解雇撤回10万筆署名を達成して6・8を国鉄闘争の新たな出発点に
5月7日、国鉄闘争全国運動の呼びかけ人会議を開催した。呼びかけ人会議の議論をもとに参加者の発言の要旨と、4月19日の尼崎闘争での関西生コン支部、港合同の発言の抜粋も掲載する。
全国運動スタート! 2010,6/13 |
新たな国鉄闘争の出発点に
田中康宏(動労千葉委員長)
1047名解雇撤回を闘う国鉄闘争全国運動の力を結集して到達した地平は大きい。一昨年の東京地裁、昨年の東京高裁で不採用基準そのものが不当労働行為だと認めさせるところまできた。国鉄改革法を覆すことに手がかかっている。解雇撤回へ最後まで全力を尽くしたい。
どんな判決になったとしても国鉄分割・民営化の過程とそれ以降に起きたことを曖昧にしてはいけない。本当に社会的な影響力をもった運動として全国運動や動労千葉の闘いがもう一歩前に行けるかどうか。6・8集会はそういう分岐点になる。
外注化阻止の闘い
JR東日本は、本体には管理部門以外もたないところまで外注化を進めようとしている。動労千葉が検査・修繕部門で外注化と闘っていることが全体に歯止めをかけている。他の部門では外注化が決定的にエスカレートし、9割非正規化、安倍政権のモデルをJRが提唱している。
しかし事態は変わりつつある。それを象徴的に示したのが、去年12月の韓国鉄道労組の23日間のストだ。世論の7割を民営化反対に組織した。労働運動が力をもって登場したときに世論全体が反対になった。セウォル号沈没事故で起きたことはJR北海道とは寸分違わない。明らかに支配の崩壊が始まっている。だからこそ、なおさらここで国鉄闘争の旗を絶対に降ろしちゃいけない。
5月2日の動労千葉のストは、下請け労働者を犠牲にするなということを真正面から掲げた。労働者が団結すれば新自由主義攻撃は打ち砕けると示し続けたい。解雇撤回闘争と二つの柱で、国鉄分割・民営化反対闘争としてこれからも貫いていきたい。
新たな運動体に
形の上では和解してしまった闘争団の仲間たちも、まだ数は少ないけれどもこの運動にかかわり始めている。その背後にはもっと多くの仲間がいる。さらに鈴コンの勝利など、新しい展望も生まれてきている。10万人署名運動を高裁、最高裁と継続して行う中、各地域や労組で本当に我がことのように進める仲間が生まれている。それを本当につなげて一つの力にして進めば可能性はある。6・8集会の場で、最高裁判決の前に、あらためて全国運動の旗の下に結集してもらいたいと訴える文書を出し、新しい国鉄闘争の出発点にしたい。
解雇撤回・JR復帰が原則
葉山岳夫(動労千葉弁護団長)
井手は、齋藤英四郎設立委員長と井手、葛西が合議の上で名簿不記載基準を策定したと言っている。不当労働行為は明らかに設立委員会がやった。当然にも承継会社に効果が及ぶ。不当労働行為であれば原状回復、解雇撤回・JR復帰が原則だ。
JR主敵で闘いの軸つくる
鈴木達夫(弁護士)
JR体制は崩壊期に入った。安全問題は典型だ。JR北海道のことを裁判でぶつけたら、他社だから関係ないと言った。だけどJR北海道に役員を15人も送り込んでいる。子会社じゃないか。安全問題はもっと広げ、JRを主敵にすることで一切の労働問題の集約的な軸として作れる。「労働者の魂ここにありと」いうでかい運動を創っていこう。
体制変革を意識的に追求する時
鎌倉孝夫(埼玉大学名誉教授)
JRの安全崩壊や経営破綻の情勢は、具体的に表われた新自由主義の破綻だ。5月2日の動労千葉のCTSストライキは非常に重要だ。6・8集会を新たな闘争の出発点にする。非常に重要な闘いになる。
