第14回 強制出向無効確認訴訟
外注化粉砕へ全力で闘おう
雇用破壊の全社会化止める闘いだ
2月24日、第14回動労総連合・出向命令無効確認訴訟が行われた。出向させられた千葉、水戸、高崎の当該の組合員を先頭に各支部、支援の仲間が結集して裁判闘争を闘いぬいた。
「出向命令権」など存在しない
今回の裁判では、「出向延長は実質的な転籍だ」という組合側の主張に対して、JR側から反論が提出された。
会社は、就業規則による「出向命令権」というありもしない権利をでっちあげ、「出向させるのも延長するのも会社の自由」としている。会社が勝手に就業規則に「出向させられる」と書けばすべて正当化されるというのか。「反論」とも言えないひどい主張だ。
また、形式が「出向」でも単に労働力を提供するだけなら、「労働者派遣」になる。「技術指導」を名目にしながら、水戸、大子、土浦事業所では、会社自身が「プロパー社員は作らない」と言っている。結局、MTSの業務を出向者が行っているだけなのだ。「偽装出向」というべき違法行為だ。
その一方で、3人の組合員の出向解除を挙げ、あたかもJRに戻る道があるかのように主張している。
許しがたいのは出向解除された青年部員2名について、「以前ついたことのある職につけた」として、不利益などないかのように言っていることだ。
実際はハンドルを奪われ、泊勤務から日勤にされ賃金も下げられた。何より労働者の仕事への誇りや仕事を奪われる悔しさを徹底的に軽視し将棋のコマのように扱うなど絶対に許せない。
JRが安全破壊を認めている
またJRは何と「事故が起こったからといって安全が破壊されているとはいえない」と開き直り、「個人のミスが原因で外注化は関係ない」とした。
しかし、JRの安全崩壊は会社自身が認めざるを得ないほど深刻だ。清野会長、冨田社長の新年インタビューでは事故の続発への危機感が語られている。その要因として、「水平分業の深度化」を自ら挙げているのだ。それを裁判上でだけ「外注化は関係ない」などというごまかしは許されない。
法廷では、弁護団がJRの主張にあくまで反論することを突き付けた。また、裁判長が証人の検討を始めるように発言し、裁判闘争はいよいよ証人尋問段階へ入ろうとしている。
証人尋問段階ちかづく
総括集会では、弁護団からJR側主張への反論内容と今後の裁判の流れなどが説明された。その後、各単組と支援する会の仲間から発言をうけた。
水戸:会社は勝田での脱線事故について、JRの責任分担を明確にすることを対策としている。しかしMTSと作業が分断される中で発生した事故であり、何の「対策」にもなっていない。
高崎:外注化に伴い出区点検が省略された件について「以前から出区点検しないものもある」というが、それは00年の規制緩和以降の話。しかも点検後8時間たっていたり、分割・併合したものをそのまま出区していいのか。
最後に田中委員長がまとめを提起。「出向解除」の名による不当配転について、「出向者を利用して外注化しながら、今度は排除するなど許せない」と語った。また、CTSで狙われている就業規則大改悪・雇用破壊について、「分割・民営化以来の社会の大転換を狙う攻撃だ。外注化が何をもたらすかはっきりした。外注化を何としても粉砕しよう」と提起した。
◆次回裁判
4月27日 (水) 11時半〜
東京地裁527号法廷 |