home page 日刊動労千葉 前のページに戻る

No.

業務委託は「偽装請負」のオンパレード
外注化阻止へ動労総連合申第9号で申し入れ

 5月26日、動労総連合は、検修・構内業務の全面外注化阻止に向けた新たな申し入れとして「動労総連合申第9号」を発出した。
 今回の申し入れは、2001年以降JR東日本が実施している検修・構内業務の一部(交番検査及び構内入換業務)委託ついて、業務委託されているにもかかわらずJRからの直接指示が行われていたり、労働省告示が「専門的な技術若しくは経験に基づいて業務を処理する」ことを求めているにもかかわらず、何らの経験や技術力のない関連会社に業務が委託されているなど「偽装請負」の問題があること、委託業務において入進冒進等の重大事故が多発している問題や、関連会社の労働者が死亡する事故が相次いでる問題、さらに業務委託に伴う若年出向が適法であるための判断基準等々について解明を求める内容となっている。
 この間の業務委託でも「偽装請負」のオンパレードだ。このまま検修業務の全面委託を許したら安全や技術力は解体し、「第2の尼崎事故」につながる。
検修業務全面外注化阻止!反合・運転保安−組織拡大で闘おう

「業務委託」等に関する申し入れ(5/26)

1.委託した構内運転業務について、乗務中の指令指示については、JRが直接請負会社の作業員に行うという取り扱いの下に業務が遂行されているが、間違いないか。
  またそれは、労働省告示等に照らしたとき、偽装請負にあたると考えるが、会社の見解をあきらかにされたい。

2.構内運転業務については、入換作業に関する日常的な信号所からの通告、防護無線の受信や発報後の指令からの指示に基づく取り扱い、出場後の着発線変更等にかかわる指令からの通告等、「請け負った業務を自己の業務として当該契約相手方から独立して処理する」ことは日常的に不可能であると考えるが、会社の見解を明らかにされたい。

3.業務委託が正当なものであるためには、請負会社が、「自らの行う企画又は自己の有する専門的な技術若しくは経験に基づいて、業務を処理すること」が前提条件となるが、検修・構内運転業務について専門的な技術や経験を有するのはJRであり、鉄道整備会社にそのような条件はない。検修・構内業務の委託に関する協定議事録確認でも、「重要なことは、安全や技術に関する必要なマネジメント体制を車両整備会社に構築することである」と認めている。このような状態の下での業務委託は偽装請負にあたると考えるが、会社の見解を明らかにされたい。

4.検修・構内業務の委託に関する協定議事録確認では、「委託した業務に関連して事故等が発生した場合であったも、お客様に対する責任は、当社が負うことになる。なお、当社と整備会社の関係では、整備会社の責めによることが明らかな場合はその損害について当社が請求を求めることがある」となっているが、これは、請負会社に、業務の処理に関する事業主としての全ての責任を負うことや業務の処理に要する資金につき自らの責任の下に調達し支弁することを求める労働省告示に反するものであると考えるが、会社の見解を明らかにされたい。

5.千葉支社管内では、車両転削業務で請負会社の作業ミスが多発し、車軸交換や車交が発生しているが、その責任、それに伴って発生した損害はどのように処理されているのか明らかにされたい。

6.千葉支社管内では、土曜・日曜は、委託会社側の作業責任者がおらず、JRが請負会社の作業員に直接指示を行ったり、列車の入区が遅れた際に作業責任者がおらず、同様にJRが直接業務の指示を行っている実態があるが、これは偽装請負にあたると考えるが、会社の見解を明らかにされたい。

7.労働省告示では、請負会社は、「自己の責任で調達する機械、設備若しくは機材又は材料により業務を処理すること」を求めているが、検修業務等に必要な機械、設備、機材等は、どのような契約関係で処理されているのか、具体的に明らかにされたい。

8.以上のような偽装請負の疑いに加え、「グループ会社と一体となった業務体制のさらなる推進」提案では、JRから受託会社への若年出向が前提とされており、それは次のような問題を生じさせると考えられるが、会社の見解を明らかにされたい。
 (1) 請負会社への出向が、発注者が請負会社作業員への指揮命令をできないことを形式的に回避する手段として違法に行われていたと判断される判決が出されており、この点が業務委託が正当なものであるか否かの重要な分かれ目となるが、今回の提案では、出向による請負会社での業務遂行が適法であるための具体的判断基準をどのように考えているのか。
 (2) 本人の承諾なしに出向が命じられることがあり得るのか。また、出向命令が有効であるためには、出向期間や期間終了後の職場復帰がどのようになるのか等が具体的に定められていることが重要な要素になると考えるが、この点についてはどのような取り扱いを考えているのか。

9.会社が、2001年以降、「グループ会社と一体となった業務体制の構築について(運輸車両関係)」に基づき実施している交番検査や構内入換業務の一部委託について、検修業務等を受託しているグループ会社において、受託した交番検査業務等において車両故障や車両の不具合を修繕できない、検修業務等に関する技術的な指導や訓練、安全に関する指導等が全く行われていない、構内入換業務おいて信号冒進事故が多発していることから、その詳細を明らかにされたい。

10.昨年来、業務委託された構内入換業務等において、入換信号機の冒進(2009年7月21日−秋田車両センター、同11月11日−川越車両センター)や、列車を連結する際に一旦停止できない(同9月10日−新津運輸区)等の重大な事態が発生していることについて、原因及び対策を明らかにされたい。

11.この間、JR東日本管内において、請負会社労働者の死亡事故が相次いでいることについて、次の点を明らかにすること。
 (1) 昨年9月10日、東北新幹線・仙台駅構内で発生した死亡事故の原因及び対策について
 (2) 3月20日、青梅線・宮ノ平駅構内で発生した死亡事故の原因及び対策について。
 (3) 3月26日、総武線・両国駅構内で発生した死亡事故の原因及び対策について。

12.「グループ会社と一体となった業務体制のさらなる推進」提案について、何の説明もないまま4月1日実施が見送られているが、どのような理由でそうなっているのか、今後、同提案をどのようにしようとしているのか、具体的に明らかにされたい。

13.動労総連合申第1号(2009年12月28日付)について、団体交渉も開かれず、回答もないまま5ヶ月間も放置されているという不誠実な対応が続いている。速やかに団体交渉を開催し、誠意を持って回答されたい。

大失業と戦争の時代に通用する新しい世代の動労千葉を創りあげよう!
 
ページの先頭に
前のページに戻る