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新保全体系合理化で2名減が12月ダイ改提案では検修2名増

新保全合理化を粉砕!

検修・構内外注化と一体の攻撃
 JR東日本は、昨年11月「新保全体系」による合理化提案をしてきた。この提案は、第二の分割・民営化攻撃の基軸となる「シニア制度−検修・構内業務外注化」攻撃と一体のものとしてかけられてきた。そして、1月29日に行なわれたJR東日本本社との交渉においても、あくまで4月に「新保全体系を強行する」との回答を行なった。
 このような緊迫した状況のなか動労千葉は、2月20日から検修3区において非協力闘争を展開し、最大の焦点となった幕張電車区を中心として、他労組の組合員を巻き込んだ連日の職場闘争を生み出した。そしてこの闘いは、職場の支配権を奪い返す迫力を持ち、千葉支社だけが未だ外注化提案を行なうことが出来ない状況に追い込んだ。
 この闘争のなか「新保全体系」の4月1日強行にあくまで固執する千葉支社は、3月4日にこの提案を行なってきた。4月実施に向けて1ヵ月も満たない期間で移行するというものでこれ自体重大な問題であるにもかかわらず具体的な作業内容等についても全く明らかにしないものだった。さらに3月12日には幕張、京葉電車区で突如として「明日から新保全体系に係わる規程改正の教育を行なう」旨の通告がされた。ただの一度の団交も開かないうちから突然教育を強行しようとしたのだ。これは団交そのものを完全に否定した暴挙に他ならない。本部は3月13日、当該組合員による指名ストを通告し、この「新保全体系」合理化を検修・構内業務の外注化攻撃の前哨戦ととらえ、このストから今春闘「三ヵ月間決戦」終盤の闘いの火蓋を切ったのである。
 しかし、東労組は提案からわずか2週間後の3月18日には、まともに要求も出さず、団交もやっていない状況のなか裏切り妥結した。これが労働組合と言えるのか!われわれは、当局の奴隷と化した東労組革マルを断じて許さず3・28〜31ストライキを敢然と貫徹した。

矛盾だらけの「新保全体系」
 しかしながら千葉支社は、4月1日から「新保全体系」の導入を強行した。われわれは、その矛盾をつく非協力闘争、団体交渉を長期にわたって展開し、この攻撃を挫折へと追い込んだのである。
 実際、この「新保全体系」による機能保全(以前の交検から移行した名称)を始めてみるとさまざまな問題点が噴出してきた。幕張電車区では255系の機能保全で作業を行なうと作業が午後遅くまでかかるために、3名の要員を抜くことができないという状況になった。しかも、所定の作業時間内には終了せずに超勤まで発生している状況だ。さらに消耗品は別途個別管理としているため交換が発生した場合、以前の交検よりも要員を多く使っているという矛盾が発生している。現場の助役などは「255系は新保全では無理だ」と言わざるを得ない状況になっているのが現状だ。また、習志野電車区においても機能保全による「月検査」と「年検査」で検査項目の違いや要員数の違い−「月3名、年4名」などから現場段階から作業行程に統一性がなく「月検査」と「年検査」であまりにも異なる作業行程を強いられるため、現場管理者からして以前の要員(4名)に統一せざるを得ない状況になっている。これは「新保全体系」の典型的な矛盾である。
 一方、新系列車両自体にも重大な故障・事故等が多発している。そもそも「新保全体系」は導入に際して、会社は機器の信頼性が確認されたので、検査項目の削減、期間の延長をしてもさしつかえないという理由で導入された経緯がある。にもかかわらず、現在にいたっても次々と改修工事等が行なわれている状況である。

団結を固め、検修外注化阻止へ
 こうした状況のなかで千葉支社は、6月中旬に幕張、習志野両電車区に運輸関係の副課長を派遣し、機能保全の開始から終了まで張りつかせて作業実態を把握させるということを行なってきた。これまでの会社側の対応は、会社が一旦提案したものは「会社の責任において実施する」として組合からの修正や改善要求等には全く応じる姿勢を示さなかった。しかし、あまりにも無謀な計画が露呈するにつれさすがに目をつぶって強行するわけには行かなくなったのである。
 また、6月中旬には「新保全体系」にともなう要員提案を行なうとしながら7月を越して8月9日にずれ込んでしまった。しかもその過程では本社からの「視察」が数回行なわれるという異例の事態となった。そして8月9日に出された要員提案は、幕張・習志野両区あわせて検修要員2名削減というものだった。削減自体絶対許せないことではあるが会社側は当初これよりも相当多い、検修要員の2割削減を狙っていたことは明らかである。にも関わらず検修体制にさほど影響をおよぼさない程度の削減にとどまったこと自体、動労千葉の闘いの正当性が示されたと共に外注化攻撃に向けての緒戦での勝利である。
 こうした千葉支社の思惑に大きな打撃を与えているのが今年1月からの三ヵ月間決戦をとおした春闘スト、そして4月以降現在も幕張支部を先頭にして日々闘いぬかれている職場での抵抗闘争の力だ。この力こそが前記のような大きな成果を勝ち取る原動力になってきたことは明らかである。
 今後も、さらなる団結を固め、東労組の裏切りを許さず、闘いを継続し要員削減の撤回、「新保全体系」合理化粉砕に向けて闘いぬこう!

 
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