「正社員ゼロ━解雇自由」社会を許すな A
6.5集会の大成功を
解雇制限法制の解体
産業競争力会議や規制改革会議では、何が議論され、確認され、そして実行に移されようとしているのか。雇用や労働者の権利に関する従来の「常識」がすべて覆されようとしている。まさに驚くべき歴史的転換、原理的転換が進められている。
最も焦点が当てられたのは、解雇制限法制の問題と「正社員改革」であった。それが、表裏一体の問題として議論されている。
解雇制限法制(解雇権濫用法理)の問題は、これまでも政府や財界が解雇規制緩和を要求し、労働側はそれに反対するという形でずっと攻防の焦点であった。しかし、規制改革会議では、こうした問題の立て方、対立軸そのものを否定し、逆転させる議論が展開された。「解雇が規制されているというのは誤解だった」「労働契約法16条は解雇を規制していない。客観的に合理的な理由を欠く解雇を例外的に権利濫用としているだけ。しかし例外が極大化した。なぜか?(日本の正社員は)職務、勤務地、労働時間が原則無限定だから、社内で配転可能である限り解雇は正当とされないため。つまり、規制の問題ではなくシステムの問題だ」と。
こうして、「職務、勤務地、労働時間が限定された雇用ルールを整備することが最優先課題と位置づけられ、それに「限定正社員」「ジョブ型正社員」という名称が与えられた。そうすれば、「その論理的帰結として、当該職務や勤務地の消失・縮小が解雇の正当な理由になるというだけ」になるというのだ。
最優先課題とされた「正社員改革」
また、「正社員改革」の問題は、「正規・非正規の二分論を超えた多様で柔軟な働き方を促進する」観点からも最重要課題とされた。ここでも、これまで「非正規職問題」という形で、社会的にも法的にも一定の待遇改善や保護が必要だと論じられてきたことが逆転され、「求められているのは正社員改革」だと主張された。「世界的に見て日本の正社員ほど特権的に保護されている存在はない、これを変えなければならない」というのだ。
そして、非正規から正規に移行させるという美名のもとに、「限定正社員(ジョブ型正社員)」を「社会通念上相当な働き方として広く普及させること」、さらには「その際、処遇を変えないという考え方がしっかりと根底にある」ことが基本方針として確認されている。つまり、非正規職と全く同じ超低賃金の定期昇給も無い「正社員」を、「新たな働き方」と称して生み出すことが確認されたのである。
5年ルールを悪用した雇用破壊
しかも、規制改革会議での議論を追ってみると、労働契約法の「5年ルール(無期雇用転換申込権)」を使えば、限定正社員を大量に生み出すことができると気づき、異様に熱を帯びた議論が展開されている。
当初は「5年ルールなど、民主党政権時代に実施された法改正であり認めない。適用除外の『雇用特区』を作る」と主張されていたことが、厚労省の抵抗などでそれが一旦挫折した時点から変化し、議論の方向性が全く変わっていく。そして、5年ルールの活用(悪用)こそ「正社員改革」の最も有効な手段だという主張に行き着く。「『正社員改革』というだけでなく、『5年で一旦全員解雇・選別再雇用』という国鉄分割・民営化型の攻撃を社会全体に拡張することができる! それこそわれわれがやりたかったことだ!」、規制改革会議の委員たちはそう考えたに違いない。
それは言うまでもなく脱法行為、違法行為だ。しかしそれが、今まさにCTSや郵政で実行に移されようとしているのである。
(つづく)
(韓国)鉄道労組、ストで反撃に
就業規則改悪強行による成果年俸制、成果退出制の実施に対し、鉄道労組は再びストライキで反撃に。スト権投票は6月22日〜24日。
『私たちはパククネ政府と鉄道公社の差別年俸・強制退出の不法な強圧を粉砕して国民の鉄道と労働3権を必ず守るだろう。』
(フランス)
原発でストライキ
オランド社会党政権、「解雇を容易にする」労働法案を強行採決。5月26日に仏各地で30万人がデモ。ストは、原発、石油備蓄施設、ガソリンスタンド、公共交通機関運転手、航空管制官も突入。6月10日からゼネストが呼びかけれれている。 |