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反合・運転保安春闘に立ち上がろう
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▼05/10/26 東北線 (開口15o) ▼05/11/8 田沢湖線[東北新幹線](開口40o) ▼05/11/16 篠ノ井線 (開口10o) ▼05/12/5 東海道新幹線 (継目板破損/開口21o) ▼05/12/21 東北本線 ▼06/1/1 関西線 (開口2o) ▼06/1/6 川越線 (開口6o) ▼06/1/7 総武緩行線 (開口20o) ▼06/1/16 京葉線 (継目板破損) ▼06/1/20 上越線 ▼06/1/24 呉線 (継目板破損) |
まさに非常事態だ。原因は次の3点にあると考えられる。
@ 無理なスピードアップ。
A 丸投げ的な外注化や巡回周期の延伸、等による保守体制の崩壊。
B 軽量化車両=ボルスタレス台車がレールに与える影響。
安全を顧みずに、コスト削減と営利優先に突っ走った結果が、至る所でバタバタとレールが折れる異常な事態を生み出したのである。スピードダウン、外注化・保守体制の見直し、軽量化車両の投入中止等、これまでの営利優先政策の抜本的な見直しが必要だ。
組合には、「JRは異常に揺れる、大丈夫なのか」という声が数多く寄せられている。中には次のような声まである。
▼ 昨年7〜8月にボランティアの関係で内房線を館山まで10回程利用したが、縦揺れ、横揺れ、割れるのではないかと思うほどの窓ガラスの振動等、あまりにも揺れが酷く、気持ち悪くなって吐く者もでて、来年からはバスに切り替えることになった。
▼ 昨年20数回東京〜成田空港間を往復する機会があった。JR東日本ご自慢のNEX。一言。ゆれる。異常だ。テーブルを使うと飲み物がどんどん移動していく。立ち上がると、どこかにつかまらないと頭をぶつける。荷物のウイスキーのビンがすれあって盛んに音を発する。腰痛も手伝って帰りはリムジンにした。快適だった。京成SLは終始淡々とした振動だけ。千歳のALや関空のラピートにも乗ったが、NEXの揺れとは別ものに思えた。本当に大丈夫なのか。
実際、京成などに乗ると、JRの揺れの酷さを実感する。京急などは驚くほど揺れない。乗っていてこれほどの揺れを感じるということは、レールと車輪の間には想像を絶する衝撃が起きているということだ。大丈夫なはずはない。まさにレールは警告しているのである。
1月24日、伯備線で、保線作業中の3人の労働者の生命が奪われた |
1月24日、伯備線で、保線作業中の3人の労働者の生命が奪われた!沸き起こる怒りの声を抑えることができない。
伯備線は単線で、事故当時、列車ダイヤ乱れていた。通常のダイヤだったら、次に通過するのは下り貨物列車のはずであった。だが作業にかかった直後、15分程遅れていた上り特急列車「スーパーやくも」が逆方向から通過し、はねられたのである。作業にあたっていたのは、現場責任者、見張り員も含めわずか7名。見張りは反対側400m地点で通過予定の下り貨物列車を監視していた。
● 延長50qを12人で!
「触車事故防止要領」には、ダイヤ混乱時等は「区間の両側に見張員を配置する」と定められている。だが、7人では両側に見張り員を配置しようにもできるはずもなかった。
事故のあった米子保線区根雨保線管理所は、何と12人で延長50qを受け持っているというのだ。東京〜千葉間よりさらに10qも広い範囲だ。東日本でも同様だが、メンテナンス要員の大合理化攻撃のなかで、ここまで徹底した要員削減が強行されてきたのである。
● 具体的指示はなかった!
国鉄時代には、作業責任者は駅の運転取扱い責任者に列車の通過を確認してから作業にかかっていた。だが、駅は無人化され、一切の運行管理が指令室に集中された。
マスコミに発表されている現場と指令の交信記録では、列車が15分ほど遅れて運行していることだけは伝えられたものの、今列車が一体どこに居るのか、どの列車が何時に現場を通過するのか、保守作業にとりかかっていのかどうか等、具体的な指示は何もされていない。これは、羽越線事故を招いた状況と全く同じだ。
● なぜ経験のない者が?
しかも、作業責任者はわずか23歳だった。高校を出てJRい就職し、最近米子支社に配転したばかりという。作業を中止する決断を含めた、重要な判断、適切な判断を求めること自体、どう考えても無理な話しである。ベテランの保線労働者が大勢いたはずだ。一体なぜ、経験らしい経験も積んでいない23歳の労働者が現場責任者になっていたのか?
ここからは、組合所属による差別を柱とした不当な労務政策の影が見えてくる。JR東日本でも全く同じだが、運転でも、検修でも、東労組というだけで、若くして主任職に昇格するが、実際に現場で仕事を支えているのは、ベテランの動労千葉や国労の組合員である。
● 3百人が殺され続けている
こうして、JR発足後、実に3百人をこす労働者が作業中に殺され続けてきたのである。今回の事故の犠牲者はJR本体の労働者だったが、そのほとんどが下請けの労働者である。伯備線の事故は氷山の一角に過ぎない。これまで何ひとつ反省されることもなく幾度となく繰り返されてきた事故であり、起こるべくして起きた事故である。
それどころか、JR東日本は、下請け・孫請けの保線労働者5名が触車死亡した1995年の山手貨物線事故の直後、逆に「(下請け関連会社に)一般的な注意喚起以上の安全上の指導をしてはならない」という内部通達をだしている。JR東日本が「特定元請け業者」とみなされてしまうからだというのだ。要するに、JRは工事の単なる発注者の立場にたって、何が起きようと責任を逃れようということだ。これがJRの現実に他ならない。
● 闘いなくして安全なし
尼崎事故、羽越線事故、レール破断の多発、伯備線事故、…… と、安全が根底から崩れ落ちようとしている。分割・民営化の矛盾が「安全の崩壊」となって噴出しているのだ。黙っていることはできない。闘いなくして安全なし!
反合・運転保安闘争にたちあがろう。06春闘を反合・運転保安春闘として闘おう。