労働条件が低下し、戻る場所もない出向は違法出向だ!
動労総連合申11号に基づき徹底的に追及(7/11)
7月11日、動労総連合は、検修・構内業務全面外注化阻止に向けて、動労総連合申11号による2回目の団体交渉を行った。
今回の団交では、業務委託に伴う出向の問題について徹底的に追及を行った。
団体交渉の概況は、以下のとおり。
機動班や構内計画は、あくまでも委託対象と回答
【修正提案に伴う出向者数について】
組合 6月19日に「修正」提案が行われ、機動班と構内計画の一部が直営に残り、派出についても委託範囲が若干見直しとなったが、「修正」に伴う出向者数の変化はどうなるのか。
会社 元の提案では1500名程度の業務量の委託だったが、「修正」により、1200名程度の業務量を委託する。約300名強減ることになる。内訳は、機動班▲250名程度、構内計画▲50〜60名程度だ。
出向者数については、委託する業務量(1200名)と同程度だと考えている。
組合 「修正」提案で機動班と構内計画の一部をJRに残したにもかかわらず「将来にわたり委託しないということではない」と説明したがその意味はどういうことか。
会社 機動班と構内計画は、あくまでも委託対象業務だと考えている。
組合 今後、機動班や構内計画は委託することを考えているということか。
会社 いつとは言えないが、委託することは考えている。
組合 機能保全は残すとしているが、将来に当たり委託しないということでいいのか。
会社 今扱っている車両もいつかは古くなる。また、メンテナンスの方法も変わってくると思うので、明確に線引きできるものではない。
組合 会社は、この間、車両メンテナンスの場は確保すると回答しているが、今の回答で行くと将来的には保全検査も含めて委託するということではないか。
会社 JRにおいて、車両のあり方、車両の作り方等について残していく考えである。
組合 昨年、東急車輌の製造部門を買収したのもそのためか。
会社 それは経営判断だ。いずれにしても、JR本体で車両に関する技術を持つことは変わらない。
【出向に伴う労働条件等について】
組合 出向の場合、出る場面と戻る場面で条件がある。鉄道サービスに出向した場合、休日数が減るなど労働条件が大幅に低下する。これ自体、違法出向だ。
会社 確かに休日数が少ないことは認識している。しかし、グループ会社は、色々経験しているので問題ないと考えている。
組合 休日数の問題は労働者にとって極めて重大なことだ。それを承知で出向に出すこと自体大問題だ。違法だ。
会社 違法とはおもわないが・・・・。
【出向及びハンドル担当養成等について】
組合 さらに、出向の期間は3年で間違いないか。
会社 基本は3年である。
組合 3年後に戻る場所はどうなるのか。この間の団交で会社は、「支社をまたぐことはない」と言う一方で「工場に行くこともあり得る」と回答するなど矛盾する回答を行っている。
会社 今回の施策は、各支社を転々とまたぐ施策ではない。レアケースとして工場に行くことはあると思うが、多くの人たちについては、元職場に戻ることになると考えている。
組合 幕張車両センターの場合、「修正」提案で考えると、JRに残るのが約60名、出向が約70名となる。3年後の期限で戻るには場所そのものが足りなくなり、結局戻る場所が無い出向となってしまうではないか。
会社 3年後に総入れ替えは困難なので、時期をみて入れ替えを行うようになると考えている。期限は3年が基本だが、短くなる場合もあるし長くなる場合もあると思うが、その間で入れ換えることになると思う。
組合 会社は簡単に言うが、技官や交検の場合、すぐになれるわけではない。しかも、ハンドル担当者の場合、JRに残る者にはハンドル担当者がいなくなるため、入れ換えるにも入れ替えが出来ないではないか。
会社 エルダーも運用して対応する。
組合 ウソを言うな。今後3年程度は運転関係での退職者はほとんどいない。しかも他職から来た人ではハンドルとして使えない。
会社 プロパーを養成し、早ければ3年後にはハンドル担当できるようにしたい。
組合 鉄道サービスで3年でハンドル担当者を作れる技術・経験、余力があるのか。今でもエルダーに頼っている状況だ。しかも、規程やハンドル訓練等々を行うには、鉄道サービスに要員の余力を抱える体力が必要だが、今でも清掃担当者は要員数が足りないという声があちこちで出ている。そんな余力などないはずだ。
会社 エルダーも含めて出来ると考えている。
組合 プロパーを採用すると言っているが、JRとしてグループ会社にプロパーの採用を要求するということか。
会社 グループ会社には10年後に出向を解消することを伝え、そのためにプロパー採用を要請していくことになる。
組合 いずれにしても、出向からの復帰について会社は、「入れ替える」と言っているが、今明らかになったように、そもそも戻る場所が無いこと、ハンドルの場合にはJRにいなくなるために入れ替えができなくなるなど、結局、戻る可能性の無い出向になってしまう。戻る場所が無い出向は、違法出向そのものだ。
会社 戻る場所はあると考えている・・・。
【検修ライフサイクルについて】
組合 全面的に業務委託を行った場合、JRでの養成体系はどうする考えなのか。
会社 現在も、入社後11ヶ月間は工場で基礎技術の習得を行っている。その後、各区で交検ー機動班ー技官等を行っている。その上で、仕業等は委託するので、グループ会社に出向して仕業の技術は学ぶことになる。
組合 会社は、プロパーも養成するというが、仕業などは交番検査を経験しないとできない業務だ。誰が教育するのか。
会社 プロパーがJRに出向して技術を習得することもある。
組合 結局、JRが丸抱えで教育するということであり、偽装請負そのものだ。
会社 偽装請負ではないと考えている。
【グループ会社の労働条件について】
組合 今回の業務委託に伴い、鉄道サービスの休日数増や賃金増、一時金支払いが行われるというが、具体的にどうなるのか。
会社 休日や賃金は、今回の業務委託により改善につながると思うが、あくまでグループ会社のことであり、JRが「増える」との回答はできない。一時金については、どこでそのような話が出ているのか、逆に聞きたいくらいだ。
(時間切れ中断ー次回日程は別途)
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