組織拡大闘争に総決起を!
1・10団結旗開きに結集を
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新春インタビュー田中委員長に聞く
(前 編)
▽あけましておめでとうございます。
今日は新たな年の闘いの課題や抱負を伺いたいと思いす。
労働者にとって困難な状況が続いていますが、JRにしろ、安倍政権がやっていることにしろ、積もり積もった矛盾が爆発的に噴き出しています。いよいよその虚構が暴かれ、崩れ落ちるときが近づいている。だから、われわれが団結を守りぬき、敵の矛盾を突いて闘うことができれば、新たな展望が必ず開けてくる。そういう情勢がやってきたと感じています。
例えば、3月ダイ改でJR千葉支社が提案した特急列車の全面的な廃止・削減攻撃が房総全域を激震させています。プレス発表されるや瞬くまのうちに沿線自治体から嵐のように反対の声や決議が一斉に上がっている。館山市、南房総市、安房鴨川市、銚子市、香取市、成田市、神崎町、東庄町、旭市、匝瑳市、鹿嶋市、潮来市などが提案の撤回を求めています。JRに対する地域の総反乱と呼ぶべき事態です。
これは必死の叫びです。全国の地方自治体の半分・896都市が消滅する。千葉では、銚子市が2017年、富津市が18年度に破たんが避けられないと言われている事態です。それなのにJRは「地方創生」どころかローカル線の全面的な切り捨てに動きだした。今度の列車の切り方を見れば、特急列車だけで終わらないのは明らかです。
しかも、単に列車の問題だけではない。地方では、学校も病院も保健所も水道も、人が生きていくうえで必要不可欠な社会的インフラ全てがもう限界ギリギリです。JRによるローカル線の切り捨てはこうした現実に最後の一撃を打ち下ろすような意味をもつ。
これが、「社会的連帯を断ち切って全てを競争原理の中に叩き込む」と称して進められた国鉄分割・民営化以来の政策の末路だったのです。労働者の団結や雇用、社会保障制度をはじめ、社会の隅々までがメチャメチャに破壊され、そしてついには戦争しか延命の道がないというところまで行き着いた。
だけどもう全てが限界です。私は、時代が動きだす条件が全部出揃おうとしているとみています。われわれが貫いてきた30年に及ぶ闘いは何ひとつ無駄なことは無かった。いよいよその全てが生き生きと甦り、闘う労働組合を自らの手にとり戻すときです。
▽1047名解雇撤回闘争では、結局、最高裁は判決を出せなかったですね。
そうです。高裁判決から1年3ヵ月が経ちますが、最高裁は昨年判決を出すことができなかった。今も予断を許さない状況ですが、明らかにわれわれの闘いが最高裁を追いつめている。われわれが暴き出した真実、つまり、
@動労千葉の12名は採用候補者名簿に搭載されていたにも係わらず、組合潰しのために策定された「不採用基準」によって採用決定の直前に外されていたこと、
A「不当労働行為の責任はJRには及ばない」どころか、その不採用基準はJR設立委員長と旧国鉄幹部(葛西、井手)が密議して決めていたこと、
この二つは戦後最大の労働運動破壊攻撃であった国鉄分割・民営化、国鉄改革法そのものを揺るがす決定的な手がかりです。
昨年は、この地平の上に「今こそ国鉄闘争全国運動を本格的に発展させようの呼びかけが全国に浸透し、現在の情勢とも結びついて、国鉄闘争を労働運動再生への不可欠の課題として甦らせることができたのが何よりも一番大きな成果だった。それが、8万4千筆の署名となり、全国33箇所での国鉄集会となり、11月集会を「新たな出発点」という雰囲気で成功させた。さらには、民営化と闘う日韓の鉄道労働者同士を結びつけ、深い交流が始まるなど、国際連帯闘争の大きな発展も生み出した。
私がこの1年間の闘いを通して改めて感じたのは、今日まで国鉄分割・民営化攻撃に真正面から立ち向かって団結を守りぬき、敵を追いつめて前進していることが、国内でも、国外からも、大きな信頼と説得力・獲得力をもとうとしているということです。
▽外注化粉砕闘争も新たな一歩を踏み出しましたね。
現場は今も分断された現実をいかにのりこえて団結を守りぬくのかを模索し続けています。でも、この1年間の闘いを通して、その苦闘の中から確実に新たな展望をつかみとることができたと感じています。
「外注化粉砕・運転保安確立、仕事と仲間をJRに戻せ、CTSプロパー採用の仲間たちを守れ」と訴えて立ち上がった5月2日と10月1日のストライキをきっかけにCTSの3名の仲間たちが動労千葉に結集してくれたことがそれを示しています。
外注化は、雇用を破壊し労働者を非正規職に突き落としていく最大の核心的攻撃です。しかも職場をズタズタに分断し団結を破壊する。何よりも犠牲にされるのは下請け労働者と安全です。
でもそこにこそアキレス腱がある。外注化によって仲間が指を落としたり、床下機器の検査中にひき殺されそうになったり、
CTSでは、わずか1年程度の促成栽培で仕業検査をさせたり、構内のハンドルをもたせたり、この間の起きた事態は、外注化攻撃の本質とその弱点を改めて浮き彫りにさせたのです。
JR―CTSを貫く団結をつくることができれば外注化は粉砕できます。一歩は踏み出しました。今年はどんな困難があろうとその組織化を全力でおし広げたい。
