組合員不在! JR総連の春闘要求?
○三春闘をめぐってJR内でも、二月四日、JR連合がベア統一要求一○○○円、これに対抗してJR総連は六日にも、一三○○円のベア要求を決めたと言われている。しかしながらこのJR総連のベア要求には、一切組合員の切実な賃上げに関する「生活実態調査」も行わず、例年行っていた「春闘標語」さえ実施していないという、組合員不在の「要求」に過ぎないものなのだ。
JR労働者の賃金・雇用・権利を売り渡したJR総連の裏切り
昨年の○二春闘を振り返って見れば自明の通り、昨年JR東日本は、その三月期決算において過去最高の経常利益一四二○億円を計上した。そしてその見通しを発表した同日にベア・ゼロ回答を行い、JR東労組は「持ちかえり検討」すらせず、その場で裏切り妥結したことを思いかえさなければならない。
第二の分割・民営化攻撃=「ニューフロンティア二一」の中心軸をなす、合理化ー要員削減によって、人件費は昨年の段階で実に二六○億円も減少している。ここに強行された保守部門の外注化ー転籍攻撃が吹き荒れたのだ。すでに明らかな通り、会社が最高益をあげている状況の中で、組合が会社の言いなりにゼロ回答を認めた○二春闘の経過は、JRで働く全労働者の切実な賃上げ問題を根底的にくつがえしてしまったのだ。昨年、のベア・ゼロがさらに○三春闘以降の賃上げ交渉を、ベアなど問題にならないという段階に押し下げてしまったことは言を待たない。まさしく大裏切りであり、JRで働く労働者の今後の賃金・雇用・権利すべてを打ち砕いてしまった。
春闘の完全放棄賃下げ全面容認に踏み切った東労組の実態!
そしてついに東労組は、その方針からも「春闘」の言葉そのものがかき消され、春闘を完全放棄して賃下げの手先になろうとしている。すでに既報の通り、「東労組千葉」という彼らの機関誌に掲載された、千葉地本委員長・小林克也の「年頭あいさつ」には春闘の一語さえあらわれない。○三春闘は、日本経団連による「春闘の終焉」ー全面的賃下げ宣言の中、現状として多くの組合がベースアップ要求を放棄するという信じがたい事態が進行しているが、少なくとも春闘方針を明記しない労働組合などどこを捜しても東労組以外ひとつもない。
すでに貨物では昨年の一二月、ベア・ゼロだけでなく、乗務員手当の改悪で月々一万数千円の賃下げが強行されているではないか。日貨労はこの賃下げ提案後一週間で、組合員も全く知らないうちにこれを丸呑みしている。東日本においても、昨年のベア・ゼロ容認によって、今後の定期昇給制度や賃金制度に手がつけられる端緒を開いてしまったのだ。ベア一三○○円要求というのは組合員の切実な要求を吸い上げた上での集約点では決してない。○二春闘の経緯を見ればそれは自ずから明白なものだ。
とくに賃金水準の低い若年労働者にとっては、これから将来にわたってろくに賃金が上がらないことの証左となってしまった。退職金や年金においてもまさしく五里霧中だ。こうした状況を労働組合が認め、組合員に強制しようというのが、JR総連のこの間の実態でなくして何であろうか!
○三春闘に労働運動のルネッサンスをかけた闘いに起ちあがろう!動輪旗の下に結集しよう!
○三春闘は、戦後史を画する歴史的転換点の春闘であることは、すでに明々白々なものだ。「春闘終焉」を標榜する資本攻撃の要諦は、賃下げー定昇廃止ー終身雇用制の決定的な解体と全面的なアウトソーシング(外注化)、全労働者を不安定雇用の荒波に叩きこもうとしている。
こうした状況を打破し、労働者が労働者として生き抜いていける時代を創造しなければならない。JR総連のごとく、賃下げを真っ先に主張し、合理化を率先垂範し、昨年の保守部門の全面外注化提案の丸呑みなど、JRで働く労働者の、雇用・労働条件を売り渡し、安全の崩壊に拍車をかけていることは、断じて許せるものではない。その過程で組合員は犠牲にされ続けているのだ。今こそJR総連と決別し動輪旗の下に結集しよう!
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