予科生等運転士登用差別事件の反動判決に対して
再審を申し立て
最高裁判決は、動労水戸事件の確定判決を無視するなど、判断の抜け落ちや確定判決と矛盾することは明らかだ!
最高裁は、再審を認め、直ちに再開しろ!
全ての組合員のみなさん!
動労千葉は、「予科生等運転士登用差別事件」に対する反動判決に対して、3月24日、再審の訴えを最高裁に対して行った。
2月23日に最高裁第1小法廷・櫻井龍子裁判長は、動労千葉の「予科生等運転士登用差別事件」に対して、「原審判決を破棄する」との反動判決を下してきた。
しかし判決の内容は、08年12月の動労水戸事件については一言もふれず、JR東日本の上告理由をそのまま引用した判決には到底値しない代物だ。
こうした最高裁の反動判決にたいして動労千葉と弁護団は検討を重ね、同一法廷、同一裁判長でありながら、自らが過去に下した動労水戸判決を無視するような極めて不当な判決を許すことはできないとの立場から、再審の訴えを行うことを決断し、3月24日、最高裁に対して再審の訴えを行ったものである。
「予科生等運転士登用差別事件」の再審勝利を目指し、全力で闘いぬこう!
JR東日本が主張する「動労水戸事件」は一切触れず
動労千葉「予科生等運転士登用差別事件」の最高裁判決に対する再審の訴えの要旨は以下のとおり。
1 判決に影響を及ぼす重要な事項につい て判断の遺脱(抜け落ち)があったこと。
@最高裁が弁論再開の理由としたJR東日本の主張の中に、動労水戸事件の判決について、動労千葉事件の東京高裁判所において「不当労働行為意思及び支配介入意思を推認する事実」の1つとしてあげている点を批判し、本件とは事案が異なるので「推認する根拠とはなり得ない」と主張している点を挙げた。
A しかし、最高裁判決では、この点には一切触れず、結論を出している。この点に関する判断において、本来記載されなければならない(動労水戸事件の確定判決に関する)判断が脱落している。
B 動労水戸の判決は、動労千葉事件と同じ最高裁第1小法廷において08年12月18日に言い渡され、内容も本件と同じく、予科生の運転士登用における組合差別=不当労働行為性が問題になっており、全く同じである。
そして、不当労働行為を行った当事者も、本件と同じJR東日本であり、不当労働行為の対象も「予科生」であり、不当労働行為の内容も「運転士登用における差別」である。
C 動労千葉事件の最高裁において弁論を再開するにあたって重要な争点であり、同じ最高裁第1小法廷が約3年前に言い渡した判決内容と異なる判断をするからには、当然にもその理由が詳細かつ合理性を持って明らかにされなければならない。
そうでなければ、高等裁判所の判決が、従前の最高裁の判断と異なる場合、上告受理申立を認め、上告審での審理を認める民事訴訟法の趣旨を無視することになる。
D 動労千葉の「予科生等運転士登用差別事件」に対する最高裁判決は、同種事案である動労水戸事件の最高裁判決の内容と食い違っており、しかも食い違っている理由について全く触れておらず、重要な判断の脱落が存在するずさんな判決であることから、再審を認め、最高裁判決は取り消されるべきである。
千葉と水戸だけで予科生の登用差別が行われている事実
2 判決が、前に確定した判決と抵触(矛盾)すること。
@ 運転士の予科制度は、千葉や水戸をはじめ各地方鉄道管理局で77年度から82年度まで採用が続けられた。
一方、予科生の運転士登用では、動労千葉と動労水戸以外で紛争が発生した事実はなく、動労千葉、動労水戸以外では希望者全員が運転士に登用されている。
しかし、動労千葉と動労水戸に所属する予科生のみ運転士登用が拒否され続けられている状況が未だに存在しており、これ自体、不当労働行為を如実に示す事実である。
A 動労千葉は、国鉄分割・民営化に反対して85年11月と86年2月に2波のストを実施した。その後、86年11月30日に、分割・民営化に反対し、闘う労働運動を作ることを掲げて、動労連帯高崎、動労水戸とともに動労総連合を結成した。
このように、分割・民営化に反対する動労千葉及び動労水戸に所属する予科生の運転士登用を、JR東日本は拒否してきた。
B 動労水戸判決では、「未登用者の内、動労水戸組合員は、運転士を希望していながら、誰一人、運転士発令を受けていない。他方、東労組等に所属する者は全員運転士発令されている」と認定している。
C 以上の事実から考えれば、動労千葉の運転士登用差別事件と動労水戸事件は、いずれも「国鉄分割・民営化に反対し、JR東日本の施策に反対する動労千葉と動労水戸に所属する予科生を運転士に登用しない」というJR東日本の同じ意思に基づく行為によって発生したものであり、両事件は同様の不当労働行為事件であることは明かである。
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