組合費使込み問題に揺れる東労組
東労組千葉地本の大会が7月21〜22日に開催された。「15周年記念大会」と銘打たれたものであったが、その内容は、新小岩支部でおきた不祥事(支部役員による一千万円単位の組合費の使い込み)による支部解散という組織の腐敗と危機、革マル支配の瓦解状況などを背景として、危機感をあらわにし、より一層革マル色をむきだした大会であった。
役員人事でも、委員長斎藤吉司を56歳で顧問に棚上げして出向に放り出し、テコ入れのために高崎から送り込まれた革マル分子・小林克也が委員長に就任した。千葉支社の管内からは委員長もだせないのだ。またほとんどの役員を職場では見向きもされていない革マル分子で固めるという状況だ。
とくに大会の議論は新小岩支部で起きた不祥事問題に終始し、小林は「問題を乗り越えた」などと総括をしているが、組合費の使い込みなどは、東労組の場合今さら始まったことではない。いたるところで日常化し、隠ぺいされている問題だ。
今さら始まった事ではない!
例えば、成田支部で起きた問題などは、まさにその典型というべきものだ。
事の発端は94年、当時副支部長であったTの支部長就任をめぐって、組合員の大多数から「使途不明金をだしたり、組合事務所で書記の女性にセクハラ行為をしている人間を支部長にしていいのか」という声があがる。その人事をただ一人擁護したのが、同じく書記長に就任が予定されていた野口光男(銚子運転区)であった。
8月の支部大会では、人事は強引に押し通され、Tが支部長、野口が書記長に就任するが、野口は就任すると直ちに会計業務を書記から取り上げてデタラメな会計運営を始めた。こうしたゴタゴタは本部からも指導監査が入り、指導責任で専従役員全員の賃金カットが行なわれるに至る。
ところが野口は自らがつけていた会計帳簿を、永久保存である元帳を含めて廃棄して自らの使込みを隠ぺいした。この間会計報告にしても、収入と支出の大幅な差額を隠すために支部の通帳を二通作って大会にウソの報告をするということが行なわれていたのである。
その野口が97年7月には支部長に就任することになり、組合員の不満と疑念の声は一層大きくなり、その年の支部会計監査では次のような指摘がされるにまで至る。
《指摘事項》
@二冊ある通帳を早急にまとめること。
A帳簿類を早急に整理すること。
B貴重な公金を使用して上部機関および役員個人に対する不必要な贈答は行なわないこと。
この会計監査報告書や会計元帳のコピーは、我慢のならない組合員の手で支部事務所から本部などに送付され、告発されるが、驚くべきことに成田支部や千葉地本は、「会計監査報告書は偽造である」「誰が組合事務所に侵入したのか重大な組織犯罪を匂わせるものである」「犯行現場には犯人の髪の毛が残されていた」「明確に組織破壊攻撃と規定して真相を徹底して究明する」などという支部情報地本情報を発行し、なおかつ成田支部銚子事務所を閉鎖して、組合ぐるみで事実の隠ぺいを図ったのだ。
しかし、事はそれで納まったわけではない。99年3月には、組合費不正使用の事実を最も良く知る成田支部の書記の女性を突然解雇したのである。その解雇の仕方も、電話一本で「地本の執行委員会決定だから解雇する。明日の春闘集会には来なくていい、荷物をまとめて出ていってほしい」と突然通告するというものであった。電話をしたのは野口である。3月5日のことであった。
この書記の女性は当然のことながら、不明朗な財政運営について常日頃こから野口支部長と対立をしていたといわれている。
腐りきっている!
これが東労組の実態なのだ。しかもその隠ぺい工作の先頭にたったのは今度委員長となった小林自身だったのだ。こんな話は支部単位のみならず、われわれの耳に入る限りでも分会単位でもゴロゴロしているのが現実だ。
会社と結託してやりたい放題やってきた当然の帰結としてこうした事態に行き着いたの東労組である。
そもそも革マルという組織自体が、旧動労の頃から、組合員のカネをどう使おうがつべこべ言われる筋あいはないという発想であった。東労組は革マル支配のなかで、組合員の利益とは全くかけ離れた存在となり、腐り果てている。今回のケースは、あまりの末期症状ゆえにスケープゴートをつくっただけのことだ。今こそ東労組から決別しよう。
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