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スティーブ・ゼルツァー氏来日
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労働学校であいさつするスティーブゼルツァー氏
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今日は動労千葉からご招待いただき非常にうれしいです。こういう学習の場は労働者にとって非常に大事であることを痛感しています。
今、アメリカの労働者階級にとって一番大きな阻害物は労働組合官僚です。アメリカのAFL−CIOの官僚どもは、民営化、そして民営化の宣伝に対して労働者階級が闘うことに一貫して敵対してきました。このAFL−CIOの官僚は、ブッシュがいわゆるパトリオット法(愛国者法)をもって労働者階級、労働者・移民を弾圧することに対する闘いを放棄しています。
アメリカの労働組合というのは、組合の運営そのものが商売になる。だから腐敗した官僚どもがそこで儲けたカネを全部ポケットに入れるということを皆が知っているから怒りが高まっている。
今アメリカで、ノースウエスト航空の労働者がストライキに入っています。
規制緩和は、組合に組織されている正規労働を非正規化するわけです。組合員をおっぽり出して組合員じゃない非組の労働者を導入して組合を潰す―こういうのが非正規労働者化の目的だったんです。
このような規制緩和、あるいは民営化の攻撃によってアメリカでは鉄道事故、航空機事故、石油精製機関における危険な事故などが頻発しています。これらは全部民営化や規制緩和の結果です。
ノースウエスト航空の労働組合というのは独立している労働組合、職能別労働組合なんです。会社側は、1億jのカネを使ってスト破りを雇い、ストライキを潰そうとしている。こんな金を使ったら会社そのものが破産してしまう。これはアメリカ資本主義の自己矛盾です、ざまあみろと。
こういったことがアメリカの現状なんです。今この瞬間、デトロイトでは会社側が雇ったスト破りを一つのホテルに集めているわけです。そのホテルを労働者がぐるっと囲んで抗議しています。
デトロイトの警察は、労働者のピケを阻止しようとして今動いている。こういう労働者階級の核心的なたたかいを展開しているなかで、AFLーCIOは分裂したんですね。
ILWUローカル10の委員長トレント・ウルイスは、この闘いはアメリカの労働者全体の闘いであり絶対に勝たなくてはならないというアピールを全国に発しました。
第二のPATCO(航空管制官の闘い―レーガンによって弾圧された)にしてはなりません。
アメリカの労働者、日本の労働者、韓国の労働者、この労働者たちは絶対に資本主義を打ち破る力を持っています。
われわれはそう思ったら全労働者階級を戦略的に合流させなければならない。だからノースウエストの労働者の勝利これを勝ちとって、このことを全世界の労働者の勝利として広めていく、このことがわれわれに今問われてます。
ノースウエストの闘いを通してアメリカの労働者階級の中には非常に大きな変化が生じつつあって、自分の生活、労働を守るためには何をしたらいいのか、こんな労働貴族のもとにいたら、自分たちは殺されてしまう。このことについてアメリカの労働者は考え始めています。そういう意味でノースウエスト航空のストライキというのは非常に大きなインパクトを与えているのです。
問題はそのアメリカ労働者階級だけの問題ではなくて、アメリカ、日本、韓国、世界の全ての労働者が同じ質をもった攻撃に直面しているということです。
きたる11月6日の集会には、鉄道労働者、郵政労働者、港湾労働者、教育労働者などの労働者代表団が日本の労働者階級とともに闘うために集会に参加します。
ちょうど韓国の民主労総が、非正規労働者の正規化を求めて11月の中旬にゼネストをかまえています。われわれはアメリカで、韓国の労働者の闘いに連帯するアピールを発します。このことに全世界の労働者が参加してほしいと思っています。
このような労働学校は大変重要なものです。アメリカの労働者階級は、もともと政治的ではなかったんですけれど現在、資本家階級の攻撃によって非常に政治的になっています。労働者階級を教育し、目覚めさせていくことに勝利するならば、われわれの勝利は確実なものになるでしょう。
あなた方が今しがた習ったようにアメリカの労働者階級は革命的な伝統をもっています。いったんアメリカの労働者階級が動き出したら、何者もこれをとめることはできません。ともに闘いましょう!