外注化粉砕!第2ラウンドへ!
組織拡大・闘う労働運動再生を!
新春インタビュー
大失業と戦争に突き進む安倍反動政権と対決し、階級的労働運動の復権を!
―田中委員長に聞く
■外注化攻撃との闘いをはじめ、昨年は本当に大変な闘いの連続でした。
明けましておめでとうございます。
昨年10月、検修構内業務の外注化が強行されて40名以上の組合員がCTSに強制出向させられました。2001年以来十年以上、激しい組織破壊攻撃を受けながら、外注化だけは許してはならないと真正面から立ち向かい続けてきた課題だっただけに、動労千葉にとっては国鉄分割・民営化に次ぐ位、大きな節目になる年でした。
それともう一点。ついに1047名闘争で国鉄改革法の壁に穴を開ける手がかりをつかみとった。6・29判決です。動労千葉の9名は、当初、JR採用候補者名簿に登載されていたのに直前に「不当な動機」によって作られた不採用基準によって外されていたことが明らかになりました。
■新たな闘いの始まりですね。
あらためて原点に返らなければいけないと感じています。外注化問題にしても、不当解雇問題にしても、敵の側からしたらとっくに始末がついているはずの問題。それがわれわれの闘いによって今現在火花を散らす攻防戦に持ち込んでいる。確かに全体が闘いの旗を降ろして、雪崩うって屈服していく困難な状況があるのも事実ですが、われわれが実現してきた闘いのもつ意味は決定的です。シニア制度では、外注化を容認しないからと先輩たちが30人も再雇用を拒否されクビになっていくとか、その後の激しい組織破壊とか、闘いの過程は本当に大変でした。国鉄分割・民営化の時も同じでした。だけど、動労千葉の組合員は25年間団結を守って闘い続け、いい勝負に持ち込んでいます。NTTとか他の企業で起きていることを見て下さい。もしわれわれが検修構内外注化問題でも徹底抗戦に持ち込んでいなかったら、今頃は転籍を含めまさに全面的な攻撃になっていた。職場の団結を守りぬけば、必ず新たな展望をつかみとることができると確信しています。
労働者を突き落とし、安全も何もかも投げ捨てていく。こんなやり方は絶対間違っている。しかも、今回の攻撃は始まりに過ぎない。民営化・外注化という攻撃は一旦認めたら、どこまでもエスカレートしていく攻撃です。
■裁判闘争も始まり、外注化以降の矛盾を突いた現場からの闘いが求められています。
職場は矛盾だらけです。CTSは検修や構内運転の専門的な経験など全くないから、そこで働いていた労働者ごと仕事を移しただけのことで、完全な違法行為です。管理者も全部JRから出向でもっていった。動労千葉は出向協定も結んでいないし、強制出向そのものが「出向4要件」を満たしていない。それどころかどんな委託契約の下に働かされているのかすら明らかにされず、直営・外注の区分もはっきりしていない。構内入換作業に対する「通告」を「単なる情報提供」と言い換えて指揮命令していないと言っていますが、運転法規上の矛盾は団交でも全く回答できていない。設備も器材も何もかもがJRのまま。とんでもないことです。
昨年12月26日には、外注化・出向無効確認を求める訴訟を提訴し、外注化阻止の第二ラウンドが始まっています。鉄建公団訴訟の控訴審も、やはり昨年12月に始まりました。いずれも国鉄分割・民営化とそれ以降の25年間に起きた現実との闘いの決着を求めるような意味をもつ裁判です。
■2013年はどのような年になりますか。
ひと言で言えば、資本主義の矛盾・危機があらゆる意味で限度をこえて進行する年になる。安倍政権が誕生しましたが、10年で200兆円の公共投資とか、カネなんかどんどん印刷すればいいとか、そんなことをやったら日本は間違いなくギリシャのように国家破たんします。インフレターゲットや消費増税が叫ばれる一方、雇用破壊や大失業、公的部門の全面的な民営化攻撃がこれまでのレベルをこえて進もうとしている。さらに、社会保障制度や医療・教育も崩壊が進む。生きることすらできない現実がのしかかろうとしています。とくに来年4月から施行される「改正」高齢法や労働契約法が雇用を破壊する猛毒のような役割を果たそうとしています。
政治的には、福島を先頭とした怒りの声をふみにじって原発再稼働が推進される。危機にかられて、改憲と大軍拡、日米安保強化への衝動が噴き出しています。すでに国会議席のほとんどが改憲派という状態ですが、自民党は7月参議院選挙で3分の2を確保して一気に改憲に持ち込もうと躍起になっています。
背景にあるのはもはや完全に打つ手がない資本主義体制の危機です。その意味ではチャンスです。本当に労働運動が力を取り戻さなければならない情勢です。
■そういう情勢の中で国鉄闘争が再び大きな焦点にせり上がっていますね。
そうです。やはり、国鉄分割・民営化から始まった民営化・労組破壊攻撃―新自由主義攻撃が、資本主義体制の延命をかけた最後の方法だったわけです。労働運動の再生にとって、これを打ち破ることが今も最大の課題です。
それと、原発事故後、JR資本のもつ位置が、日本資本主義の延命政策の中心を占めるようになっている。原発輸出が簡単にいかなくなった結果、新幹線などの鉄道建設を鉄道運行システムごとパッケージで輸出することが最大の経済政策になっています。インドやベトナムなどに政府をあげた売り込みが行われていて、一つの事業が1兆円規模の巨大なものです。
JRの新しい経営計画「ファイブ」で明らかなように海外進出で巨額の利益をあげることを経営戦略の柱にすえました。それと一体で政府の手先となって、外注化を無制限に合法化し、これからの雇用破壊政策のモデルを自らつくろうとしています。外注化阻止闘争の第二ラウンドはこれまで以上に大きな意味をもつ闘いです。
■最後に、闘いの課題についてお願いします。
最大の課題は、外注化粉砕に向けた第二ラウンドの闘いに総決起することです。現場で横行している我慢のならない実態や矛盾の中にこそ、組合員がその下に団結できる具体的な闘いのきっかけがある。強制出向させられた現実そのもの、形式だけ取り繕って偽装請負を「偽装ではない」とし、昨日まではあれほど遵守しろと言ってきた運転法規について全く逆のことを言う安全無視……。現場が、これだけは許せないと感じていることを闘いにする。反合・運転保安闘争を今日的に発展させ、新たな闘いをつくる。それが核心です。
第二に、何としても本格的な組織拡大を実現することです。職場から新たな闘いをつくり、それを組織拡大につなげる。JRだけでなく、CTSでも闘いを組織し、本体と下請、その双方で闘いをつくる。これまで経験のない闘いですが、それができたときに外注化は粉砕できます。
第三に、強制出向と不当解雇の二つの裁判闘争に勝利するために全力を注ぎたい。なぜなら、この二つの裁判には、動労千葉の未来だけでなく、労働者全体の権利がかかっているからです。
第四に、JRにおける安全の崩壊問題を絶対に重視しなければいけない。笹子トンネル事故を見て思いました。来年3月ダイ改での久留里線ワンマン運転問題をはじめ、反合・運転保安闘争を強化する。2月には滝君を絶対に運転士に取り戻さなければいけない。
第五に、そうした闘いを何としても、民営化・外注化・非正規職化粉砕、階級的労働運動復権に向けた大きな流れに組織したい。反原発闘争は今も毎週官邸前闘争が続き、時代は変わろうとしている。大失業と戦争に突き進む安倍超反動政権と対決し、階級的労働運動を復権させよう。 |