一人の拒否からみんなの拒否で制度廃止へ!
裁判員制度はやっぱりいらない! 12・5千葉県集会
12月5日、千葉市・きぼーるにおいて、「裁判員制度はやっぱりいらない! 12・5千葉県集会」が、裁判員制度はいらない!千葉県実行委員会の主催で開催された。
来年度の裁判員候補者名簿への記載通知が発送された直後であり、同制度への関心は高まっている。
同大運動のよびかけ人である高山俊吉弁護士が「裁判員制度廃止の展望」と題する講演を行った。
高山弁護士は、今年8月から行われてきた裁判員裁判の実例をいくつかあげ、法廷で何が行われ、どういう問題が起きているかを明らかにした。
被告人にとっては修羅場、裁判員にとっては苦役─高拒否率
まず、被告人にとっては文字どおり修羅場である。「分かりやすい法廷」の演出と、論点と証拠の極小化、ビジュアル化で検察官が圧倒的に有利となる。検察官主張通りの事実認定となり、また感情に訴える裁判で重罰化している。
裁判員にとっても苦役だ。東京地裁では中途離脱者も出た。「疲れた、もういい」、「夜も眠れない」「非常に重くて苦しい制度」、「判決を前に一人で泣いた」、「秘密をかかえて生きてゆくのは大変」、「もう一日いたら倒れたかも」など、裁判員からも厳しい感想が出され、高い出頭拒否率となっている。マスコミなどで報道されている「出席率80〜90%」は大嘘だ。あらかじめ拒否している候補者などを除いての発表だ。実際には、追加呼び出しが各地で続出し、裁判を実施する側にとっては拒否者続出に手を打てない状況だ。(千葉地裁では出席率は50%)
「見える反発、見せる反発」へ
そして、この制度を修正ではなく、なぜ廃止にしなければならないのかについてはっきりと訴えた。基本的におかしいものはきっぱりと反対すべきだ。戦争反対の例をあげ、「殺す人をもっと少なくすればいい」のか、というような問題だ、とキッパリ。
しかも闘いは勝機にある。制度実施によって、制度への反発は一層強まっている。一人ひとりの反対が決定的な力となる。こうした反発を「見える反発、見せる反発」にしていくことだ。運動の存在を知るだけで安心して拒否できる人が多くいる。
そもそもこの制度は国民が納得していない。自民党が参院選で歴史的敗退をしたのは、この制度の誤りの証明だ。修正論にのらず、絶対反対の旗を降ろさないときこそ勝利することができる。一人の拒否をみんなの拒否で制度廃止へ、みんなで手をつなごうと、具体的なとりくみを提起した。
「動員」に絶対反対
講演ののち、千葉の裁判員裁判の状況を千葉市や松戸市の弁護士、元裁判官などが、明らかにした。元裁判官からは「裁判官のなかにも、この制度を疑問に思っている人がかなりいる。反対の運動がもっと大きくなれば、こういう人たちも中から声をあげていくことができる」と訴えた。
聖職者として裁判員制度の拒否声明を出しているカトリック教会の神父は、「参加と動員は違う。私たちは動員には絶対反対です。それは赤紙と一緒。参加したいという信者からの相談があれば、『どうして』と問いかけ、厳罰化に考慮し、死刑制度に反対の立場からキリスト教精神に従うよう助言する」と発言した。
千葉の2名の裁判員拒否者の発言を受け、質疑応答が行われた。実際に候補者通知が送付された人や、裁判を傍聴した人などから「傍聴して、裁判官の〈アドバイス〉は誘導ではないかと感じた」、「大運動の存在を知って、特に候補者の実名記者会見を知り、拒否できるという勇気をもらった」など、活発な討論となった。
さらに、千葉県百万人署名運動、動労千葉、裁判員制度を考える会・松戸、市民ネットワークなど各団体から発言を受けた。
動労千葉からは川崎執行委員が「労働者を権力の下に動員するものであり、団結破壊だ。絶対に反対していく」と決意を表明した。
最後に集会アピールを参加者一同で確認し、終了した。
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