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第16回強制出向無効確認訴訟

組合側3人が証言し会社圧倒

 10月28日、第16回動労総連合・出向命令無効確認訴訟が行われた。今回の裁判から証人尋問が開始され、約100名の大法廷は完全に埋め尽くされた。

 安全破壊・偽装請負の実態暴く

 はじめに証言にたった関副委員長は、外注化による安全破壊や偽装請負の現場での実態を証言した。会社側は、幕張車両センターでのポイント割出し事故や銚子派出でのブレーキ緩解など、外注化による重大な事故について、「個人のミスが原因」と主張してきた。これについて、「外注化で指揮命令系統が2つに分かれた」と証言した。外注化がなければ、そもそもミスの起きようがなかったのだ。
 反対尋問では会社側弁護士が、スト破り要員をJR側で確保する覚書をCTSと結んでいることについて、「委託業務量を調整することは当然ではないか」としてきた。これに対し、関副委員長は「それならば、組合のストライキ権や団交権はどうなるのか」と反論した。
 次に、長田執行委員が証言に立ち、JRによる直接指示や教育訓練が行われている実態を証言した。14年4月の輸送混乱時に指令からCTS作業者に直接指示があった理由を「緊急事態」と会社は主張してきた。これについて、「出区予定時刻から過ぎていたのはわずか1分」「作業者は無線をもっており、CTS管理者を通すのにかかる時間はわずか」と会社の嘘を暴いた。
 渡辺青年部書記長は、列車を運転したいという夢をもって入社したことを語り、構内運転の免許を取得していながら、それを活かすことが出来ない職場に配転された現実を語った。また、外注化された派出ではなく、JRに残した千葉派出に対応させるために、人身事故後でも検査などを行わないまま運行させるなど、外注化が鉄道の安全を破壊している実態を明らかにした。

 会社証人のウソを徹底追及

 最後に証言に立ったJR千葉支社の笹本は外注化による事故を、「個人のミスで外注化には関係ない」と繰り返した。
 また、「10年で出向を解除する計画」と証言したことについて、弁護団から「出向期間は原則3年ではなかったのか」「実際に3年で解除になった人はほとんどいない」と追及した。笹本は、「原則は原則」などと繰り返してごまかそうとした。しかし、さらなる追及を前に、「全員を3年で返す計画はなかった」「来年に返す計画もない」と、「原則3年」がまったくの嘘だったことを認めざるを得なかった。「外注化の目的」としてあげたコストダウンについても、「達成できる時期はわからない」という有様だ。
 信号現示や通告が「業務上の指示ではない」という主張についての証言は衝撃的だった。何と、「信号や通告に従うことは、交通ルールに従うことと同じ」などと説明したのだ。閉塞という考え方をはじめ、鉄道信号と一般道路の信号はまったく別物だ。通告も、鉄道の安全上、重要な変更を伝える際に行われる、非常に厳格な指示行為だ。これを単なる「交通ルール」といって、偽装請負をごまかそうとしたのだ。
 証言では労働局から指導票が出され、「出向の目的が不明確」など偽装請負の可能性を指摘されていたことが明らかになった。「誤解のないよう、契約書を修正した」と証言したが、「具体的には、詳しくはわからない」と逃げた。たとえ、文言をどう修正しようと、現場の実態は何一つ変わっていない。労働省から 「偽装請負の疑い」をもたれた実態が今も続いているのだ。
 最後に関副委員長が質問に立った。ホームにいた作業員にCTS管理者から指示したという証言について、「携帯ももっていなかった。どうやって指示したのか。指令から無線で指示したのではないか」と証言の嘘を暴き、笹本を「確認が取れていない」と答えざるをえないところに追い込んだ。
 会社は傍聴に50人以上を動員してきた。われわれの闘いは会社を追い込んでいるのだ。次回は12月16日に行われ、動労水戸と動労連帯高崎の仲間が証言にたつ。さらなる大結集でJR・裁判所を圧倒しよう。

大失業と戦争の時代に通用する新しい世代の動労千葉を創りあげよう!
 
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