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年月 日 No. |
11・6全国労働者総決起集会 報告その2
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(日刊6186号からの続き)
11・6労働者集会は、韓国代表、アメリカ代表の熱烈たるあいさつの後(発言要旨は、次号以降掲載)、自国の軍事政権と闘う外国人労働者が登壇し、日本のODAが「人道支援」の名の下に軍事政権を支えている実態を訴えるとともに、平和で自由な社会を求めて闘うことが表明された。カンパアピールに続いて、11・6集会アピールが動労千葉・田中委員長から提起され(要旨別掲)、韓国・民主労総ゼネスト支持特別決議を採択し、特別報告に入った。
まずはじめに、国労5・27臨大闘争弾圧裁判被告団・松崎団長より、「戦争・改憲と民営化の小泉政権を倒そう!かつて国鉄分割・民営化を強行し、いま郵政民営化を強行しようとし、日教組や自治労破壊を狙っている。職場は恐るべき労働強化の中にたたき込まれている。4月25日の尼崎事故、これが小泉政権がやろうとしていることだ。国労5・27臨大闘争弾圧裁判に絶対勝利したい。この弾圧は国鉄闘争を破壊し、国鉄1047名闘争を破壊するために強行された。それは、鉄建公団訴訟原告団への処分策動は許さないという闘いへの弾圧という点、暴力行為等処罰法という労働組合弾圧法を適用した点に鋭く表れている。9月15日の鉄建公団訴訟判決は、闘いを終わらせようとする極めて政治的な反動判決だ。原告団は控訴して闘う。この二つこそ、国労の国鉄闘争だ」と、国鉄闘争ここにありと力強く報告を行なった。
次に、「日の丸・君が代」不当処分撤回を求める被処分者の会から東京教組の仲間が登壇し、「石原都政下の学校教育は、ここ数年日増しに権力者の私物と化している。一方『習熟度別授業』で小学生から競争させ、生まれながらに『勝組』『負組』があるのだと体得させる。また一方で『日の丸・君が代』に見られるように、上命下服の精神と『愛国心』を植えつける。この二つの行き着く先は、国家に貢献するボランティア、進んで戦争協力をする子供たちを学校がつくっているということだ。国家権力が肥大化した時、常に学校教育が国家政策の具にされた。その同じ過ちを繰り返させないことが、何にも教員に求められている。03年に都教委は『君が代』斉唱時に起立しない教職員は処分すると決めた。私は処分を受け続けたので、今春の入学式の不起立・不服従で『停職1ヵ月』の処分となった。停職1ヵ月間、校門前に『出勤』し、道行く人や生徒たちに事実訴え続けた。5ヵ月後の卒業式でも不起立で闘う。処分はもっと重くなり、近いうちに免職も来ると思う。でも教員である限り不服従を貫くことを決め。『教師の名において』『教え子を戦場に送らぬように』」と訴えた。
続いて、全金本山労組・青柳副委員長より、「本山資本の34年間に及ぶ組合潰しと闘い抜き、今年1月19日、遂に勝利を手にした。71年3月のストで闘いに目覚めた労組を潰すために、私を組合活動の出来ない広島営業所に転勤命令を出してきた。転勤拒否を理由に懲戒解雇にし、御用組合は組合籍を剥脱したが、『一人の首切も許すな』というスローガンを掲げ首切り反対の闘いに入った。本山資本はこの闘いを潰すために組合を分裂させ、暴力ガードマン導入、組合員218名にロックアウトを行い、100名を超える不当逮捕を受けながら闘いぬいた。反動化した司法の下で主張はことごとく退けられ、解雇された2名の敗訴が確定した。しかし、『一人の首切りも許すな』というスローガンは、連合傘下の労働者の魂を揺さぶり、30年を超えて支援・支持を受け、03年3月の一部勝訴判決を武器に闘いを強化し、遂に最高裁敗訴確定を覆して2名の解雇撤回、定年で60才を超えた組合員の就労をもかちとった。34年間の全金本山闘争は、労働者の闘いは、資本や権力の攻撃、弾圧を乗り越えられること、司法の反動判決も労働者の闘いには何の意味もないことを教えている」と高らかに勝利の宣言を行なった。
さらに、自治労の仲間、全逓の仲間、そして医療労働者より、
