乗務員勤務を根本から解体する 「乗務員勤務制度の見直し」提案絶対反対!
短時間行路の導入と、
乗務効率の極限的追求で拘束時間を拡大
5月18日、JR東日本は、動労総連合に対して、「乗務員勤務制度の見直し」提案を行ってきた。
提案の主な内容は以下のとおり。なお、提案資料は下記参照。
【短時間行路の導入】
◆育児介護A勤務者について、現行、育児介護行路(6時間)に加え、朝夕のピーク時間帯に短時間行路を設定し、「行路選択制」を導入する。 ◆指導員等(技術、計画を含む内勤者)の定期列車(短時間行路)への乗務
◆支社企画部門社員の勤務時間の一部勤務時間帯で定期列車(短時間行路)に乗務
◆主務職の勤務の一部時間帯で定期列車(短時間行路)に乗務し、それ以外は当直業務を行う「当務 主務」を指定
【稠密線区の拘束時間限度の延長】
◆各行路の労働時間Aと乗務員の労働 時間(7時間10分)との乖離を縮小するため、稠密線区の拘束 時間限度を1日あたり1時間延長する。
*日勤 現行10時間→11時間
*泊 現行20時間→22時間
*一般線区も現行制度のまま効率性 (ハンドル率)向上をめざす ◆短時間行路については、乗務割交番 から遊離する
【行き先地時間の延長】 ◆稠密線区の行き先地時間の拡大
*朝食時間帯
現行7時〜10時(30分)→6時〜10時(35分)
【在宅休養時間の延長】
◆休日を夾む在宅休養時間を延長し、休養時間を確保する。
*公休又は特休を夾む場合
現行40時間→42時間
*特休・公休と連続する場合
現行64時間→66時間
【賃金制度について】 ◆賃金制度については、別途提案
【実施期日】 ◆2019年ダイヤ改正時 乗務員という考え方の解体と大幅な要員削減が狙い
今回の提案は、朝夕のピーク時間帯に「短時間行路」を設定し、そこに育児介護A勤務者、指導員、支社課員、当直を担当する当務主務を乗務させるというものだ。これは、朝夕の一番要員を使う時間帯に指導員や支社課員等を使い、日中帯は少ない要員でまかなえることから、乗務員の大幅な削減につながるということだ。
しかも、足りなければ支社課員を使えることから、「予備勤務」のあり方さえ変わるということになってしまう。
また、支社課員の勤務は「日勤」として扱われるが、日勤勤務者が「短時間行路」を乗務すること自体、乗務員という考え方を根底から解体するものだ。
さらに、提案の中では、「短時間行路で多様な働き方を実現する」「多様な働き方の実現には、短時間行路の設定が必要」「短時間行路以外を皆で少しずつカバーして乗務することが必要(お互い様の精神)」と記載され、稠密線区について、拘束時間限度を延長しようとしているのだ。
育児や介護の問題は、労働者が生活する上で避けられない問題として出てくるものだ。JRは、こうした労働者の切実な問題を利用して、拘束時間の拡大や乗務効率を極限まで上げようとしているのだ。卑劣極まりないやり方だ。しかし、育児介護勤務の者が朝の短時間行路に乗務するにしても、早朝出勤して乗務し、帰ってから育児や介護を行うのだ。今まで以上にきつくなるのは明らかだ。 狙われる乗務員手当廃止 一方、賃金・手当関係については「別途提案」となっている。乗務員勤務と手当関係は一体のものだ。いずれにしても乗務員手当等の見直しを行ってくることは明らかだ。
今回の「乗務員勤務制度の見直し」提案は、乗務員だけの問題ではなく、JRで働く者全ての権利、労働条件にかかわる問題だ。絶対に粉砕しなければならない。
全ての乗務員の怒りの声を結集し、JR東日本の提案を粉砕しよう!
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