「シニア制度差別(第4次)事件」第2回審問が行われ、田中委員長、滝口誠さんが証言し勝利的に結審
JRは、地労委命令を履行し、シニア制度差別を撤廃しろ!
10月7日、10時から、千葉地労委において、「シニア制度差別(第4次)事件」の第2回審問が行われ、田中委員長に対する会社側反対尋問及び、救済対象者10名を代表して滝口誠さんに対する組合側主尋問、会社側反対尋問が行われた。
田中委員長ー会社側反対尋問を一蹴
田中委員長に対する反対尋問において会社側は、97年の鉄道業務の委託拡大提案と「シニア制度」が関係するから組合としても業務委託を認識していたのではないか、あるいは大量の退職者を受け入れるためには業務の外注化が必要ではないかとの尋問を行ってきた。
これに対して田中委員長からは、97年の業務委託拡大提案との関係について「シニア制度」に関する本社交渉の中で議論したが、会社側は「関係はあるが直接リンクしない」と回答していたにもかかわらず、実際には協定文の中に「シニア制度」と業務委託がワンセットになっていたこと、大量退職に関しても他企業でも様々なことを検討し、JR貨物でも差別のない制度を導入していること。また、会社側がシニア制度を指示するためには委託拡大が必要だとの主張に対しては、既成事実があるからそれを認めることはできないし、業務委託とワンセットになっていること自体絶対に認められないとの立場を明確にした。
また、「シニア協定」の内容について会社側は他の組合も妥結しているから妥当な内容だとの尋問を行ってきた。
田中委員長からは、協定の中に「委託を深度化する」との文言が入っており、組合が推進する立場になることは絶対にできないこと、「シニア制度」の交渉時にも業務委託と「シニア制度」を分けて提案すべきであることなどを訴えてきた事実などを明らかにした。
さらに、業務の外注化が賃金引き下げにつながるという主張は当てはまらないのではないかとの尋問に対して田中委員長は、社会全体が業務委託による人件費削減を行っており、これが本体で働く労働者の賃金抑圧に向けた圧力になること、蓄積されてきた鉄道固有の技術が崩壊し、安全の崩壊につながることを訴えた。
そして最後に、「シニア制度」に関して動労千葉からの脱退が発生したことについて、内容証明郵便で、同一の内容の文書が送られてきたこと、そのコピーを会社に提出していることを考えれば、会社側からの脱退に関する指導が行われていたと考えざるを得ないことなどを証言し、会社側の反対尋問を完全に一蹴した。
滝口さんー17年間の不当な扱いを糾弾!
救済対象者10名を代表した滝口さんに対する組合側主尋問では、JRになって以降、幕張電車区から営業関係に配転ー塩漬けされ、西船橋駅で退職を迎えざるを得ないなど不当な差別を受けてきたこと、西船橋駅の特改業務も、国鉄時代の「人活センター」同様、組合の役員・活動家を隔離する場所であったこと、1944年生まれの者からは強制出向がなくなりJR本体で退職を迎えるため、現場長による「シニア制度」の面談が行われたこと、そして西船橋駅長による「シニア制度」の面談において「滝口さんは動労千葉ですね」と確認されたこと等を証言した。
会社側からの反対尋問では、求人広告が行われている内容、面談日時や面談内容、面談時間等について確認することしかできないという状況であった。
「シニア制度差別(第4次)事件」に関する千葉地労委での審問は、この日、田中委員長、滝口さんの証言を終了した時点で勝利的に結審となった。
シニア制度差別撤廃へ闘いぬこう
「シニア制度」をめぐる状況では、先の通常国会において、「高齢者の雇用の安定等に関する法律」が改正され、@定年年齢延長、A雇用継続制度導入、B定年制度の廃止、のいずれかを導入することが企業の義務として課せられ、06年4月から施行されようとしている。
こういう状況の中で「シニア制度」を維持すること自体できない状況となることは明らかである。
しかし、第1次から第3次に関して千葉地労委から救済命令が出されているにもかかわらず、命令の履行を拒否し続けるJRの姿勢を絶対に許すことはできない。
本件の勝利をかちとり、シニア制度差別撤廃、検修・構内業務の全面的な外注化阻止に向けて闘いぬこう。
ワシントン百万人労働者行進に連帯する
10・17東京行動
と き 10月17日(日)14時開会
ところ 東京・渋谷 宮下公園
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