「津田沼支部配転差別事件」行政訴訟に対する
東京地裁民事11部・三代川裁判長による反動判決を弾劾する!
9月30日、16時30分から、東京地裁710号法廷において、「津田沼支部配転差別事件」の行政訴訟に関する判決公判が行われ、東京地裁民事11部・三代川三千代裁判長は、組合側の請求を棄却するとの反動判決を行ってきた。
「津田沼支部配転差別事件」は、91年のダイ改において習志野運輸区設置に伴う動労千葉20名の配転以降、92年に3名、93年には5名が次々と配転され、しかも支部役員を中心にした狙いうちであり、津田沼支部の弱体化を狙った露骨な不当労働行為であったことから、千葉地労委に救済を申し立て、88年6月には勝利命令を獲得した。しかし、昨年4月に中労委が初審命令を覆したことから組合側が中労委命令の取り消しと地労委命令に基づく不当労働行為の認定を求めていたものだ。
東京地裁判決の要旨は以下のとおり。
【配転の業務上の必要性について】
本件配転は,昇進基準に基づきJRが、習志野運輸区において技能講習を修了した新人運転士8名を同区の運転士として発令したことにより、運転士の過員が7名生じたことから、千葉支社が全体の運転士の需給状況を勘案し、余剰人員分を他の運転区へ配置することとして実施したものである。
新採の養成制度は、運輸区の設置とともに、国鉄時代の運転士と車掌間の系列意識を払拭し、列車の安全安定輸送を確保し、運転士にも営業意識を持たせ、管理の効率化を図るという経営方針によるものであり、駅員を経て車掌を経験した者の中から運転士を養成する制度は民間の鉄道会社の多くが採用する制度であり、経営上合理的なものということができる。
千葉支社が津田沼運転区を習志野運輸区とし、同区で運転士養成を開始し、新人運転士を同区の運転士として発令したことも、経営上の合理性があり、その結果生じた過員の再配置として行われた本件配転についても、業務上の必要性を肯定することができる。
【配転の人選の合理性について】
在籍年数の長い順に選定を行ない、高齢者の除外は、異動後数年で出向になるためであり、指導操縦者の除外は、新人養成区となった習志野運輸区に見習運転士を指導する技能を有する者を確保するためであり、在籍年数は、職場の活性化を図るためと認められ、いずれも合理的な理由によるもので、本件配転の人選基準には合理性がある。
JRは、指導運転士の指定に当たり、運転に関する知識・技能、指導力、勤労意欲、勤務態度等を総合的に勘案し、見習運転士の指導ににふさわしいと判断される運転士を人選基準としたのであり、JRが、指導操縦士の人選に当たり、動労千葉組合員であることを理由に指導操縦士から排除したことを認める証拠はない。
配置転換は、その時々の業務上の必要性により行われるので、人選の基準も、業務上の必要性に応じて設定されるべきもので、人選基準がその時々で異なったとしても何ら問題ない。
【不当労働行為該当性について】
本件配転は、業務上の必要性に基づき、合理的な人選基準に従って人選された上で実施されたものであり、動労千葉組合員が減少したという結果が生じたからといって、直ちに津田沼支部の弱体化を企図したということはできず、JRが不当労働行為意思に基づいて本件配転を行ったことを認めるに足りる証拠はない。
本件配転に先立つ労使事情をみると、JRの発足当初から労使紛争が続いており、91年の配転の約1年前である90年2月には動労千葉組合員12名の不採用に関し千葉地労委が動労千葉の主張を認めてJRに対し救済命令を発し、直後の同年3月は動労千葉が清算事業団配属者の雇用確保等を求めてストライキを敢行し、また、運転士発令に関しJRが動労千葉組合員を不利に扱ったとして不当労働行為の救済を申し立てるなど、JR発足の当初から動労千葉とJRとの間には対立関係が続き、これは91年配転、92年配転及び本件配転が行われた当時も同様であったと堆認される。
しかし、この労使対立関係の中で、動労千葉が労働委員会に救済を申し立てたJRの各行為について、最終的に不当労働行為であるとの判断がされたとの証拠はないし、本件においてそのような判断には至らない。
仮にこれらが不当労働行為と判断されるとしても、本件配転については、それ自体が業務上の必要性に基づく合理的なものと認められるので、以前の労使事情や、習志野運輸区での動労千葉組合員の減少という事実から、本件配転における参加人の不当労働行為意思を推認するには至らない。
今回の東京地裁民事11部・三代川裁判長による反動判決は、会社側による「業務上の必要性」「人選基準」をそのまま是認して「不当労働行為意思はなかった」との主張をそのまま是認し、引用したものであり、あまりにも表面的かつ皮相な判断だと言わなければならない。
あまりにも表面的・皮相的判決だ
そもそも、業務上の必要性が合理的、それに伴う配転が行われた場合であったとしても、それにかこつけて労働組合への支配介入=不当労働行為を行ってきたことは、これまでの労使紛争の例に事欠かない状況である。。
不当労働行為意思は、常に表面的・外形的な事象の背後に隠されて遂行されるもので、使用者が主張する理由が形式的に辻褄が合っていたとしても、それだけで不当労働行為の有無を判断することはあってはならないのだ。本件判決は、労働委員会自らが労働委員会制度そのものを解体するとともに、裁判所自らも反動化を自認する、極めて反動的な判決である。
動労千葉は、本件判決を満腔の怒りで弾劾するとともに、直ちに控訴し、勝利判決まで闘う決意である。
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