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No.

JRが使い捨てナットの再使用を指示
安全を無視した、看過できない重大事態だ!

写真@ ブレーキユニット部分。○印がシューヘッドボルト部分。その右側に制輪子が取り付けられている
写真A シューヘッドボルト。ブレーキユニットと制輪子をつなぐ重要な部分
写真B Uナット。走行中は相当の振動もあり、緩んで脱落しない特殊な構造になっている。再使用しないことになっている

幕張の立会人が指摘して、再使用を中止
会社こそ規程を守れ!

 6月10日、幕張車両センターにおいて、209系車両のM車ブレーキユニット部分のシューヘッドボルト取替作業が行われた。(写真@がブレーキユニット部分)
 交換作業が行われたシューヘッドボルト(写真A)は、丸印で示したように、制輪子を取り付ける部分とブレーキユニット本体をつなぐ部品であり、列車を運転する上でも極めて重要な部分だ。

「JRから再使用を指示されている」−関連会社担当者

 取替作業は、JR大宮総合車両センターの担当者が上り方ユニット、関連会社の担当者が下り方ユニットを担当して行われ、幕張車両センターからも臨検班の担当者が立ち会って行われた。
 ところが、シューヘッドボルトの取替が終わりナットを取り付ける際に、関連会社の担当者が、それまで取り付けられていたUナットを再使用したのだ。臨検班の一人が関連会社の作業責任者に確認したところ、「JRさん(大宮総合車両センターのこと)から再使用するようにとの指示を受けている」というのだ。
 シューヘッドボルトには、Uナットという特殊なナットが使われている(写真B)。列車走行中には台車部分に相当の振動が加わるため、ブレーキユニットと制輪子を取り付ける部分をつなぐシューへーヘッドボルトには、振動でもナットが緩まないよう特殊な構造が施されいる。そのため、一度使ったナットは再使用しないことになっているのだ。
 現場で立ち会っていた臨検班の担当者が幕張車両センターの故障担当者に確認したところ、「再使用しないことになっている」として再使用を中止し、新品のUナットを取り付けることとなったのだ。

安全無視を指示するJRの姿勢は絶対に許せない!

 今回のUナット再使用は重大な問題だ。ブレーキユニットという重要な箇所の部品の取り扱いについて、JRが、関連会社に対して再使用を指示していたということ。それは、列車の安全など無視しろといっているに等しいことだ。
 会社は、現場に対して「コンプライアンス」「法令順守」「規程を守れ」と職場を縛り付けているが、規律や規程を一番守っていないのはJRではないか。しかも今回の問題は、安全に直結する重大な問題だ。しかも、JRが関連会社に指示するなどもってのほかだ。
 しかも、今回は幕張車両センターの臨検班が立ち会っていて再使用を中止させたが、大宮総合車両センターではUナットの再使用が行われ続けていたということであり、今でも再使用されたUナットを付けたままの車両が乗客を乗せて営業運転を行っているということだ。
 今回の問題はこれだけで済む問題ではない。会社は、検修業務の前面外注化を提案しているが、もしもこれが強行された場合には今回と同じようなこと、いや、それ以上の安全を無視した作業指示が行われかねないということだ。
 「コスト削減」「営利優先」という名の下で安全が切り捨てられているのがJRの現状だ。
 反合・運転保安確立!
 JRこそ規程を遵守して安全を守れ!
 組織強化・拡大へ、動労千葉の総力をあげて闘いぬこう!

大失業と戦争の時代に通用する新しい世代の動労千葉を創りあげよう!
 
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