闘いぬいた4日間のスト 下
渾身の力で、時代に立ち向かったストライキ
情勢の歴史的な転換点での闘い
─03春闘は、イラク戦争をめぐる緊迫した情勢のなかで闘われた。
米英は3月20日、ついにイラクへの空爆にふみきり、小泉政権は直ちにその戦争を支持すると表明した。「国連決議」といういちぢくの葉さえ取り付けることができずに強行されたこの戦争が、一片の正義もない血みどろの大虐殺であることは誰の目にも明らかであった。
一方、春闘に向う過程は、労働者・民衆の闘いが史上空前の規模で燃え上がる過程でもあった。数千万という国際的な統一行動が幾度も闘われ、3月14日にはヨーロッパ労働組合連合の呼びかけで数百万の労働者が反戦ストに起ちあがり、4月2日にもイタリアで百万人の反戦ストが闘われた。
戦争への危機感と労働者への激しい攻撃への怒りの声が結合し、全世界で堰をきったように新たな闘いが溢れだしている。世界の労働者が、団結し、連帯して、新しい時代というものを見いだす力を取り戻そうとしているのである。
今がまさに重要時点だ!
03春闘は、こうした新たな情勢のなかで闘われた国際連帯闘争でもあった。
日本でも、多くの労働者や市民が初めてデモに参加するという状況が生まれるなど、新たな闘いの胎動の予兆は確実に始まっている。しかし日本では、未だ壁が破られてのも事実であった。
03春闘は、ひとことで言えば「厳しいが、今がまさに重要な時点」という状況のなかでの闘いであった。
われわれはこうした状況のなかで、3・29全国労働者集会の呼びかけをはじめ、労働運動の再生・復権という困難だが、今この情勢のなかで何よりも重要な課題を追求して闘いぬいた。労働運動に問われている課題全体を引き受けてこそ、自らの課題・要求の前進もあるという視点を貫いて03春闘を起ちあがったことは、まさに動労千葉の真骨頂と言って過言ではない闘いであった。
世界から注目!
実際、03春闘では、これまでにない状況が生まれている。すでに「日刊」で紹介したとおり、「レイバーネット」の米国版、英国版では、動労千葉のストライキがトップ記事で、「イラク戦争、民営化と抑圧に抗して動労千葉がストを敢行した。動労千葉は労働者を守っていく闘いの先導的な役割を果たしてきた組合だ」と紹介された。
また、アメリカからは「皆さんの闘いは全世界の労働者に激励を与えるものになるでしょう」とのメッセージが寄せられた。
レーガン、サッチャー、中曽根の新自由主義政策のなかで、一旦は崖っぷちまで追いつめられた労働組合が、世界中で左派が執行部を握り返し、息を吹き返そうとしている。こうした状況を背景として、動労千葉の闘いに世界の労働者が注目しているのだ。
もちろんわれわれはこれからも、多くの反動攻撃との対決を経なければならないが、大きな闘いのうねりは確実に始まっている。
労働者への全面攻撃への反撃!
さらに今春闘は、経営労働政策委員会報告や、年頭の「奥田ビジョン」で明らかにされた、労働者への全面攻撃の宣言に対し、われわれがいかなる立場にたつのかが問われた闘いでもあった。
▼首切り自由、▼終身雇用制最後的解体−有期雇用拡大、▼派遣労働の全面解禁を三本柱とした労働法制の解体攻撃、▼年金制度の抜本改悪を軸とした社会保障制度解体、▼そして「戦後初」と言われる大衆大増税、………。こうした攻撃は、個々に重大な問題があるというにとどまらず、その全体が、まさに労働者の生きる権利そのものが根こそぎ奪い尽くされる時代が始まろうとしていることを示すものである。資本の側は、もはや万策尽きた危機に瀕していると自認し、生きのこる唯一の道は、新たな大東亜共栄圏(=戦争)しかないと宣言したのだ。
われわれはこうした情勢を、歴史を画する事態であると意志統一し、03春闘ストをもって声をあげた。だからこそ小泉は、有事立法も、教育基本法の改悪も、今国会であくまでも通過させると宣言したのだ。
これらの課題は、5〜6月の国会審議の山場に向けて、これからの継続した課題であり、闘いは未だ始まったばかりだ。しかし、連合などの総屈服状況のなかで、事態の重大性について、自らの闘いをもって声をあげたことは限りなく大きい。
内部から崩壊し始めた東労組革マル
さらにわれわれは、03春闘を「組織拡大春闘」と位置づけて、組織の強化・拡大を最大の課題として位置づけて闘いぬいた。だが、結果としては春闘の過程で組織拡大を実現するには至らなかった。
しかし、春闘過程で明らかになったことは、東労組内で千葉地本が、「反松崎派」として徹底的に攻撃されているという事態であった。
本部中執8名の「辞任」と、それをめぐるおぞましい内部抗争以降、千葉地本(小林)は、「8プラス1」と言われて、中央委員会などでも、千葉地本の代議員の発言は野次と怒号で聞き取ることもできないという事態がこの間つづいていた。
またJR総連中では、さらに九州労出身の中執が辞任。各地で支部長や分会長が辞任するなど、分裂と抗争は全国的に拡大していた。
こうした状況のなかで、2月15日に東労組千葉地本の定期委員会が開催されたが、何とその場は、千葉地本委員長小林と、本部から乗り込んできた奈良副委員長以下3名の中執が、演壇から延々とののしり合うという、異様な事態に至ったのである。小林は全面的に開き直り、一方、本部の奈良らは「東労組は形式上は分裂していないが本質的には分裂している」「小林をどうするかは千葉地本の意見もあるだろうが本部にも意見がある」とまで発言したのだ。
東労組の革マル支配は内部から崩壊をはじめ、結託体制粉砕に向けた情勢は間違いなく煮つまっている。
こうした情勢のなかで闘われた03春闘ストは、期せずして革マル結託体制にくさびを打ち込む決定的な闘いとなった。われわれは今後も組織拡大という困難な課題に全力をあげて挑まなければならないが、03春闘は、JR総連解体−本格的な組織拡大に向けた大きな転機をなす闘いとなることは間違いない。
確信をもって新たな闘いへ!
またわれわれは、この春闘のなかで、強制配転者の原職復帰−士職登用、不当労働行為根絶等の懸案要求の解決を強く求めたが、これらの課題も今後の闘いに引き継がれる結果となった。しかしわれわれは、いかなる壁がたちはだかろうとも、革マル結託体制を粉砕し、風穴をこじあける決意である。
われわれは03春闘を敢然と闘いぬくことを通して、これまでの殻を破
ってこの時代に通用する動労千葉への飛躍と脱皮をかけた新たなスタートラインを築いた。
またわれわれは、4月以降もあらためて恒常的スト体制を継続・強化することを通告し、新たな闘いに突入している。とくに、当面する最大の課題として、勝浦市議選必勝に向けて全組合員の力を結集しなければならない。この闘いは動労千葉の底力を示し、乾坤一擲の闘いに決起した03春闘の地平をさらに一歩高める闘いでもある。
この素晴らしい団結への自信と確信をもって、今次闘争が切りひらいた大きな成果を確認し、新たな闘いを開始しよう!
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