第13回全支部活動者研修会―05年〜07年決戦の本質!
戦後最大の歴史的分岐点となる05年の闘い
第13回全支部活動者研修会が、1月30〜31日の日程で那須塩原において開催された。
本稿では、第1日目の最初の講義として、動労千葉中野常任顧問により行なわれた、「戦時下の労働運動」について、その内容の一端を記していきたい。
歴史の節目となる05年情勢!
まず初めに05年が(〜07年)どういう年になるのか?05年は被爆−敗戦60年、労働組合法制定から60年、保守合同により自民党結党50年という節目の年であり、そして07には憲法発布−教育基本法−労働基準法制定60年を迎えるに至る歴史的過程に入る意味を持っている。とりわけ政財界の動向は「憲法改正」の具体的なスケジュールを目論み、現行憲法の「主権在民」、「戦争放棄」、「基本的人権」の三大原則−戦後的「平和と民主主義」に規定された価値観、社会のあり方のすべてを根底から転換させることを意図する内容に貫かれている。さらに憲法と一体のものとしての、教育基本法、労働基本権、地方自治法にまでその矛先は向かっている。この動きの始まりは80年代の「戦後政治の総決算」−国鉄分割・民営化攻撃から、一貫して労働組合、労働者の団結解体を核心にしている。
小泉−奥田体制による「聖域なき構造改革」と「奥田ビジョン」、そして05年版経労委報告の中に、日本の形をこれからどうしていくのかが最も如実に表れている。あらゆる規制の撤廃から労働法制、社会保障制度の解体がもたらしたものは、賃金破壊であり、雇用破壊であり、生活破壊に他ならない。そして教育基本法改悪から九条改憲へと、本年05年には改憲試案が矢継ぎ早に出されんとしている。自衛隊のイラク派兵、日米枢軸の形成は極東安保から世界安保へと、その安全保障の姿形を一気に変えるものとなっている。こうした背景には、深刻な出口のない経済と財政の決定的な危機があるなど、資本主義の根底的な行き詰まりがこの情勢を規定している。
再選されたブッシュ政権の性格
次にこのような日本の動きを規定しているものは、イラク侵略戦争下の国際情勢があり、とりわけ再選されたブッシュ政権の性格は、その就任演説での 「自由か抑圧か」という名での、断固とした処置をとることを表明した。具体的にもファルージャ総攻撃−イラク戦争の泥沼化の中で、米軍の世界戦略の転換(トランスフォーメーション)の発動として、スマトラ沖地震・津波に対する1万5000名の米軍派兵として、北アフリカ−中東−極東に軸足をすえ、米・英・日枢軸の形成へと結びついている。
この世界情勢は、アメリカの「双子の赤字」(貿易赤字、財政赤字)の拡大、世界経済の最も不安定な要素となっているドル暴落、そのドル圏に変わる経済圏=拡大EUの発足など、分裂化とブロック化、大恐慌過程への突入がその根底にある。これにより貧富の格差は拡大し、戦争と大民営化攻撃が労働者階級に対する攻撃として吹きあれている。
反撃への足がかりを築いた04年−戦争と民営化に抗する闘い
こうした情勢に抗して、国際労働運動はアメリカで、韓国で、ヨーロッパで新たな胎動を開始した。日本ではMWM(ミリオンワーカーマーチ)の主体を担ったILWU(国際港湾倉庫労働組合)ローカル10と、韓国・民主労総ソウル本部との、真に闘う労働組合同士の共通の闘争目標として、戦争と民営化攻撃に立ち向かう国際連帯集会として、11・7労働者集会が大成功を勝ちとり、集会には「日の丸・君が代」強制と闘う都高教の仲間をはじめとして全国の闘う労働者が総結集したこと、「戦争をする国」へと変貌する中で労働組合が団結してこれと対決すること、総評解散・連合結成以降、全国で苦闘を余儀なくされてきた闘いの蓄積がようやく結実し反転攻勢への展望を切りひらいたことなどがある。04年闘争の総括は、戦争と民営化という労働者を団結させないということの本質に対して、労働組合のサイドから対決していく体制を作ることが出来たことであり、05年からの闘争への足がかりをつかんだことにある。
05年闘いの動向を決めるキーワード!労働組合、教育、報道
そのうえで、今年のキーワードは労働組合、教育、報道であり、ここを握られたら根本的に変わってしまうことが明確に提起された。教育基本法とは憲法と一体のものであり、教育問題を抜きにして戦争は出来ない。表向きは学校荒廃や学力低下を理由としているが、本質は国のため、企業のために尽くす若い青年を作り出すものであり、これが通れば憲法改悪への道筋がより一層切迫したものとなる。その意味から言っても「日の丸・君が代」不起立闘争は大きく展望を拓いた画期的闘いであり、教育労働者の3〜4月闘争を焦点として、「教え子を再び戦場に送るな」という日教組の綱領的スローガンをめぐる攻防となる。報道の問題とはマスメディアに対する事前検閲という、まさしく過去の「大本営発表」に見られるような、大変な危機に報道があることが示され、小泉骨太改革Wでの、郵政民営化と公務員改革によるねらいが、日教組、自治労、全逓の解体にあることが提起された。「攻めのリストラ」を公言する05年経労委報告との対決なくして、労働者の未来はない!骨太方針Wとの対決!そして3・20イラク開戦二周年の闘い!05春闘の労働者の闘いが、今後の日本の動向を決めるほどの闘いとなる。われわれは戦争と大民営化攻撃に抗する労働者階級の団結に依拠した闘いを<05春闘へと結実させようではないか!
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