2012 闘 春
あけましておめでとうございます。
2012年は、佐倉・銚子運輸区新設・線見訓練拒否の指名ストライキを闘い抜き、京葉車両センター構内業務の外注化攻撃との対決の中で迎えた。
昨年6月10日に同時に提案されたこの攻撃に対してわれわれは、組織をあげた反撃に起ち上がり、京葉構内業務の10月1日実施を阻止し今も阻止し続けている。02年第二の分割・民営化攻撃の総決算ともいうべき外注化・非正規職化の攻撃と基地統廃合、組織破壊攻撃を阻止するために全力で闘いぬかなければならない。
昨年3月11日に東北地方を襲った大地震と大津波、原発事故は新自由主義攻撃が強行されてきた結果として労働者がどういう現実に置かれているかをはっきりとさせた。政府は福島第一原発事故の「収束宣言」を出し、資本の利益のために原発を再稼働させようとしている。原発とその付近で働く労働者は被爆労働を強制させられ、緊急非難準備区域の解除によって、住民は避難することもなく、放射能汚染にさらされている。
さらに「復興特区」をつくり、東北地方を丸ごと民営化しようとしている。「雇用の維持・確保のため」と称して労働法制の適用を除外し、労働者を民営化された企業で超低賃金で働かせようとしている。大資本は、大地震と大津波、そして原発事故による甚大な被害をも利用し、それによって莫大な利益を得ようとしている。絶対に資本と労働者の利害は一致しない。資本の利益のためには福島県民をはじめとする労働者の生活などどうなってもかまわないのだ。
昨年の日本の労働者の非正規率は38・7%にのぼったと発表された。青年労働者の非正規率、失業率はさらに大きくなる事は明らかだ。資本主義は満足に労働者を生きさせることさえ出来ない。「9割の非正規化」に向かって、資本の生き残りをかけて「震災」を口実に攻撃はさらに激しくなる事ははっきりしている。JRにおいてかけられている保守部門の外注化、グリーンスタッフ化、検修・構内業務の全面外注化攻撃もこうした政財界の進める攻撃と全く同一の攻撃だ。
リーマンショックから始まった世界大恐慌は、国家財政危機の爆発、国家そのものの危機として表れた。ギリシャの金融危機は事実上の債務不履行の状態に陥り、ヨーロッパ各国は軒並み国債の金利上昇により救済の必要な状況に至っている。まさに、ユーロの解体からEU解体が不可避な情勢にある。昨年8月にはアメリカにおいても国債の債務不履行の危機に直面した。アメリカ国債の格付けが引き下げられ、株やドルが暴落した。ドルの暴落は円高となってあらわれ、日本の輸出産業に膨大な被害を与えた。それは日本国債の暴落の危機とも重なり、全世界で解決しようのない経済危機がますます進行している。野田政権は、15年には消費税を10%にすることを決定し、増税を進めようとしている。GDP比200%にまでふくらんだ多額の国債残高を解決する方策は消費税増税しかないのだ。しかし、解決などできるはずもなく、日本もギリシャやイタリアの後を追わざるを得ない、もう資本主義ではやっていけない状況に立ち至っているのだ。
こうした情勢は、全世界で大失業を生み出すと共にそれは闘う労働者の決起を生み出している。エジプトで始まった闘いは、北アフリカ・中東各国に広まり、ヨーロッパにおいてもギリシャ、スペイン、ポルトガル、イタリアなどヨーロッパ全土に拡大している。アメリカでも「ウォール街を占拠せよ」として始まった闘いは、99%の労働者・人民が1%の金融独占資本による格差、失業に対する怒りの抗議行動だ。
9・19反原発大集会は6万人の労働者・人民が結集した。政府による「除染すれば安全」というデマを大々的に流し、フクシマと労働者人民の分断を図ったが、そうした思惑もこの闘いが完全に粉砕した。日本の労働者階級は連合の制動を打ち破り、原発廃棄へ大きな闘いを開始した事のあらわれだ。02年は、全面的な外注化・非正規化の攻撃が吹きあれる中で、労働者の生死をかけた闘いとして全力で決起していかなければならない。
02年の闘いの課題の第一は、検修・構内業務の全面外注化攻撃阻止へ全力で起ち上がることである。京葉車両センターの構内業務の外注化攻撃も絶対に阻止しなければならない。京葉外注化阻止の闘いは、われわれが全力で闘いぬけば外注化は阻止できる展望を切り開いた。「外注革命」と呼ばれて推し進められた「外注化」「アウトソーシング」は、民営化と一体をなす新自由主義政策の核心的攻撃としてあった。外注化ー偽装請負弾劾の闘いはJRのみならず全産業で強行されている外注化・非正規職化を撃つ闘いだ。これをJRで阻止することが出来れば全国の労働者への影響は計り知れない。4月全面外注化阻止へ全力で起ち上がろう。
第二は、佐倉・銚子運輸区新設、基地統廃合攻撃粉砕へ全力で起ち上がろう。現在貫徹している線見訓練阻止の指名ストライキを貫徹し、組織破壊攻撃としてある基地統廃合攻撃を全組合員の総決起で阻止しよう。
第三は、国鉄闘争全国運動を中心に闘う労働運動の発展をかちとろう。新自由主義攻撃のさきがけとしてあった分割・民営化攻撃と闘い抜いてきた国鉄闘争の旗をおしたて国鉄闘争全国運動を全国の職場に拡げよう。闘う労働者の全国潮流の発展へ11月集会への圧倒的結集をかちとろう。
第四は、反原発闘争を中心とする反戦政治闘争に立ち上がろう。日本の将来をフクシマに見てとった支配階級は、だからこそ原発再稼働、復興の名の下による大民営化を阻止するために反原発の闘いを全力で闘おう。
第五に組織拡大闘争へ全力で起ち上がろう。組織拡大は資本との最大の攻防戦だ。青年部を先頭に組織拡大をかちとろう。
外注化阻止! 基地統廃合攻撃粉砕! 12春闘に総決起しよう。
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