戦争と民営化と闘う決意、現場から闘う全逓を取り戻す闘い、社会保障制度を解体していく攻撃と対決する報告がなされた。
集会の最後に、全日建運輸連帯労組関西地区生コン支部・高副委員長の、「多くの労働者の団結を拡大して、攻撃に打ち勝っていく闘いを各地域・職場で運動を展開していくことを確認して本集会のまとめとしたい」と、閉会のあいさつが行なわれ、
東京都心を揺るがす大デモンストレーションに日比谷野音から、
闘う労働者の大道が導かれた。
11・6集会アピールの提起を行う田中委員長
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9月11日、クーデター的に強行された総選挙で、労働者をとりまく情勢は一変しました。「戦後民主主義」は崩壊し、小泉は憲法改悪の発議ができる議席を手にしたのです。しかしこれはガラス細工の「勝利」に過ぎません。自民党が「新憲法草案」を発表しました。「陸海空軍その他戦力はこれを保持しない。国の交戦権はこれを認めない」と定めた憲法9条が、「自衛軍を保持する」に書き替えられようとしています。彼らは、本気で日本を「戦争をする国」にしようとしています。われわれは大きな歴史の分かれ目に立っています。労働者の団結した闘いだけが憲法ー教育基本法の改悪を止め、戦争を止める力です。 労働者の平均賃金は15年前の水準に後戻りしました。すでに年収200万円以下の世帯が2割に達しています。この10年余りの間に非正規雇用労働者が激増し、女性や24才以下の若者では50%に至っています。貧富の差が拡大し、闘わなければ生きていけない現実がつきつけられています。これが小泉や奥田によってもたらされた現実です。 日本の労働運動にとって、これからの2年間がまさに勝負の時です。自民党や財界は改憲に向けた「国民投票法案」の制定、教育基本法を改悪し、07年憲法改悪を狙っています。07年郵政民営化の強行に向けて、40万人の郵政労働者に激しい首切り選別、労組破壊攻撃が吹き荒れようとしています。並行して数百万人の公務員労働者を対象とした民営化ー首切り攻撃がかけられようとしています。団結権を否定し、解雇を容認する労働契約法制の抜本改悪も最終報告が出され、大増税と社会保障制度の解体も07年です。雇用も、賃金も、年金も、すべてを破壊して戦争に突き進もうというのです。しかし、こんなことが予定どおりに進むはずがありません。何が起きてもおかしくない波瀾万丈の時代が始まろうとしています。我慢のならない怒りの声が激しく吹き出し、闘う労働運動の再生への大きなうねりがおころうとしています。
全日建関西生コン支部は、委員長以下6名の執行部を1年近くも獄中に奪われるという大弾圧をはね返して闘いをさらに拡大しています。港合同は、「団結こそ命」を掲げ、矛盾が集中する中小零細に働く仲間を地域で組織しています。全金本山労組は、34年間の闘いを貫いて解雇撤回・職場復帰という歴史的勝利をかちとりました。国鉄1047名の解雇撤回闘争が、闘いの圧殺を狙う9・15反動判決を乗り越えて18年間の闘いを貫き、大民営化攻撃の前にたちはだかっています。そして今日ここに、日本と韓国とアメリカの労働者が結集し、心をひとつにして国際的な連帯を誓い、共通の敵に向かって闘うことを決意しています。アメリカではAMFAの仲間たちがすでに80日間にわたるストライキを闘い抜いています。韓国・民主労総の仲間たちは、非正規職権利保障立法実現を求めて、この11月にもゼネストに起ちあがろうとしています。全世界の労働者が同じ攻撃に直面しています。その背景にあるのは、戦争をする以外に体制を維持することができなくなった資本主義の危機です。敵の側が山ほどの矛盾を抱え、怒りの声が充満しています。予想もつかない可能性を秘めた情勢が到来しています。いま何よりも求められているのは、小泉政権による激しい労働組合破壊攻撃と対決し、労働運動の現状を変革することです。全世界の労働者が共通の敵に向かって手を結び、団結を取り戻し、労働組合を甦らせることです。いま労働者は、全世界で団結し、連帯して新しい時代を見いだす力を取り戻そうとしています。戦争と民営化ー労組破壊の大攻撃に抗して、労働運動の再生を実現しよう。
日米韓労働者の国際的団結を発展させよう!