昨年3月の成田線貨物列車脱線事故
原因は、「欠陥車両」と「軌道変位」だ!
運輸安全委員会が事故報告書で指摘
JR貨物は、欠陥車両を廃車しろ!
JR千葉支社は、直ちに線路点検を!
昨年3月10日、成田線・久住駅〜滑河駅間で発生した貨物列車脱線事故について運輸安全委員会は、6月29日「鉄道事故報告書」を発表した。
運転士には、一切の責任は無かったということだ!
報告書では、「原因」として次の点を指摘している。(以下、要旨を記載)
1.本事故は、本件列車が半径406mの 左曲線を走行した際、最初に9両目貨車 の後台車第1軸の外軸(右)側車輪が輪 重の減少によりレールに乗り上がって右 に脱線し、その後、第2軸も外軌(右) レールに乗り上がって脱線した。
2.脱線した貨車は、貨車整備実施基準に 定められた基準に沿って検査整備されて おり、規定された運行速度以下で運行さ れていた。
3.新製時から使用されていた軸バネはJ R貨物で定めた基準値内であったが経年 劣化により硬くなっていたことから、空 コンテナを積載した状態では新製時より も軌道に対する追従性が低下していた可 能性がある。
4.脱線発生箇所付近については、軌道施 設実施基準に基づき検査が実施されてお り、同基準で定められた整備基準値内で あったものの、脱線発生箇所付近の平面 性変位と複合変位が比較的大きかった。
5.脱線発生箇所付近の軌道変位の変動と 相まって、車両動揺が発生した可能性が 考えられ、後台車第1軸の外軌(右)側 の輪重、横圧が大きく変動して脱線発生 箇所付近で脱線係数が大きくなった。
無理に車体を短くし、積載荷重を増やした欠陥車両!
JR貨物が使用しているコキ200形式貨車(脱線した貨車と同形式)は、他の貨車のまくらバネと比較して、バネ定数が大きい(バネが硬い)ものが採用されていた。コキ200形式の貨車の軸箱支持方式も、本件列車に連結していた他の貨車(コキ106形式、コキ107形式)で採用しているものとは違い、バネ定数切換式を採用していた。これは、@車体長が他の貨車の20・4mに対して15mと短く、台車中心間距離も14・2mに対して8・9mと短いことから、車体剛性が大きく、車体が捻じれにくいこと、A積載荷重が他の貨車の40・7tに対して48・0tと大きいことから、バネ定数を大きく(バネを硬く)する必要があるため、特に追従性が懸念される空車状態でのバネ定数を小さく(バネを柔らかく)して軌道面の捻じれに対する追従性を向上させることを目的としていた。
つまり、コキ200形式貨車は、無理に車体を短くして、積載荷重を大きくしたことによる欠陥車両であったために、今回のような脱線事故が発生したということだ。こんな欠陥貨車の運用は今すぐに中止し、直ちに廃車すべきだ。
安全を解体する業務外注化に絶対反対で闘おう!
一方、軌道の関係について調査報告書では、「平面性変位と複合変位が比較的大きかった」「.脱線発生箇所付近の軌道変位の変動と相まって・・・脱線発生箇所付近で脱線係数が大きくなった」として、「軌道変位」が脱線の原因であると指摘している。
JR東日本は、2001年以降、保線など設備関係の全面外注化を強行した。その結果、2004年以降、千葉支社をはじめ各地でレール破断が続発するという状況に陥った。
昨年3月の成田線での貨物列車脱線事故も、設備関係の検査が延伸され、そして外注化される状況の中で「軌道変位」が大きくなり、そして脱線につながったということだ。
運転士が制限速度内で運転していたにも係わらず脱線事故が起こるという状況は、とても恐ろしいことだ。しかも、一旦事故を起こせば、最初に責任を追及されるのは運転士だ。
このような事故を二度と起こさないためにも、JR貨物はコキ200形式貨車の使用を中止し、廃車にしろ!
JR千葉支社は、全線区の線路を直ちに総点検しろ!
安全を解体し、事故を招く業務の全面外注化絶対反対!
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