現代の情勢の特徴点は、新自由主義の崩壊が日本だけではなく全世界的に表われている。この体制の中では労働者は人間として生きられなくなっている。体制の限界が来ている。この認識が重要。体制変革を目的意識的に追求していく本格的な労働運動を確立しなければならない。
闘いを広げる新たな声明を
芹澤壽良(高知短期大学名誉教授)
今年に入ってから皆さんの会議に参加し、皆さん方の闘いの重要性、貴重さを実感してきた。今後の闘いに可能な限り協力していきたい。6月8日の大集会を成功させよう。とりわけ新たな決意表明を提起しようということには大賛成だ。
全国運動の値打ち
伊藤 晃(日本近代史研究者)
JR体制が崩壊し、次から次へ問題が起こって全社会的な崩壊状況にあることがはっきりしてきた。全国運動は解雇撤回・JR復帰を基調にしてきたが、この社会的な崩壊状況と全国運動を結びつけようと初めからしてきた。それがこの運動の値打ちかもしれない。それをどう推し進めるかが非常に重要。どんな判決が出ようとも自信を持って運動できるだろうと思う。
闘争団員は納得していない
花輪不二男(世田谷地区労顧問)
僕も北海道の闘争団の人たちとつきあってきた。全国運動の呼びかけ人に名前を連ねたときに、全国運動について批判する北海道の闘争団員はほとんどいないはずだと言われた。闘争団員はあの妥結、収束に納得していない。
今の労働者の現状を一番局限された状態で闘ってきたのが鈴コン闘争だ。鈴コン闘争は、第一ラウンドの裁判で勝利した。社前闘争で、今まではそっぽ向いて出社していく車が、笑顔で手を振っていく状況に変わってきている。分裂した組合を再建し、広範な共闘会議の組織を作っていきたい。
非弁護士制度≠ニの激闘
高山俊吉(憲法と人権の日弁連をめざす会代表)
日弁連会長選・東京都知事選は多くの教訓を残した。一番問題になったのは「法曹有資格者制度」。まさに非正規職の議論と重なる。新しい仲間がどんどん増えている。
判決後も影響力ある運動を
入江 史郎(ス労自主委員長)
6・8集会を新たな闘いの出発点にするという提起に異議ない。判決が出ても闘いを収束させないことは難しい。判決後の自分たちが描けないからだ。われわれも問われている。これに挑戦する決意だと思う。ともにやっていこうと改めて思った。6・8集会を新たな闘いの出発点にしたい。
到達している地平は大きい
長谷武志(全金本山副委員長)
3月30日に全国運動・宮城を発足した。メーデーで3桁の署名が集まり、本山でも社内でフリーハンドで署名がやれるようになっている。自治労や教組の本部にも話しに行き、教組からは各支部におろすという返事をもらった。われわれが到達している地平はものすごく大きいと感じた。
戦争をやめさせる責任がある
中村吉政(港合同委員長)
尼崎事故から何年もたつのに事故が頻発している。労働者を労働者と思わず、利益だけを求めている。それが分割・民営化だ。大阪では橋下市長が、地下鉄・バスを民営化させると息巻いたが、労働者の闘いで当初の構想は挫折した。安倍政権は憲法を力ずくで奪い去ろうとしている。これは戦争への一歩だ。戦争をやめさせる責任が私たちにある。
現場で背景資本とも闘う
武谷新吾(関西生コン支部書記次長)
春闘は2年連続1万円の賃上げで妥結したが、ゼネコンとセメントメーカーから原資を取る闘いを続けている。4月1日から4日間、独占資本のセメントメーカーの出荷基地をストで止めた。それ以降も大衆行動、ストを続けている。
現場の闘いがないと、反動法案による弾圧もどんどん行われる。春闘は決着したが、背景資本との闘いは終わっていない。皆さんとともに闘いたい。
昨年の6・9全国集会(文京シビックホール)
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