この怒りを11・7日比谷野音へ
最高裁の反動判決を満腔の怒りを込めて弾劾する
(1)
10月8日、最高裁第2小法廷は、動労千葉12名のJR採用差別をめぐって争われてきた行政訴訟について、「本件を上告審として受理しない」というひと言をもって棄却する反動判決を下した。国労・全動労事件ですでに判断は下されているから上告を受理する必要はないというのだ。最高裁は、明白な不当労働行為によって不当にも解雇された仲間たちの訴えを紙っぺら一枚、わずか数行で切り捨てたのだ。
(2)
これはいかなる意味でも裁判の名にあたいしない政治的偽善である。この判決は、1047名の血のにじむような闘いと正義を踏みにじる歴史的暴挙だ。ここに示されたのは1047名闘争と国鉄−JR労働運動の解体に向けたむきだしの国家権力の意志だ。この判決は、労働組合法と労働委員会制度そのものを否定するに等しい重大な挑戦でもある。われわれは、国家ぐるみの不当労働行為を居直り、真実を隠ぺいする政治的反動判決を満腔の怒りを込めて弾劾する。
(3)
だが、われわれは屈しない。この闘いにはすべての労働者と労働運動の未来がかかっているのだ。
改めて言うまでもなく、国鉄分割・民営化攻撃は、総評−戦後労働運動の解体を狙った極めて大がかりな国家的不当労働行為であった。しかしわれわれは、二波のストライキをもって嵐のような激しい攻撃に断固としてたち向かい、団結を守りぬいた。われわれは今回の最高裁反動判決によって、その原点に戻ったのだ。闘いはこれからだ。一片の反動判決で18年間貫かれた闘いを潰すことなど絶対にできない。
(4)
大失業と戦争の時代が到来し、労働者の怒りの声は地鳴りのように響いている。郵政民営化など、これまでのレベルをこえた大規模な民営化−非正規雇用化攻撃が労働者に襲いかかろうとしている。たち止まることはできない。われわれは闘いの原点にかえり、10・8を新たな怒りの日として胸に刻み、あくまでも解雇撤回−JR復帰を求めて、政府と国鉄−JRの責任を追及して新たな闘いにたちあがる決意である。
2004年10月14日
国鉄千葉動力車労働組
弁護団声明
最高裁判所第2小法廷滝井繁男裁判長は、2004年10月8日、国鉄分割・民営化攻撃によりJR東日本、JR貨物への採用を拒否され、清算事業団に送られ、解雇された1047名の一環である国鉄千葉動力車労働組合員高石正博氏ら12名に対する全員の解雇撤回、JRへの採用を求める上告および上告受理申立事件に対して、上告棄却、上告受理申立を受理しない旨の不当きわまる決定を下した。
上記事件は、千葉地方労働委員会が12名全員につき採用差別の不当労働行為があったとしてJR東日本、JR貨物に採用したものとして扱うことを命令したことに対して、JR東日本が中労委に再審査申立をし、中労委はうち2名を救済したのみで、10名につき地労委命令を取消したことについて、JR東日本が2名の救済につき東京地裁民事11部に提訴し、動労千葉が10名の不採用命令を争い、かつ、2名の救済命令につき中労委に補助参加して争った事件の上告審である。東京地裁2002年3月28日、東京高裁2004年2月27日の各判決は、国鉄、清算事業団に不当労働行為責任があるが、JR東日本、JR貨物には責任がなく、JRは雇用関係を承継しないとの憲法28条、ILO87号条約、98号条約等に違背する不当かつ反動判決であったが、最高裁第2小法廷は、判断に窮したときに通例用いる方法として何ら理由を示すことなく「単なる法令違反の主張」だとして上告を棄却し、きわめて重要な法令解釈問題が存するにもかかわらず、単に民訴318条に該当しないとして上告受理申立の不受理決定を下した。
最高裁は、明白な国家的不当労働行為に対して、真正面から判断することが出来ず、判断を回避していたずらに政府、JR資本に追随する態度を露呈したものである。
弁護団は、上記反憲法的反動判決に対して強く抗議するとともに1047名の一環として上記12名の解雇撤回原職復帰のために動労千葉をはじめとする国労、建交労の闘う組合員とともに闘い抜く決意をあらためて表明するものである。
2004年10月14日
国鉄千葉動力車労働組合弁護団
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