新自由主義と対抗する労働運動の出発点に
6・13大集会報告B
●多くの参加で新たな運動スタート
中村吉政(全国金属機械労働組合港合同副委員長)
すでに多くのみなさんがご承知の通り、4者4団体グループは、和解案に合意をした。しかしみなさん、本当にこの解決案は、自らがたたかいとったものなのでしょうか。決してそうではないと思います。闘争団の23年間をこえる本当に苦闘の闘いを否定する解決案にすぎないと思います。このような状況から国労闘争団、そして動労千葉争議団の仲間が、この闘いを続ける。本日これほど多くのみなさんがご参加をいただいて、新たな運動を続ける機会が得られたことを心から喜び合いたいと思います。
●解雇撤回は労働運動の原則
葉山岳夫(弁護士・動労千葉顧問弁護団長)
1047名が解雇撤回闘争を闘うのは当然のことです。一人の解雇も許さない、解雇されたら、解雇撤回を闘い抜くことは労働運動の原則中の原則ではありませんか。
元自民党中曽根派の自見庄三郎・新郵政大臣は、中曽根元首相が「よく解決できたな」と喜んだことを国労大会で披露しました。中曽根に喜ばれたことでこの決着の本質は明らかであります。中曽根こそ「行革でお座敷をきれいにして、床の間に新憲法を安置する」と憲法破壊を宣言した張本人です。その中曽根が喜んだことを大会で得々と報告し、これに対して野次もできない大会は、もはやまともな労働組合の大会とはいえません。
●労働運動を再生させる歴史的意義
伊藤 晃(日本近代史研究者)
1047名の闘いは、多大の苦しみがあったのは事実だけれども、決して単なる救済の対象ではない。労働運動への意志と行動こそ社会の基礎であると20数年、闘ってきた人たちです。だからこの1047名闘争と志を同じくして、無数の運動が再度社会の表面に大きな力となってまとまっていくそのきっかけをつくるものでなければならないと思います。全国運動は、労働運動を再生させる歴史的な意義を持つものであろうと私は考えたわけであります。
●韓国の労働運動も注目している
金 元重(韓国労働運動史研究家)
この全国運動に韓国・民主労総ソウル本部を中心とした韓国労働運動の指導者が32人も連帯を意思表示を示したことは大変心強く思いましたし、国鉄分割・民営化反対、1047名解雇撤回闘争について韓国の労働運動も注目していると思います。
私は、一から学びなおしながらこの闘争の意味というものを噛みしめて、それを韓国の闘う労働組合に伝えていくことを私の役目として考えていきたいと思います。国鉄闘争が大きな転換点に立つ時に全国運動がスタートすることを心からうれしく思います。
●現場での闘いこそが
高 英男(全日本建設運輸連帯労組関西地区生コン支部副委員長)
解雇撤回で闘う動労千葉の争議団、国労闘争団の有志を具体的にどのように支え、ともに闘うのか。目標1億円の基金、金銭的な支援も必要です。しかし、闘いを孤立させないためには現場で闘いを組織する。これ以外に方法はない。
多くの労働者が、国鉄分割・民営化によって派遣や非正規におとしめられた。闘いの原点は間違いなくここにある。非正規や派遣で労働者の権利を奪い取ることが多くの労働者の怒りを鬱積させている。間違いなくそのことが、動労千葉や国労有志の闘いを盛り上げていくことになると思います。
今回の問題は、すぐれて政治的な課題を、世界の労働運動に突きつけています。唯一の武器は、現場での闘いしかない。国鉄分割・民営化との新たな闘いを継続して闘うことは、派遣や未組織という状態に置かれ、労働運動に絶望感を持っている労働者に対して、希望の光を与えるものになるはずです。 |