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新春インタビューA 田中康宏委員長

第2の分割・民営化攻撃を打ち砕こう

闘いの展望

●この攻撃にいかに闘うのかについてお願いします。

田中 「団結さえ崩さなければ必ず展望は生まれる」。これは、長い闘いの中で何度も確認してきた動労千葉の原点です。まず何よりもこの原点に立ち返りたい。それと、開始されようとしている攻撃の意味・本質を全力を尽くして現場の労働者に知らせることです。力は職場にある。さらに、攻撃の弱点はどこにあるのかを見すえて闘いを組織する必要があります。

●攻撃の弱点、闘いの展望はどこにあるのですか。

田中 最大の弱点は、30年に及ぶ新自由主義政策によって、すべてが限界を超えてしまっているというのに、その道をさらに突き進もうとしている点にあります。雇用や権利だけでなく、人間が生きてゆくのに必要な最低限の条件、安全をはじめ鉄道が鉄道であるために必要な条件など、すべてを破壊して暴れ回る破滅的攻撃に他ならない。生み出されるのは矛盾のルツボです。そこを突いて闘う。
第2の弱点は、分割・民営化の時とは違い、民営化や外注化、競争原理を進めた結果生み出されたのは豊かさどころか、貧困と格差、社会の崩壊でしかなかったことを、この30年、誰もが経験し、「もうたくさんだ」と感じていることです。それは、労働運動の後退によって明確に自覚された意識にはなっていないかもしれない。それを団結した行動に移すことです。
闘いの展望は、反合・運転保安闘争、分・民反対闘争、外注化反対闘争の中にあります。とくに、外注化との闘いが切り開いてきた地平を再確認し、確信をもつことが大事です。17年にわたる外注化反対闘争は、シニア制度による33名の組合員の解雇など、当初は困難を極めた闘いでした。でも、動労千葉の小さな闘いが、「入り口」から一歩も前に進めない現実を10年以上JRに強制してきたのです。それは日本の労働運動の中で他に前例のないものです。だから確信をもってこの道を進むことです。

3月ダイ改―17春闘へ!

●3月ダイ改〜17春闘の過程が当面する焦点ですね。

田中 3月ダイ改では、「選択と集中」路線に対し、地方からの反乱のひとつの典型的な姿を館山でつくれないか挑戦したいと考えています。
職場での課題は4つです。第1は反合・運転保安闘争の再構築。職場の怒りの声を組織してJR本体での組織拡大に挑戦する。第2は、革マル分子を送り込むという幕張支部にしかけられている組織破壊攻撃を粉砕することです。第3は、貨物とCTSを焦点として17春闘に立ち上がる。とくにCTSでは5年解雇問題を見すえて全力で闘いを強化します。第4は、大量退職を逆手にとった組織破壊攻撃と対決して65歳まで働ける職場と労働条件をかちとることです。

●あらためて民営化反対の闘いを組織しなければならない情勢ですね。

田中 さらにこうした職場に根ざした闘いと結合して、国鉄闘争全国運動や動労総連合の仲間たちとともに、社会的な規模で価値観転換をめざす闘いに挑戦したい。それは、民主労総の闘いから学んだことです。2013年の鉄道労組の23日間に及ぶストライキが「民営化反対」で世論の7割以上を獲得した。またこの1年半にわたるゼネストへの困難な挑戦が、「公共サービス部門に成果主義など導入したら社会が破壊される」という意識で社会全体を獲得したのです。そしてそれが実現したときに、怒りの声は数百万の民衆決起となって燃え上がりました。われわれも、第2の分割・民営化攻撃や東京都丸ごと民営化攻撃をめぐって、こういう闘いに挑戦したい。当面、2月12日に開かれる国鉄集会に向けて、「民営化反対」の大キャンペーンを展開し、ストライキを構えて3月ダイ改に臨みます。

1047名闘争、被曝労働拒否の闘い

●1047名闘争も今年が勝負ですね。

田中 JR東日本は「JR設立委員長は確かにJRの当事者だが、井手文書については関知しない」と言ってきました。われわれの闘いはJRを当事者として引きずり出し、追いつめています。絶対逃がしてはならない。第2の分割・民営化攻撃が本格的に開始される年だからこそ、この情勢をチャンスととらえて、1047名解雇撤回の旗をこれまで以上に高く掲げたい。国鉄分割・民営化攻撃をのり越えたとき、日本の労働運動は間違いなく力を取り戻します。
さらに、6年目の「3・11」は、帰還困難区域以外のすべての避難指示の解除、常磐線全線開通攻撃をめぐり重大な焦点を迎えます。一方で「戦略的ダウンサイジング」と言いながら、原発事故を過去のことにするためには常磐線開通に突き進む。これが第2の分割・民営化攻撃の正体です。

勝負の年・2017年

●最後にひと言

田中、日本のマスコミは報道しなくなっていますが、韓国の闘いは何ひとつ終わっていません。12月31日にも、ソウルだけで90万人が集まっています。民主労総は「今度は大統領の顔を変えるだけで終わらせない」と必死で訴えている。民主労総は、資本主義・新自由主義をのり越える歴史的な挑戦を続けているのです。

アメリカではトランプ政権が発足する。EUでも、離脱を決定したイギリスだけでなく、ほとんどの構成諸国でこれまでの支配のあり方が崩壊しようとしている。中東では果てしない戦争が続き、朝鮮半島ー東アジアをめぐる戦争の危機が迫っている。戦争法強行採決から1年4ヵ月。安倍政権は、アベノミクス崩壊に怯えながら、日本を「戦争のできる国」へと急速に変貌させようとしています。
「資本主義の終わり」が始まろうとしています。そしてそれが、より凶暴な侵略戦争への衝動と労働者への階級戦争を呼び起こしているのです。動と反動がぶつかって歴史が動こうとしている。第2の分割・民営化攻撃はこうした事態と一体となった「最後の延命政策」です。今度こそ国鉄分割・民営化攻撃に決着をつけて階級的労働運動を甦らせる。そのチャンスが到来しています。2017年は勝負の年です。

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2016最後のろうそく集会、延べ1000万人突破

12月31日、ソウル鍾路区の光化門広場で第10回ろうそく集会「送朴迎新-汎国民行動」が開かれた。主催側の「朴槿恵政権退陣非常国民行動」は、この日午後9時基準で90万人以上の市民がソウルに集結し、ソウル以外の地域には10万人以上が集まったと明らかにした。この日まで、朴大統領退陣を要求するろうそく集会に参加した延べ人数が1000万人を突破したと明らかにした。
〔ハンギョレ新聞2017.1.1〕

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