法政大学での学生弾圧(法大暴処法弾圧)に抗議し、即時釈放を求める緊急全国声明
一つの大学で107名の学生が逮捕されるという異常な現実。しかも戦前、治安維持法とセットで制定された「暴処法」という法律が適用されるという事態。これは労働者、学生の反乱を恐れた歴史的弾圧だ。この現実を全国に知らしめなければならないと、緊急全国声明が発せられた。
法政大学で、まったく許すことのできない学生運動破壊の大弾圧がおきています。5月15日から16日にかけて、警視庁公安部は法大生10人を含む11人の学生を「暴力行為等処罰法違反」をデッチ上げて逮捕しました。そのうち2人は別件で起訴された上での再逮捕です。18日にはさらに1人の学生が別件で逮捕されました。このほか、公安警察が多数の法大生を「事情聴取」と称して呼び出し、拉致・連行して徹夜をも含む長時間の取調べを行い、完全黙秘で不屈に闘っている学友の権力への売り渡しを強要するという、言語道断のことが行われています。
今回の弾圧を含めて、法大での逮捕者は、2006年3月以来の3年間になんとのべ107人、起訴者は24人にもなります。その発端は、学内でのビラまきも立て看板も演説も禁止という大学当局の一方的な決定に抗議して集まった学生が、「建造物侵入」で大量逮捕された事件でした。あらかじめ当局と示し合わせて待機していた200人の公安刑事たちが、一斉にキャンパスに突入して行われた不当逮捕です。以来、退学・停学の処分と逮捕・起訴の弾圧が次々としかけられ、これに屈服せず抗議を続ける学生には当局が雇った暴力職員、右翼ガードマンが襲いかかるという事態が繰り返されてきたのです。
法政大学で行われているこの学生弾圧に、私たちは驚きと怒りを抑えることができません。今回の弾圧はとくに、学生のサークル団体である法大文化連盟と、戦争に反対して闘っている全学連の学生に集中しています。12人の逮捕者の中には、法大文化連盟の執行部全員と、全学連の委員長始め三役が含まれています。
しかも逮捕の理由とされているのは、正門前に掲示してあった当局の看板が学生たちに破壊されたというものです。この看板とは、処分された学生や高額の学費が払えなくなった文化連盟の学生の実名をさらし、立ち入りを禁止した看板です。教育機関であるはずの大学が、こんな掲示物を教室の入口にまで貼り、多数の監視カメラを設置して学生の行動を逐一監視している。このこと自体があまりにも異様です。学生から思想・表現の自由も一切奪い、キャンパスを暴力ガードマンが支配する一種の「監獄」に変えている、こんな大学はもはや大学とは言えません。本年3月には、大学の「営業権」をふりかざして「情宣活動禁止の仮処分」まで発動しています。こうした現実は今すぐ打ち壊され、根本的に変革されねばなりません。
私たちは、この学生弾圧に激しい憤りを覚えるとともに、度重なる弾圧に屈することなく胸を張って闘いぬいている学生たちに心から感動し、尊敬と連帯を表明します。法政大学の現実は、新自由主義攻撃が教育と大学にもたらした象徴的な姿です。これを打ち破ることは、学生だけでなく、大恐慌と戦争の時代に立ち向かうすべての労働者・市民の死活問題です。
今回、学生たちの闘いを圧殺するために暴処法が発動されたことはきわめて重大です。暴処法は戦前、治安維持法と一体で制定され、集団での行動自体を犯罪として労働組合の解体・労働運動弾圧に猛威をふるった弾圧法です。その法大文化連盟と全学連への適用は、まさに戦前の、教育と学問の圧殺、戦争体制確立に道を開いた「京都学連事件」を思わせるものです。この弾圧を打ち砕くことなしに、労働組合の未来も、全人民の未来もありません。
法大での学生弾圧に、抗議の声をあげましょう。国家権力の暴力に真っ向から不屈に立ち向かっている学生たちを激励し、支援しましょう。6月14日と15日には、この弾圧粉砕を掲げて全国から労働者・学生が首都東京に集まることが呼びかけられています。労働者・学生・全人民の怒りの力で法政大学と権力を包囲しましょう。
国家権力は、12人の学生たちを直ちに釈放せよ!
法大当局・増田総長は、一切の処分を撤回し、全学生に謝罪せよ。そして、学生の自主的な活動を規制する一切の規定・決定を破棄せよ!
2009年5月28日
緊急全国声明呼びかけ人 (5月31日現在)
入江史郎(スタンダード・ヴァキューム
石油自主労働組合中央執行委員長)
西川重則(平和遺族会全国連絡会代表)
田中康宏(国鉄千葉動力車労働組合執行委員長)
足立昌宏(関東学院大学教授)
荻野富士夫(小樽商科大学教授)
高山俊吉(裁判員制度はいらない! 大運動)
葉山岳夫(救援連絡センター代表弁護士)
鈴木達夫(国労5・27臨大闘争弾圧裁判主任弁護人)
織田美喜子(被逮捕者・織田陽介君の家族)
恩田英一(被逮捕者・恩田亮君の家族)
獄中アピール
★文化連盟はスジを通します
合法と正当性は違う。国家すら、法律すら、所詮、社会の一部である。法律は、社会の常識とはまた別のものである。
もちろん、尺度のひとつではあるが、何を善とし、何を悪とするかは、われわれ一人ひとりが判断しなければならない。権威に従うことも重要だが、ふざけていると思った権威に楯突くことはそれ以上に重要である。学徒よ、共に闘おう!
文化連盟・斎藤郁真委員長(法2)
★共に固く手を結び闘おう!!
獄中で法大生のことや同志たちのことをいつも考えています。われわれの闘いは必ず勝利する。資本主義が今この瞬間にも崩壊しわれわれ労働者が生きさせろと怒りを爆発させる時代に法大闘争は歴史的な位置を持っています。
同じ署の捕まっている労働者たちは、誰一人犯罪者ではありません。ダブルジョブをして、それでも生きていけないから窃盗をした。お母さんは女手ひとつで育てた子どもたちに会いたくて、泣き、それに対して、看守は保護室に監禁する。こんな社会はもう終わっている。今まで、私たちを散々食いものにし生き延びてきた資本家、政治家、国家権力こそ、監獄へぶち込むべきだ。
やっぱり実感すること。闘うって楽しい。今までこの資本主義によって、つけられていた鎧をはずし、仮面を剥ぎ取り、起ち上がることは、少々痛い。だけど、その痛みこそが、この社会が、終わりを迎え、そして、われわれの手によって新しい時代が開かれることを意味する。だから、私はすべての学生、労働者に訴える。一緒に鎧をぬごう!仮面をはずそう!共に固く手を結び闘おう!!
洞口朋子さん〔経済1年・譴責処分〕
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