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2日工程の大修作業を、急きょ夜間に3時間半で突貫作業
安全上問題あり!
幕張支部からの報告

2日工程の作業を急きょ夜間に!

 7月26日、台風が接近する中、幕張車両センターで、本来、6人体制×2日間の工程で行なうモーター交換−大修作業を、通常作業終了後、急きょ夜間に要員を割り当て、作業をさせるという事態が発生した。
 当日、7月26日、外房線1221Mが、安房小湊〜安房天津間において、三相表示灯が点灯、ハイピー動作により、緊急に幕張車両センターに入区。修2に入っていた車両のガラス取替が終了していたため、この車両を移動させて13時30分から当該列車を調べたところ、bT〜bWモーターが散火し、交換取替が必要であることが判明した。
 そのため、緊急に大修線に移動。bT〜bWまで4台のモーター取替作業を行なうこととなり、区当局は、要員の確保に向けて指示に入った。

3h半で突貫作業

 大修作業は、通常作業終了後、休憩をとることもなく17時から開始され、作業終了は20時30分であった。3時間30分という突貫作業が行なわれたのだ。当局が配置した人員は9名であった。しかしそのうち2人は、まだ一本立ちで大修作業を担当するだけの教育がされていない者であった。
 こんな条件のなかで、作業安全上も、車両検修上も、十分な施工がされたとは到底考えられない。また、翌日の試運転も、ベテランを添乗させたわけではなく、技術管理の者を担務させているなど、安全管理体制は大きくゆがんでいると言わざるを得ない。
 今回は幸い事無きをえたが、傷害事故が起きたり、本線上で問題が発生していれば大問題となっていたであろう。

責任をとれるのか

 翌日、安全衛生管理の面から、「安全上問題があるのではないか?」と声があがった。だが、現場当局側は「安全確保できる要員を用意してあり、問題があるとは考えていない」という回答であった。しかし「こんな無理な作業をさせて、労災や車両に不具合を起こしたら誰が責任をとるのか」という声には、おし黙ったままである。
 通常作業が終了した疲労感のある中で、しかも、夜間暗い中での作業となること、さらに台風が接近する中での不安感を持ちながら作業に集中できる環境にないこと等、ケガやミス、作業失念に陥る可能性が大きい悪条件での作業となることを考えれば、仮にやるにしても、万全の体制が必要なはずだ。
 会社は、通常の2日工程よりも多少多く要員を張りつけたからよしとしているが、実態は、先にも述べたように2人は大修作業未経験者である。
 適当に要員だけを配置し、後はやらせてしまえばどうにかなるだろうという無責任な対応は、断じて許されるものではない。
 当局は「車両が無い」ことを理由としているが、われわれがずっと指摘し続けてきたように、予備車が日常的に不足しているのが現実である。会社は固定資産税がかかることなどを理由に必要な予備車すら配置していない。

現場側の問題点!

 今回の臨時作業では、現場の側にも大きな問題が発生した。本来であれば、様々な問題点を指摘し、整理しなければならない立場にあるはずの国労の分会長や鉄産労の分会長が、何ひとつ声もあげず、自ら率先してこの大修作業に応じてしまっていることだ。
 われわれは、臨時作業や緊急作業は全て拒否するべきだと言っているのではない。必要な要員の配置や休憩時間の確保等、最低限の作業体制の確保が必要なはずだ。これまで動労千葉は、緊急の作業等が発生した場合、少なくともそうした努力をし、とりうる条件のなかで最善の方法、現場が納得のいく作業体制をとらせる取り組みを行なってきた。安全よりも、列車運行や作業優先という対応は絶対にあってはならないことだ。
 「抵抗なくして安全なし」は、労働組合運動の基本であり原則である。安全確立に向けた責任の一端は労働組合にもあるはずた。
 労働組合が、日々の自らの労働について無神経・無感覚となって、会社に追従したときに、尼崎事故のような事態が現実のものとなるのである。
 今回の事態は、残念ながら、当局だけでなく、組合も、安全確立に対する構えが問われざるを得ないものである。

職場からの闘いを

 「闘いなくして安全なし!」───このスローガンを今一度心に刻もう。こうしたときこそ声をあげる必要があるのだ。労働組合はそのためにある。
 今回のようなことを繰り返していたら、安全も権利も、次々に奪われていくことになるのは目に見えている。職場からの闘いこそ、あらゆる活動の土台となるものだ。
 安全こそが輸送業務の最大の使命である。尼崎事故を本当の意味で教訓としなければならない。

大失業と戦争の時代に通用する新しい世代の動労千葉を創りあげよう!
 
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