するという労働災害が発生しています。
他人ごとではありません、まさに「明日は我が身」。63歳のシニア運転士が、機関車から降車時、足を着地させた際にバラストでバランスを崩し、足を捻挫して休業するという労災も発生しています
厚生労働省が発表した2018年の労災発生件数は前年比5・7%増の12万7329人で、このうち60歳以上は3万3246人と、前年よりも10・7%増え、全体の26・1%に達しています。60歳以上の労災は20代の2倍以上です。高齢になれば、体力も衰え、労災の発生に大きく影響してきます。
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きつい乗務行路の解消、仕業緩和。ちゃんと休める、眠れる環境づくり。熱中症・腰痛対策をはじめ、本線運転士の高齢者対策の抜本的確立はまったなしです。職場から闘いを巻き起こし、みんなの知恵と力で、65歳まで安心して働ける労働条件を確立しよう!
貨物協議会は全力で闘います! |