福知山線運転再開しかし現実は・・・・
尼崎事故を忘れるな!
■「運転再開」の現実
6月19日に福知山線の運転が再開された。事故が起きた宝塚〜尼崎間だけは、最高速度を95qにしたものの、宝塚〜新三田間は全く変わらず120q運転のままである。しかも、記者会見では「(宝塚〜尼崎間も)120qでも問題ないと考えており、来春以降、見なおす可能性もある」「(減速は)遺族の気持ちを考慮した感覚的な速度」と述べたというのだ。
地元の新聞は「父を亡くした男性(38)は『世間の目があるからしばらくはゆっくり走る、としか受け取れない。改革をする気がないとしか思えない。怒りを通り越してあきれる』と声を震わせた」「あまりにもいい加減だ。遺族の気持ちを考慮するどころか、逆なでするものだ」(読売)と報じている。
■「株主総会」ありき
さらには、「同社(JR西日本)は、これまで『被害者の理解』を運転再開の前提として掲げてきた。しかし、水面下では、今月23日の株主総会を最重要視していた。『総会が大荒れにならないよう、それまでに再開にこぎ着ける』ことが暗黙の了解事項だった」(毎日)というのである。
JR東日本もそうだが、107名もの乗客・乗員の生命を奪う大惨事を引き起こしておきながら、何ひとつ反省していないのだ。これが企業というものの本質、資本の本質だ。これが社会全体を呑み込むように吹き荒れる民営化攻撃の本質だ。
■労働組合のこの惨状
しかも、労働組合が、こんな状態のもとでの運転再開の露払いをしたというのである。「JR西労組など3労組は13日、近畿運輸局に未提出の新ダイヤの内容のほか、会社側が19日再開の方針を伝えた。……労組に『19日再開』を事前にアナウンスさせることで、環境づくりに利用しようという思惑があったのではないか」(毎日)というのだ。あきれ果てた事態だ。
そもそも、あの大惨事を招いた一旦の責任は、資本の手先に転落した労働組合の幹部にあったことは否定しようのないことだ。怒りを抑えることができない。こんな「労働組合」にだけはなってはならない。闘いなくして安全なし。安全運転行動を貫徹しよう。
■尼崎からの手紙
運転再開の少し前、次のようなメールが尼崎から届いた(一部抜粋)。
今、尼崎〜宝塚間で、ものすごい工事が行われています。この工事が、もっと前に、民営化しようとも労働組合の力で実現されていたなら……と、本当に悔しいです。今さら力を入れても107名は帰ってこない。いわば107名の命と引き換えの安全工事です。もう二度と事故は嫌です。
動労千葉が今闘っておられる安全運転闘争は、運輸労働者として安全を確保し、お客さんが安心して電車に乗れるために、絶対不可欠な闘いです。尼崎事故のせいで電車が恐くて乗れなくなっている人がいっぱい居ます。運転士さんの中にも、運転が怖くなっている人がいっぱい居ると思います。動労千葉が行う安全運転闘争こそがその人たちの不安をとり除く、第一歩であり、その人たちに限りない安心を与えるものとなるはずです。……全国に、この安全運転闘争が広がることを願ってやみません。尼崎の地より、感動と敬意を持って応援しています。
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総武快速線(下り)新小岩駅千葉方でレールが異常磨耗!
総武快速線(下り)新小岩駅千葉方付近でもレールが異常磨耗していることが、組合員からの報告でわかった。状態は、6月14日にレール交換をした幕張本郷駅付近と同じ状態で、レール内側がえぐられるように削れ、レールの側面に段差ができている状態だ。それが断続的に続いている。
写真で、レール側面にすじのように見えるのが磨耗によってできた段差だ。
千葉支社は、例によって「馴染んでるだけ」と言い張っている。だが、レール踏面の無数の傷にしても、組合に対しては「通常起るもの」などと言いながら、内部文書では「きしみ状の表面傷や剥離傷がある箇所は要注意」「怖い傷」「(レール破断は)ゲージコーナーシェリングが水平裂と横裂を伴って進展した」「見過ごすわけにはいかない」と確認しているのだ。直ちに抜本的な対策を!
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