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No.

ファルージャでの大虐殺!

真実を伝えろ!自衛隊を撤兵しろ!(下)

【前号より続く】

正式招待を受けていた

 さらに、マスコミが一切報道しなかった事実がある。イスラム聖職者
協会は、解放された3人に、改めてファルージャを訪れ、彼ら自身の目でアメリカによる組織的破壊の現実を確かめてほしいと、正式に招待したということだ。        
 また、解放の一番の力となったのは、自衛隊派兵に反対する無数の人たちが、高遠さんらがどのような活動をしていたのか、日本でも多くの人たちが自衛隊撤兵に向けて必死で怒りの声をあげていることなどを、何万通というメールにしてイラクに届けたことだった。むしろ最大の妨害勢力が小泉政権であった。

つるし上げ、言論封殺!

 小泉政権は、人質となった5人やその家族が、自衛隊派兵に反対の声をあげ続けていたことや、政府への怒りの声の噴出にあわてふためいて、こうした真実をすべて隠し、原因は危険なイラクに出向いた被害者たちの責任だと、「自己責任論」をもちだして、「頭を冷やせ」「救出費用は自己責任だ」などと叫びたてて、問題をすり変え、逆に一切の声を封じたのだ。これにくみしたマスコミの責任も大きい。犯罪的だ。
 高遠さんの、「イラクの人たちを嫌いになれない」という泣きながらの訴えも、後に解放された2人が解放直後には訴えていた「ファルージャで起きている真実を知ってほしい」という訴えも、政府とマスコミによってつるし上げられ、すべてが封殺され、5人や家族はただひたすら「ご迷惑をおかけして申し訳ありませんでした」と頭を下げ続ける以外ない状態においつめられている。5人はあたかも日本政府に拉致されてしまったかのようだ。
 「政府の政策に同調しない者は非国民だから排除する」という論理がまかり通っている。戦前の言論封殺、全体主義の発想とと全く同じ構造がばっこしている。断じてこんなことを許してはならない。

続々とイラク撤退

 小泉は何があっても自衛隊は引かないと断言した。「人道支援」だという。だが、世界ではすでにこんなペテンは通用しなくなっている。
 米英によるイラク支配の現実に対し、すでにニカラグア、シンガポールは派遣した軍隊を撤退させた。スペインもついに撤退を開始した。ホンジュラス、ニュージーランドも撤退方針を決定している。ポルトガル、フィリピン、タイが今撤退方針を検討している。ポーランドとウクライナは「戦闘参加拒否」を表明している。これが現実だ。
 ところが日本では、小泉政権のあまりにも異常極まりない対応が、マスコミぐるみで「常識」としてまかりとおってしまっているのだ。激しい憤りを抑えることができない。

嘘に満ちている!

 「大量破壊兵器の存在」も、「アルカイダとのつながり」が、戦争をす るためにデッチあげられたデマであったことが明らかになっている。だが小泉政権は釈明すらしていない。「民主主義の建設」も、「復興支援」も、全てがウソに満ちている。そして「国益を考えろ」「テロに屈するな」「自己責任の自覚を欠いた、無謀かつ無責任な行動が、政府や関係者に大きな無用の負担をかけている。深刻に反省せよ」(読売社説)などという論理だけがまかり通っている。現実は本当に危険なところまで来てしまっている。
 最後に韓国の「ハンギョレ新聞」への投稿の一部を紹介したい。

韓国での新聞投稿

 イラクの人々のために全てを捨て、生と死が日常化したところに飛び込んだ彼らにとって、そのような経験(拘束)は、イラク人を恐怖と背信の対象、あるいは思い出したくないものにしたとしても当然だったろう。だがそれは完璧な錯覚だった。
 拉致され解放された日本人の少女は泣きながら「イラク人を嫌いになれない」というではないか。
 果たして彼女のそのような行動と言葉が、単に若さと無邪気さと英雄心だけだろうか?イラクの事態を眺めるすべての人々は、あの拉致された日本の女学生と小泉の対決を真剣に見なければならない。
 日本の女学生がかわいそうだと思い、愛したものは何か。小泉がかわいそうだと思い、愛したものは何か。
 ひとつは自身の生命まで捧げることができる国家を超越した弱者に対する慈悲であり、もうひとつは自分は何も捧げることをせずに政治的利益と自国軍の地位を高めようとする偽善と欲でしかない。
 それは聖者とごろつきの闘いだ。その闘いの結果は明らかだ。聖者がごろつきの暴力に屈したり破れたことは一度もない。いやあってはならない。若い日本のある女学生が、死を超えて恐怖に震えながら言ったあの一言が私に派兵反対の正確な理由と目標を与えてくれた。

 

大失業と戦争の時代に通用する新しい世代の動労千葉を創りあげよう!
 
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