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「安全」が根本から揺らいでいる!
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破断したレールの破面が貝殻状を呈していることからシェリングと呼ばれるようになったレール損傷は、1973年頃より新幹線において多発するようになった。………シェリングの発生は年を追う毎に増加の一途をたどり、JR発足の1986年頃には、東京〜新大阪間では、4000箇所余りの発生となり、もはやレールの管理も限界に達するに至った。このためレールの寿命は著しく短いものとなり、安全面からのみでなく、経済面からも鉄道の経営基盤を揺るがしかねず、根本的なシェリング防止対策が強く望まれるようになった。 |
レール破断問題は、新幹線で先行して大問題となっていたのだ。JR内も含め、一般には全く知らされていないが、「もはやレールの管理も限界に達するに至った」「レールの寿命は著しく短いものとなり、……」等、普通であれば使わない危機感に満ちた表現に見られるように、まさに非常事態にたち至っていたのである。
レポートは、研究の結果レール頭頂面の疲労層を早期に取り除くことが有効だとわかり、1992年頃から「レール削正車」を導入。「削正によるレールの寿命延伸大作戦」を実施したが、「効果が表れるまで6〜7年の歳月が必要であった」としている。
そしてこのレポートは、「(対策の結果)レール折損事故はもとより、あれほど多発していたシェリングも激減することとなった」と、新幹線でもレール破断が起きていたという恐るべき現実を指摘している。
このレポートから明らかなことは、通過トン数管理という、これまでのレール管理の在り方が全く通用しなくなるような技術的な破たんが起きているということだ。こうした事態の背後要因として考えられるのは、何よりも無謀なスピードアップであり、ダイヤの過密化、そしてボルスタレス台車の採用である。いずれも根本にあるのは、ひたすら営利優先で突っ走ってきた結果に他ならないということだ。
04年来のレール破断の頻発は、新幹線から始まったこの危機的事態が、ついに在来線まで波及してきたということではないのか?。そうだとすれば、範囲の広大さ等から見て、対策は6〜7年では到底済まないと考えられる。
しかも巡回周期の大幅延伸、外注化等で検査・保守体制はガタガタだ。さらには、シェリングだけでなくレール側面の異常な磨耗はいたる所で発生している。原因の徹底した究明はもちろんのこと、スピードダウン、検査・保守体制の見直し等、緊急の対策が直ちに必要だ。
本当の意味で尼崎事故・羽越線事故を教訓としなければならない。
羽越線事故も、その根本にあるのは、徹底した要員削減・大合理化の結果、現場の状況を的確に把握し、判断する者
が誰も居なくなっているという問題だ。
しかも、安全に関する規制は次々に緩和され、レールがガタガタだろうと、嵐の中だろうと、ただひたすらものすごいスピードで列車を突っ走らせる。
こんな現実を変えなければならない。国鉄分割・民営化の矛盾が「安全の崩壊」となって噴き出している。闘いなくして安全なし!今こそ、反合・運転保安闘争を強化しよう。
◆1月29−30日 06年全支部活動者研修会 |