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闘いぬいた4日間のスト 上

このすばらしい団結力を新たなステップに!

困難な情勢に抗して渾身の決起

 労働組合が怒りを忘れたらもはや労働組合ではない。労働者の権利や雇用、賃金が脅かされているのに、それに声をあげないとすれば、それは労働組合とは言えない。戦争の危機が世界を覆い、現にわれわれの目の前で、一片の正義もない侵略戦争が遂行されているというのに、それに反対の声をあげないとすれば、それはもはや労働組合ではない。
 03春闘ストライキは、3月27日午前5時から30日20時過ぎまで、延べ90時間にわたって闘いぬかれた。運休本数561本。スト参加人員は延べ540名。ストライキは全組合員の力を結集して敢然と闘いぬかれた。
 われわれが03春闘にあたって、痛切に感じたのは、労働者の権利がこれほどまでに軽んじられていいのか。労働組合は一体何のために存在しているのか。労働者が虫けらのように犠牲にされ、他方で「自由のため」、「正義のため」という名目で残虐な戦争が遂行される社会とは一体何なのか。社会のあり方そのものが根本的に間違っている!───という思いであった。

この団結力!動労千葉の底力!

 この間もいくつかを紹介してきたように、われわれの03春闘ストは、全国に、世界に、大きな波紋を広げている。これはこれまでになかった情勢の大きな変化だ。
 全国から、世界からの激励の声に改めて気付かされることだが、20年にも及ぼうという激しい組織破壊攻撃と対決して今日も団結を守りぬき、全組合員が整然と4日間にわたるストライキに決起し、600本近い列車を止める闘いを打ちぬいた組合員の力はすごいものだ。
 われわれは、日々自らの力不足を痛感せざるをえず、自画自賛は戒めなければならないが、これまでの日本の労働運動の歴史のなかには、労働運動の原点を守りぬいて、これだけの闘いを貫いた労働組合は存在しないのも事実だ。
 ひとつの闘いの区切りは新たな闘いの始まりでもある。困難な情勢のなかで4日間にわたるストライキを一糸乱れず闘いぬいたことへの自信と確信を固め、労働者として、社会の主人公としての誇りを胸に、新たな闘いに起ちあがろう。

歴史の分水嶺に敢然とたち向かう

 03春闘は、昨年とは比べものにならない情勢の歴史的な転換点での闘いであった。
 何よりも米国−ブッシュが、3月20日、ついにイラクへの侵略戦争に突入し、小泉はブッシュと全く同じ論理をふりかざしてこの戦争を支持するという情勢のなかでの闘いであった。しかも、誰もが感じているようにこの戦争は幾度となく繰り返されたこれまでの戦争とは、明らかに質の違うものである。
 03春闘は、黙っていれば世界戦争の引き金を引きかねない戦争が目の前で始まるという重大な情勢のなかでの闘いであった。
 もうひとつは、この間明らかにしてきたとおり、日本経団連が「発展途上国並みに」と公言して、労働者に全面的な賃下げと首切りを宣告し、国会では、企業に「首切り自由」の権利を与え、終身雇用制の根本的な解体や、社会保障制度の根こそぎの破壊を狙う法改悪が強行されようという情勢のなかでの闘いであった。
 事実、03春闘の回答も、定昇の見直しや賃金制度の抜本的な見直しを組合が認めることを前提として、今年度だけは、定昇を「維持」するという、全面的な賃下げの嵐が吹き荒れる春闘となった。それも 例えば「いすず」のように、2%の定昇維持を労資で確認したとたんに、7%の賃金カットが提案されるなどという事態が、あらゆる産業・企業で大手を振ってまかり通ったのだ。
 03春闘は、まさに労働者の生活と権利、社会的な地位に決定的な一撃が加えられようという歴史的な転換点での闘いであった。
 03春闘をとりまく情勢は、われわれに、今声をあげずしていつあげるのか。今闘わずしていつ闘うのか。とつきつけていた。

