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自衛隊の軍事輸送に全面協力の日貨労

 「平和のとりくみ」は完全なペテンだ 


 有事立法の国会上程−継続審議という情勢のもとで、JR貨物では、今年6月6日〜7日、高崎線・倉賀野駅で自衛隊による軍事物資の積み込み訓練が行われ、7月2〜3日には実際に輸送が行われた。日貨労は、これに全面協力する態度をさらけ出した。口先では「平和のとりくみ」「戦争反対」などといいながら、戦争協力のお先棒を担いでいるのだ。そもそも資本とベッタリと癒着し、2000人の大合理化と賃金制度の解体、労働強化の計画である「ニューチャレンジ21」を率先推進している日貨労に「戦争反対」など成り立ちようもないのだ。

軍事輸送に全面協力した日貨労
 6月6日の深夜から7日の早朝にかけて、迷彩服を着た自衛隊員80名が、JR貨物や日通の立ち会いのもとで、貨車への自衛隊機材=軍事物資の積み込み作業の事前訓練を行い、7月2〜3日には実際に積み込み作業を実施して、倉賀野(自衛隊基地がある)から新座を経由して新富士(北海道の演習場)まで輸送を行った。
 文字通り戦時を想定した訓練であり、有事立法の国会上程と同時に戦争準備は始まったといわなければならない。さらにJR貨物においては、米軍横田基地におけるタンク貨車入換作業も新たに計画されている。われわれはこうした戦争協力を断固拒否する。
 これに対し、日貨労は「安全対策と危機管理の徹底」を会社に要求するなど、軍事輸送に全面協力する態度をあからさまにした。
 日貨労が行った会社への申し入れや解明要求は、「自衛隊の特大輸送(特殊な)に関する技術継承について考え方を明らかにされたい」とか「『周辺事態法』及び『テロ対策特別措置法』の施行に伴う会社の危機管理及び列車の安全確保策を明らかにされたい」、「自衛隊の機材輸送に関する安全確保のためのマニュアルを作成し、関係職場に徹底すること」、「作業場所が暗いため、照明設備を増備されたい」、「自衛隊の積み込み作業が大幅に遅れたことから、早急に改善・対応策を明らかにされたい」等々、軍事輸送への全面協力そのものである。
 つまり、「特大輸送(戦車や高射砲などのことだ!)に関する技術継承を行え」「会社の危機管理体制を明らかにしろ」「自衛隊の機材輸送に関するマニュアルを作れ」という申し入れなのだ。こんな輩がどうして「反戦のとりくみ」などできるというのか!人を欺くのもいいかげんにしろ! 

会社に危機管理体制をつくれと要求
 このことを報じた日貨労の組織部速報では、自衛隊の作業手順・手際が悪いと書き連ねた後に「単に7月2日〜3日に行われる自衛隊の機材輸送の事前訓練なのかな〜という疑問を持ちました。」とこれに反対するのでもなく、超客観主義的なことをいいながら、同じ紙面で「いま、まさに国会では『有事関連3法案』や「メディア規制3法案が審議中です。」「この法案が成立すれば、いうまでもなく有事(戦争)の際は協力することを強制され、拒めば罰則をも与えられます」「自分たちの身近で今何が行われているかしっかりと見据え、職場から議論を創り出そう」などと自衛隊の軍事輸送に協力することを前提に、これをより安全に迅速に行うための討論を創り出せと訴えているのだ。
 また、日貨労業務部の交渉速報では、「今回の自衛隊の訓練は、『周辺事態法』や『テロ特措法』が成立し、『有事関連3法案』の国会審議中に行われており、新たな事態に対応した会社の安全確保や危機管理は不十分である」として、会社に有事法や周辺事態法に見合う体制をつくれと叫んでいるのだ。しかもこの「安全確保」の意味は、この軍事輸送に協力する社員の安全を保障しろということなのだ。

戦争協力を宣言した日貨労−JR総連を打倒しよう
 戦争は戦闘員だけが行う行為ではない。戦場に必要な兵力・武器弾薬・軍事物資をいかに継続的に送り込むことができるかは戦時において最重要の課題なのだ。JRは有事関連3法案のなかで、「指定公共機関」に位置づけられている。有事立法が成立すれば、戦争協力が義務づけられることになる。このとき、これに協力するのか否かは、労働者として労働組合として、真に戦争反対を貫けるかどうかが問題なのだ。日貨労−JR総連がよく唱えている、それこそ「国際連帯」のかかった問題なのだ。その事前準備ともいうべき自衛隊の軍事輸送に唯々諾々と協力していてどうして戦争に反対することができるのか。JR総連は、いまアフガニスタンに学校を建てる等の運動を行ってなんとか「平和運動」の仮象をとりつくろうとしている。しかし、自国で軍事輸送に協力しながら、アフガニスタンと連帯しようなどと訴えること自体がとんでもない欺瞞だ。
 小林よ、「戦争反対」というのなら、アフガニスタンに人を送る前に、少しは自らがやっていることを考えてみよ!

 
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