▽第43回大会で、組織の総力をあげて「大量退職問題」と対決する方針を確立したことも大きかったですね
そもそも大量退職問題とは、分割・民営化が生み出した深刻な歪みを逆手にとって、分・民以来最大の労組破壊攻撃として使おうとする卑劣な攻撃です。JR総連革マルも、国労も、JR連合も、その攻撃の前に全勢力がガタガタになっている。でも、それが職場にもたらそうとしているのは「去るも地獄、残るも地獄」の現実です。より直接的には、大量退職に突き動かされて際限なく外注化攻撃がエスカレートし、それが安全をさらに崩壊させる。だから、外注化反対闘争の強化を中心に、鉄道で40年以上働いてきた仲間たちをボロ雑巾のように使い捨てるようなことは絶対許さない闘いに総決起することを決意したわけです。残された職場だって権利と労働条件と安全が徹底的に破壊された地獄のような職場になる。だからこの闘いは、組織拡大闘争の中心課題でもあります。
▽情勢全体も激動の渦中に入ろうとしていますね。
どの国の政府も明日への確信をもっていない。世界全体が噴火山の上に乗っているような情勢だと言っても過言ではない状態です。とくに、リーマンショック以来延々と続く出口のない危機、世界恐慌がより深化し、いたるところで一触即発の戦争の危機を生み出そうとしている。中東で、ウクライナを巡って、そして東アジアで……。アメリカも、EUも、日本も、中国も、ロシアも全部崩壊しようとしている。三たび戦争を繰り返してはならない。資本主義の歴史的な生命力が尽きようとしています。全世界の労働者の連帯した闘いで戦争を止め、労働者が真の主人公となる社会を創る。それは決して不可能なことではないと思います。
様々な幻想が剥がれて国家の本質が剥出しになっています。誰もが「与党も野党も同じ穴のむじなだ。今の政党や政治家、国会に期待できることなど何ひとつない」と思っています。一方、昨年末の解散・総選挙では、誰も政治に見向きもしなくなった結果、史上最低の投票率のなかで皮肉にも自民党が「圧勝」した。この現実のなかにこそ、今われわれが生きている時代の本質が鋭く表れているのではないかと思います。おそらく現実と政治がこれほどかい離したことはこれまで無かったのではないか。こんなこと絶対に長続きはしない。全てを呑み込んでおし流していくような激動の時代が始まる。その入り口に立ったんです。
問題は労働運動の止めど所ない後退「労働運動の不在」というべき現実です。それこそが、怒りの声がこれほど深く、広く積み上がっているのに自民党を勝たせてしまった最大の理由です。
一握りの資本家たちが巨額のカネの力で築いた国家権力に対抗しうる現実的な物質力は、労働者の闘い以外ない。マスコミなどは「野党が余りに酷いから選択肢がない」というが、その本質は、労働者の闘いに依拠した政党がひとつもないということです。共産党だってそうです。
▽安倍は「国民の信任が得られた」と言って突っ走ろうとしていますが。
安倍自身が一番恐怖しているはずですが、日本経済は、いつ、何をきっかけに破滅的事態に陥ってもおかしくない状態です。「三本の矢」は、その虚構が表わになり、実際はすでに全部折れています。異次元緩和は、株価をつり上げただけで設備投資にも賃金にも全く回っていません。それどころかいつ国債が暴落するともしれない事態です。巨額の財政出動は、1千兆円超の国家財政赤字という時限爆弾を生み出しながら日本経済はマイナス成長に落ち込んだ。社会を丸ごと民営化するという「成長戦略」は、成長どころか社会を破壊して暴れ回る国家暴力そのものです。
さらに安倍政権は年金資金まで株につっこんでしまった。異次元緩和バブルでつりあげた株価はいずれ暴落する。そうしたら年金が吹っ飛ぶということです。
安倍政権は、危機にかられて、この春には原発を再稼働させ、5月には集団的自衛権関連法を国会に一括提出して改憲と戦争に突き進もうとしている。だけどその一つひとつが、生きることもできない現実と結び合って、これまでは抑えられてきた怒りの声を呼び覚ますことになります。何が起きてもおかしくない情勢が始まる。
▽やはり鍵を握るのは労働運動が力をとり戻すことができるか否かですね。
安倍政権も、「戦争をする国」をつくるには労働運動を潰すしかないと考えています。安倍の側近の位置にいる桜井よしこがサンケイ新聞に「連合分裂させよ!」という記事を書いていますが、安倍政権の意志を代弁したものだと思います。戦争をするには連合のよう存在だって中途半端でダメだ、現代の産業報国会が必要だということです。改憲と愛国心、原発推進を労働運動の崇高な理念とせよという主張です。それともう一つ、桜井がもちあげるUAゼンセンは、非正規職労働者の怒りを抑圧し、圧殺するための支配機構そのものと言っても過言ではない存在です。
だけど、安倍政権にそんなことを貫徹する力はない。官製春闘で何とか「好循環」なる幻影を見せようしています。でも逆に、896自治体の消滅だとか、教育や医療の崩壊など社会の全面的な崩壊が始まる。この時に、鉄道、自治労、日教組、医療などで労働組合が力を取り戻すことができたら社会的大反乱が始まる。全てが沸騰点に向かって煮つまろうとしています。
つづく
15年団結旗開きに集まろう
日 時 1月10日 (土) 13時から
場 所 千葉市・DC会館 2階大会議室
※2015年の闘いはじめ、 全支部から全力で結集しよう! |