解雇撤回・JR復帰の10万筆署名を
労働法制改悪阻止へ共同した力の結集を
国鉄闘争全国運動6・5全国集会
解雇撤回・JR復帰署名
6月5日現在
15345筆
6月5日、東京・江戸川区総合文化センター大ホールに全国から1626名が結集し、国鉄闘争全国運動の全国集会がかちとられた。
今年の全国集会には、韓国・鉄道労組からキム・スンシク(ソウル地方本部連帯事業局長)ら2人の代表団が参加し、闘いの報告を行った。
集会は、港合同執行委員の木下浩平さんの開会あいさつで始まった。次に沖縄からの全国運動呼びかけ人の宮城盛光・北中城村議が緊急報告を行った。
鉄道労組のキム・スンシクさん(右)とイ・ジナンさん(左) |
続いて、関西生コン支部執行委員の平山正行さん、呼びかけ人の伊藤晃さん、動労千葉田中委員長が、国鉄闘争の新たな発展を訴えた。
動労千葉争議団、国労闘争団、顧問弁護団の葉山岳夫が解雇撤回に向けた決意、そしてJRへの署名運動の訴えが全国運動・新潟から提起された。
鉄道労組ソウル本部の発言に続いて、大竹副委員長が「労働法の危機に際して訴える」が読み上げられた。
つづいて芹澤壽良さん(高知短期大学名誉教授)、金元重(全国運動呼びかけ人/韓国労働運動史研究家)、鈴木達夫弁護士(全国運動呼びかけ人)、全国運動・東京東部の会から安倍政権の改憲と雇用・労働破壊攻撃に対する反撃の闘いを訴えた。
集会には、星野文昭さん(徳島刑務所在監)、中国鉄道労働者連合会、トルコ国際労働者連帯協会(UIDーDER)、アメリカ鉄道労働者連帯(RWU)総書記ロン・カミンコウ、CSP・コンルータス(ブラジル労働者民衆連盟)から連帯のメッセージが寄せられた。
(集会詳細は次号)
争議団の高石さん、中村仁さん、公労法解雇者の桜沢さん、重見さん、白井さん、永田さんが登壇し、中村さんが決意を語る |
労働法制の危機に際して訴える
安倍政権の手で、「団体法・社会法」(団体的労使関係法・労働者保護法)としての戦後労働法制が解体されようとしている。
安倍政権は「働き方改革は安倍内閣の次の3年間の最大のチャレンジ」として「1億総活躍プラン」を閣議決定した。「正規・非正規の二分論を超えた多様な働き方」「非正規という言葉を日本国内から一掃する」の名のもとに「正社員ゼロ・解雇自由」社会が生み出されようとしている。
第2次安倍政権は、経済財政諮問会議・日本経済再生本部・産業競争力会議・規制改革会議などに竹中平蔵らの新自由主義者を集め、厚生労働省さえ排除するクーデター的手法で雇用・労働政策の歴史的転換を開始している。全労働者に向けられた新自由主義―国鉄分割・民営化型攻撃にほかならない。戦争法の強行、改憲への突進と対をなす「もう一つの改憲攻撃」である。
産業競争力会議や規制改革会議では、雇用や労働者の権利に関する従来の「常識」をすべて覆すに等しい議論が行なわれている。「解雇が規制されているのは誤解」「労働契約法16条は解雇を規制する趣旨ではない」「(日本の正社員は)職務・勤務地・労働時間が原則無限定だから社内で配転可能である限り解雇は正当とされないため(解雇が権利濫用になる)」
すなわち「職務・勤務地・労働時間が限定された雇用ルールを整備すること(限定正社員・ジョブ型正社員)」が最優先課題とされ、「その論理的帰結として、当該職務や勤務地の消失・縮小が解雇の正当な理由になる」というのだ。
さらには正社員改革≠フ名のもとに、限定正社員・ジョブ型正社員を「社会通念上相当な働き方として広く普及させ」「その際、処遇を変えない」ことが基本方針として確認された。非正規職とまったく同じ超低賃金の「正社員」を生み出そうというのだ。その際、労働契約法の「無期雇用転換申込権(5年ルール)」を使えば、そうした「新たな働き方」を大量に生み出すことができると意思統一しているのである。国鉄分割・民営化型の「一旦全員解雇・選別再雇用」攻撃を社会全体に貫徹する攻撃だ。
労働者派遣法についても「『常用代替防止』は、派遣社員との競争から熟練度の高い正社員を保護する諸外国にはない規定であり、対等な立場での競争条件を保障するべき」として、昨年9月、常用雇用を自由に派遣労働者に置き換える法改悪が強行された。
彼らは、こうした雇用・労働政策の歴史的転換を「雇用維持型から労働移動支援型への政策転換」と呼び、「労働条件変更を正当化しうる従業員代表法制が必要」「労働条件の不利益変更の効力が裁判が確定しない限り不明というのは望ましくない」「(この点で)2007年労契法は挫折した」と言って就業規則を万能化し、その一方的変更を合法化しようとしている。
労働契約法・パートタイム労働法・派遣法の一括改正が検討され、労働時間規制の解体(残業代ゼロ制度)や解雇金銭解決制度の法制化が画策されている。改悪労契法施行から5年、改悪派遣法施行から3年を迎える2018年が歴史的な分岐点になろうとしている。「雇用崩壊」への最後の扉が開かれようとしている。
たが、最大の問題は、これほど重大な事態が進行し、労働者の怒りが渦巻いているにもかかわらず、日本では労働組合の反撃がまったくと言っていいほどないことだ。いま求められているのは労働運動の変革である。
世界中の労働者が同じ問題に直面している。韓国では、パククネ政権の「労働市場構造改革」に対して、民主労総を先頭に幾波ものゼネストが闘いぬかれている。その闘いは社会全体の支持を獲得し、4月総選挙でパク政権を惨敗に追い込んだ。フランスでも、テロ非常事態宣言をはね返して、労働者や学生の激しいゼネストとデモが燃え上がっている。
戦争法強行採決に対し国会前を埋め尽くした数百万人の怒りの声は、日本の労働者・民衆がいよいよ歴史の前面に登場しようとしていることを示した。国鉄闘争は、戦後最大の労働運動解体攻撃と対決し今も闘い続けられている。この怒りの声と、労働運動の再生をめざす職場から闘いが結合したときに時代は動きだす。
安倍政権の攻撃は危機につき動かされた破滅的政策にほかならない。今こそ、労働法制改悪を阻止するために共同した力を結集しよう。
2016年6月5日
全日本建設運輸連帯労働組合
関西地区生コン支部
全国金属機械労働組合港合同
国鉄千葉動力車労働組合
国鉄分割・民営化に反対し、1047名解雇撤回闘争を支援する全国運動
動労千葉弁護団 |