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京葉運輸区廃止−「蘇我運輸区」新設問題で団交(1/31)
「蘇我運輸区」新設場面では効率的とは言えない、と千葉支社自ら回答

 1月31日、千葉支社において、京葉運輸区廃止ー「蘇我運輸区」新設に関して、動労千葉申8号に基づく団体交渉が行われた。
 交渉の概要は以下のとおり。

●今後の列車運行及び乗務員運用、将来の基地構想について
 「蘇我運輸区」新設による今後の列車運行及び乗務員運用の考え方について千葉支社は、「通勤特急増発による着席サービス強化、次世代通勤車両による混雑緩和、快速直通強化を図っていきたい」等との一般的な回答に終始。
 また、これまで会社は、全社的に運輸区構想や1線区1基地構想を進め、今回「蘇我運輸区」を提案してきたが、千葉運転区や外周区等を含めた今後の基地構想については、「働きやすさを追求し、運輸区構想を進めていきたい」「基地構想については、会社内でも議論は行っている。その中には我孫子線も含めた議論をしている」「館山運転区は、南端線区の要と考えている」「今後の計画については、来年度の計画に何らかの形で入れていきたい」との回答を行ってきた。

●蘇我運輸区新設で「効率化」できる理由について
 提案時に千葉支社は、「蘇我運輸区」を新設することで効率的運用ができるとの説明を行ってきたことについて、「運輸関係全体で8時間程度の労働時間を短縮し、これに対して1人平均乗務キロをのばすことができたので、効率化できたと考えている」との回答を行ってきた。
 しかし、現京葉運輸区と「蘇我運輸区」及び「同京葉派出所」を比較した場合、1人平均乗務キロで約5q増、1人平均労働時間(A)で約4分増となっていることなどを追求すると、「『蘇我運輸区』新設の場面では必ずしも効率的となっていないことは事実だ。しかし、全体では効率化できた」との苦し紛れの回答を行ってきた。

●「異常時対応能力向上」について
 千葉支社は、「蘇我運輸区」新設の理由のひとつに「異常時対応能力の向上」を上げていることについて、「千葉駅満線で内・外房線が抑止になった場合、千葉みなと駅の折返し設備を活用し、内・外房線からの列車を収容する。編成は15両まで対応可能。217系の場合、貫通戸になっていないが、中間運転台部分にホームがかかるので運転代行対は対応できる」との回答を行ってきた。また、乗務員運用について、異常時等について、千葉まで行かず千葉みなと経由で折り返す場合、さらに、千葉駅で交替で待っている運転士の対応については、「蘇我まで来た運転士で回す場合もある。千葉の運転士については、TAX等での送り込みも考えられる」との回答を粉って来た。また、「『蘇我運輸区』の運転士を使って混乱を回復することもできるが、回復した後の運転士の運用がうまくいかない場合もある」と回答するなど、必ずしも「蘇我運輸区」ができたから異常時対応能力が向上するとは限らないことが明らかになった。
 担当線区は、「蘇我運輸区」が京葉線、内房線(千倉)、外房線(鴨川)、東金線。「京葉派出所」が武蔵野線、京葉線(京葉快速で君津、上総一ノ宮)で、ローカルを担当しないとの回答を行ってきた。

●京葉運輸区を廃止して「京葉派出所」とする理由について
 現行京葉運輸区を廃止して「蘇我運輸区京葉派出所」とする理由について、「京葉線及び武蔵野線を担当する乗務員基地として考えている」「輸送混乱により西船橋での分離運転が行われた場合、東京方の担当や、京葉電車区からの入出区を担当する」との回答を行ってきた。
 また、「蘇我運輸区」と「京葉派出所」との間での要員繰配の考え方については、「ダイ改程度の時期に一部の交替はあると思うが、頻繁に行うことは考えていない」との考え方を示してきた。

●千葉運転区から「蘇我運輸区」に業務移管を行う理由について
 千葉運転区から16名分の行路を移管する理由については、「どの行路を蘇我に持っていけばロス便乗を解消できるかを検討した結果、今回の提案となった」と回答してきた。しかし、新たに千葉蘇我間に便乗が発生することも明らかになった。団交当日は解消した便乗キロ数を回答できなかったが、後日、「140q程度解消した」との再回答があったが、全体数が明らかになっていないなど、問題点を含む回答となった。

●今後の大量退職に向けた考え方について
 今後、いわゆる「団塊の世代」が退職することにより、乗務員の確保が重要な問題になることから、当面する退職者数、各区の要員需給の解明を求めた。

退職者数
06年度
07年度
運転士
15名
5名
車 掌
25名
14名
車両職
40名
10名

要員需給
区所名
過欠
習志野運輸区
+2
京葉運輸区
+20
鴨川運輸区
+2
千葉転運転区
+7
銚子運転区
+2
館山運転区
+3
木更津支区
+2

 千葉支社は、運転士について、現在の養成人数を確保していけば今後の要員需給は大丈夫だとの回答を行ってきた。
 確かに、各区の要員状況は、一応標準数より多くなっているものの、病欠や研修等により要員の回しが効かない区があることも事実だ。とくに習志野運輸区では、昨年末3名を指令に、その後「蘇我運輸区」新設のために7名を京葉運輸区に異動したため、1月からの交番作成が厳しくなり、見境なく休日勤務を行っているほどだ。しかも管理者からは「ちょっとやりすぎた」との声が聞こえる有様だ。

●「蘇我運輸区」新設に向けた移行計画について
 京葉運輸区廃止ー「蘇我運輸区」新設に向けた今後の移行計画については、「蘇我運輸区」新庁舎は3月上旬竣工、その後機器の搬入等を行い、ダイ改日までには調整を終了したいとしている。
 また、乗務員の訓練については、ギリギリまでかかるとの回答を行ってきた。
 そして、2月からは、廃止になる京葉運輸区の乗務員を対象にして、異動の希望調査を行うことを明らかにしてきた。しかし、千葉運転区から業務移管を行うことに伴う異動の希望調査は行わないとするなど、極めて不当な回答であった。

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