home page 日刊動労千葉 前のページに戻る

No.

NEX (東京-空港)53分運転 を止めろ!

NEXルートがこの現状 締結ボルトが完全に抜け落ちている! 

JRの「高速化と増発」の事故体質を報ずる新聞見出し、と記事が連日掲載されている 

■無謀なスピードアップ

 成田エクスプレス(NEX)の運転時分は、最短列車が東京〜空港間53分運転というダイヤ設定がされている。最高速度は130q/h。直線区間では130q/hまでノッチを上げ、「定速」に入れてそれを維持しないと時間どおり運転できない状態だ。それでもちょっと気をぬくと遅れてしまう。限界ギリギリのダイヤ設定だ。NEXが走る総武快速線の最高速度はかつて95q/hであったことを考えれば、130q/hというのはものすごいスピードアップである。
 無茶なスピードアップや余裕のないダイヤ設定が運転士を追いつめられたとき、どれほど危険を招くのかは、尼崎事故によって、まさに最悪のかたちで証明されたことだ。福知山線と何ひとつ変わらない現実がいたるところにある。いつ事故が起きてもおかしくない状況だ。
 われわれは、3月9日の団体交渉で、NEX53分運転を中止し、余裕をもったダイヤ設定にするよう強く申し入れたが、
JR東日本は「ランカーブどおりなので問題ない」と言い続けた。尼崎事故や羽越線事故への反省など全くないのだ。

■意味のない53分運転

 53分運転という無茶な運行は、宣伝材料として以外にはとんど意味のないものだ。実際53分で走る列車は何本もない。一番運転時分の長い列車は、千葉〜空港間70分近い設定だし、千葉駅停車のNEXでは80分近くかかるものもある。NEXは、総武快速列車の間をぬうように走っているわけで、当然のことだ。しかし「東京〜空港53分!」という広告をするために、わずかな本数だけ、こんな無理なダイヤ設定をしているのだ。宣伝のために危険をおかしていいはずはない。
 かつて千葉支社は「1分の時間短縮は1億円の宣伝効果、などといって、総武緩行線で無理なスピードアップを行い、その結果ダイ改の5日後に東中野で追突事故が起き、乗員と乗客の生命を奪った。その教訓も今や完全に忘れ去られている。

■線路はガタガタ!

 さらに問題なのは、これだけのスピードアップを行なっていながら、本来ならば強化しなければいけないはずの線路の保守体制などは、徹底して手抜きが行なわれていることである。線路の巡回周期などは、別掲のように、3倍以上に延伸されている。理由は単純だ。コスト削減である。そしてレールは経験したこともないほどボロボロになり、この間、NEXルートでレール破断が多発している。
 写真はNEXルート。東千葉駅の構内だが、レールの締結ボルトが全く入っていない。NEXはこんな状態のなかを突っ走っている。

■デタラメがまかり通る!

 JR東日本は、労働者への締めつけだけを唯一の手段にしてこのダイヤを維持している。口を開けば「基本動作の徹底」。
少しでもミスがあれば「基本動作ができていない!」と、日勤教育。尼崎であれほどの大惨事が起きた後も、現場で指導されたことは「基本動作の徹底」だけ、……。これがJR東日本の現実だ。要するに、現場の労働者だけに全ての責任を転嫁して、ただひたすら会社の言うとおりに突っ走れということだ。
 こんなことを現場に強制する一方で、運行管理はデタラメ極まりないものだ。
つい先日も、総武緩行線・浅草橋駅付近で運転士が異常な揺れを感じ、指令に報告。 「徐行」の運転通告が行なわれたが、その区間が間違っており、二種類の通告が行なわれるという事態が発生した。当然のことだが、間違った通告をした列車には、新たな指令番号を付して正しい通告をし直さなければならない。しかし指令は、自らのミスが認めたくないためだけに、訂正の指令をだすことを拒否するというとんでもないことが起きている。

■できることはひとつ!

 安全を守るためにわれわれ自身にできることはひとつしかない。スピードを出さないこと、危険だと感じたら列車を止めることだ。
職場からの闘いなしに、安全なダイヤ設定やそのために必要な要員の確保、線路改善等を今のJRに強制させることはできない。安全運転闘争を貫徹しよう。

線路巡回周期の延伸・総武快速線

種別 線路巡回周期
JR当初 95・97年 01年〜
徒歩巡回(スラブ区間) 10日毎 15日毎 4週間毎
徒歩巡回(普通区間) 4日毎 7日毎 2週間毎
列車巡回 2日毎 3日毎 5日毎

 

大失業と戦争の時代に通用する新しい世代の動労千葉を創りあげよう!
 
ページの先頭に
前のページに戻る