ベア・定昇を巡るギリギリの攻防点

 JRにおいても状況は同じであった。貨物会社は正面きって「定期昇給について議論させてもらう」と主張し、東日本も会社発足以来最高の利益だというのにベアゼロ回答を強行した。それも、来年以降の定昇見直しに含みをもたせた回答であった。つまり、03春闘はJRでも定昇や賃金制度の「白紙見直し」に手をつけさせてしまうのか否かのギリギリの攻防戦としてあったのである。
 東労組はもとより、国労に至るまで、ベアゼロ回答に何ひとつ反対も抵抗もしない状況を放置すれば、来年は定昇に手がつくことは間違いない。われわれは、動労千葉ひとりといえ、こうした事態にたち向かう方針を確認した。その意味でわれわれの闘いは、組合員のみならず、JRに働くすべての労働者の思いを代表した闘いであった。
 そしてわれわれは、貨物職場においても「定昇に手をつけた場合は本線運転士にストを拡大する」という、一歩踏み込んだ闘争方針を提起し、会社に迫ったのである。

外注化−基地統廃合を巡る正念場

 第二の分割・民営化攻撃との攻防も重大な局面を迎えていた。
 われわれは何よりも、検修・構内外注化攻撃の新年度実施を再度阻止することを目標に03春闘に突入したが、4月を迎えた今も千葉支社は、未だ実施のメドすらたてることができない状況にある。これも「千葉支社だけ」という状況のなかで、われわれが一歩でも守勢に回れば、たちどころに強行されることは明らかだ。文字通り全組合員の力を結集した闘いによって阻止しつづけけるという大きな地平を守りぬいたのだ。
 習志野電車区廃止−検修基地の統廃合攻撃との攻防戦も、職場廃止という攻撃は、それが組織と団結の破壊を目的として行なわれるにしろ、経営合理化的視点から行なわれるにしろ、労働者の団結破壊という意味では最大の攻撃となる。
 しかも、早ければ今春の過程で具体的に動きだすという状況のなかでの闘いであった。国鉄分割・民営化攻撃のときもそうだったが、労働組合にとって、起ち向って闘うことだけが団結を守り、攻撃をはね返す唯一の道である。計画はすでに明らかにされていながら誰ひとり問題にもしないという状況のなかで、われわれが声をあげた意味は決定的だ。われわれは03春闘をもって、基地統廃合攻撃粉砕に向けた闘いの戦端をきって落とした。

安全の恐るべき解体状況を明るみに

 さらに、運転保安確立−「進行の指示運転の即時中止」を求めて闘いぬいたことの意義は決定的に大きい。
 これも、JRのなかで、われわれ以外は誰ひとりとして問題視しないという深刻な状況にあったことはもとより、とんでもな安全・運転保安の解体が、社会的には全く知られないまま進められようとしていた。
 われわれは、自らの闘いによって、規制緩和と大合理化を背景としてJRで安全の最も基本的部分が解体されようとしている恐るべき現実を初めて社会的に明らかにした。
 「進行の指示運転」に対する闘いは始まったばかりであり、これからも継続した課題となる。しかし今回の闘いはその重要な一歩を築いたのだ。

一〇四七名闘争の現状打開をかけて

 03春闘にかけたもうひとつの課題は、1047名の解雇撤回に向けた勝利の展望を何としてもこじ開けたいということであった。
 国労本部の一部役員は、財産を山分けし、1047名を切り捨て、国労を流れ解散させてしまおうという、驚くべき屈服を深めている。
 一体なぜこんなことが起きているのか。労働組合は、一旦魂を投げ出したら、とことんまで転落するしかなくなるものなのだ。だが、1047名闘争は「4党合意」という未曾有の攻撃をはね返す大きな勝利の地平を実現したのも事実である。
 今、闘いに欠けているものは何なのか。それはひとことで言えば、真正面からJR資本との闘い、JR資本とJR総連の結託体制に対する闘いを構えることであり、そのためにも、国労の現状を打開する左派の結集と団結を図ることだ。そして、情勢全体を見すえた戦略的視点を確立することである。
 われわれは、渾身の力を込めて03春闘ストに起ちあがることによって、そのことを全力を尽くして訴えた。

大失業と戦争の時代に通用する新しい世代の動労千葉を創りあげよう!
 
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