4月1日全面外注化を止めた!
しかし、本当の勝負はこれからだ
われわれは、検修・構内業務の丸投げ外注化4月実施を阻止した。大きな成果だ。だが、闘いはこれからだ。これからが勝負だ。外注化を絶対に止めよう。
●なぜ止めることができたのか
千葉支社の検修・構内部門で10年以上外注化を止めることができたのはなぜだったのか。現在の検修・構内全面外注化攻撃も、提案では「2010年4月1日実施」とされていた。2年間止めることができたのは全力を尽くして闘いぬいた結果だ。
闘いは、2000年、「外注化推進条項」を含むシニア協定の締結を拒否することから始まった。会社は、業務外注化を認めなければ定年退職後の再雇用を拒否するという卑劣な攻撃をかけてきた。しかしわれわれは、組合員の再雇用先は組合自身で捜し出す困難な努力も続けながら外注化と闘い続けた。その次に来たのは激しい組織破壊攻撃だった。幕張車両センターでは、動労千葉が最大組合にも係わらず、交番検査から全員外され、支部三役などが次々に配転された。しかし、この10年間の闘いで、労組の壁をこえて職場全体が「外注化絶対反対」で一つになり、闘いのたびに新組合員が動労千葉に結集する状況が生まれた。本日4月1日にもまた新たな仲間が加入する。
昨年10月、しびれを切らして強行しようとした京葉車両センターでの構内業務2日勤の外注化も、退職予定者やエルダーで働く者が労組の壁をこえて全員、外注業務に就くことをきっぱり拒否する感動的な闘いを生み出し、会社の攻撃を頓挫させた。会社は23年間もハンドルを握っていない管理者と、東京から送り込まれてきた革マル分子を動員し、4ヵ月も遅れて、面子だけのために「1日勤」を外注化するというボロボロな現実をさらけだした。大山鳴動して1日勤。こんなことで全面外注化などできるはずがない。
労働局への違法申告、差し止め訴訟等、偽装請負の徹底的な追及もJR東日本を揺るがし、長期にわたって団交がストップする状況を何度もつくりだした。JR東日本が進めている外注化攻撃は明白な偽装請負だ。これが偽装請負と認定されたら、これまでの外注化が全てくつがえることになる。
また、われわれは全面外注化の結果おきる強制出向にも絶対に同意しないこと、労働組合として出向を拒否して闘いぬくことを会社につきつけた。
●まさに丸投げ外注化!
今かけられているのは、検修・構内業務を文字通り丸投げ外注化する攻撃だ。東労組自身が「7〜8割の業務が外注化される」と言っているとおりだ。しかもこれまでのように支社ごと、職場ごとに逐次やるのではなく、全国の全職場で一斉に実施するとしている。外注化対象業務は次のとおりである。
●車両検査関係
・交番検査業務(新系列車両は 直営を主体とする)
・仕業検査業務
・交番検査業務(新系列車両は 直営を主体とする)
・仕業検査業務
・機動班業務
・駅派出業務(首都圏のホーム 検査専門の派出を除く)
・消耗品取替業務
・車輪転削業務
・ATS・ATC特性検査業務
・事故復旧業務
・資財、倉庫関係業務
・ホームでの分割・併合業務
●構内関係
・構内入換業務
・構内計画業務
・誘導業務
・信号業務
・その他構内業務
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構内関係は文字通り1人も残さずに全部外注化される。検修関係で残るのは《技管》と《首都圏の派出》だけだ。「新系列の機能検査は直営で残す」としているが、消耗品交換等は外注化するとしているので、恐らくは技管が対応するだけになると思われる。要するに管理者と技管を除いてそっくり庁舎ごと丸投げされることになる。
●1000名以上の 強制出向
現場で働く者は強制出向になる。会社は実施時点での出向者数を「1000〜1200名」と回答している。全国の車両センターで働く仲間は、新幹線を除けば約2000名だ。これから管理者・技管・事務を除いたら何人になるのか? 要するにほとんどが強制出向に駆り立てられるということだ。
しかも、「帰る職場のない出向」である。ところが、会社は「帰る場所はある。総合車両センター(工場)と技管だ」と回答している。しかし、この言い方の中にこそ、攻撃の本質が表れている。「技管」のポストなど限られた数であり、戻れる職場は工場しかないが、千葉で言えば一番近いのは大宮。気動車では郡山だ。通勤できるはずがない。これは「戻る職場などない」と言っているに等しいことだ。しかも、会社は「この外注化による出向が解消されるまでに10年かかる」と言っている。
●出向の次にくるのは転籍だ
それだけでは済まない。出向の次にくるのは「転籍」だ。会社は、「どうぞJRに戻ってください。戻る職場は総合車両センターです」と言うはずだ。しかし、「通勤できない」と言うと、会社は「わかりました。今の職場で働き続けることもできます。その場合は〇〇鉄道サービスに転籍になります」と。これは空想の話ではない。JRと同じく民営化されたNTTで実際にやられていることだ。NTTでは、50歳の時点で「このままの仕事を続けたいなら転籍」が全社員につきつけられている。賃金は3割減。NTT本体に残りたければ、「全国どこに転勤になっても構いません」という同意書を書かなければいけない。
JRは全く同じことをやろうとしている。総合車両センターもすでに6割の業務が外注化され、何社もの外注会社が入っている状態だ。今回の提案では直営業務が多少残ることになっているがこのままのはずはない。
●強制出向を拒否する!
東労組も国労も、すでに基本的な問題で団体交渉が終わっているのが現状だ。東労組が最終的な組合案として出したのは、「技術継承のために一支社一箇所は仕業検査を直営に残してほしい」というものだ。その他は認めてしまったのだ。国労が出している組合案も「信号業務は直営に残してほしい」とか大して違わないレベルのものだ。
にも係わらず4月外注化は止まった。それは、今JRが進めようとしている外注化攻撃が矛盾だらけだからだ。何よりも、こんなことをやったら鉄道の安全と雇用が完全に破壊される。絶対認めてはならない。
万が一強行したら、われわれは組合として出向への同意を拒否する。われわれは出向協定も結んでいないし、偽装請負に基づく違法な強制出向に行かなければいけない理由など何ひとつない。検修職場の全ての仲間に訴えて、外注化・強制出向を許さぬために闘う。それでも強行するなら長期ストも辞さずに闘う。こんな状況の中で強制出向が貫徹できるのか? 本当に力を結集すれば外注化攻撃は必ず阻止できる。
●なぜ闘うのか?
なぜ闘うのか。こんなことは絶対に間違っているからだ。今、日本の全雇用労働者の39%が非正規職だ。しかもどんどん増えているのが現実だ。2千万人以上が年収200万〜300万円という現実の中に落とし込められている。一旦非正規職になったら正規の仕事に就くのは絶望的なほど困難だ。とくに青年層では50%以上が非正規職で、未来や希望そのものを奪われている。JRでもグリーンスタッフの仲間たちが大量解雇された。絶対に許せない。社会全体に吹き荒れた民営化・外注化攻撃によって非正規職に突き落とされ、こんな現実が作られたのだ。ほとんどの労働組合がこの攻撃に立ち向かうことができなかった。「貧困」「格差」「ワーキングプア」が当たり前のことになってしまった現実。こんなことはどこかで止めなければいけない。だからわれわれは闘う。外注化を許すとしたら、それは自分の子供や孫の首を絞めているのと同じことになる。
そんなことは絶対にできない。
だから外注化は許してはいけない。
みんなの力を結集してほしい。
共に闘おう!
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