No.

[東労組大会]松崎退任まで行きつく

JR総連革マル打倒の機熟す

労組の危機を全面露呈させた17回大会
 6月17〜19日、JR東労組は第17回定期大会を開催した。大会それ自体は、かつてなく淀みきった大会として終始したといわれている。そして大会では2つの重大問題が決定された。1つは松崎明が「会長」を退き、「顧問」に就任したこと。もうひとつは第2の分割・民営化攻撃である「ニューフロンティア21」を積極的に推進するために、「組織・労働生活ビジョン21」なるものをぶちあげたことである。
 われわれは、東労組の更なる裏切りと屈服、そしてJR総連革マルの悪らつな延命策を徹底的に暴き断罪し、その打倒にむかって大胆に進まなければならない。

松崎退任は何を意味しているのか
 己の60才到達を翌年に控えた95年にわざわざ規約まで改訂し、中央執行委員長の上に「会長」を新設したのは、松崎自身である。その松崎が自ら退くことになったのである。
 言うまでもなくJR総連、東労組は、松崎の存在をぬきにしては成り立たない。今後もJR総連革マルの頭目として支配を続けようとしていることは明らかである。だがそれが形式的とは言え、東労組のトップの座から退いたことは決定的に重大な問題である。この間起こっている革マル本体とJR総連革マルとの分裂・抗争を激烈化させ、東労組崩壊の速度を一挙に加速させることは必至である。
 それではなぜそのような重大な局面にありながら、自ら「退任」の決断をしたのか。その理由を解くカギは、東労組の大会が、6月15日の本州三社の完全民営化を決めたJR会社法改訂法案の成立直後に開かれていること。そして、松崎が退任を表明したのが、同法案審議の最中の5月であることだ。5月25日の国会では、「JR総連・東労組の革マル疑惑」問題が大きく取り上げられ、扇国土交通相や警察庁などが「革マルが東労組を利用している」等々と答弁している。このようにJRの完全民営化問題の最大の障害が革マル問題にあることが、国会の場でも公のこととされ、そのことで東日本大塚社長は会社としての結託体制について態度表明を迫られていたのである。
 要するに、権力・資本は、松崎に「革マル問題をはっきりさせろ」と迫り、松崎はこれに全面屈服し、退任を表明することで、「忠誠を誓います」「合理化もなにもかも率先して協力します」と土下座し、唯々JR総連革マルの延命を策したのである。

労働組合の名をもって合理化推進を打ち出す
 このような情勢のなかで開かれた大会では「ビジョン21」という方針が決定された。
 そこでは「ニューフロンティア21は時宜を得た発表」と言い、「厳しい経営環境に対する新しい協力体制が必要だ」として、東労組組合員に合理化も効率化も進んで受け入れることを「強制」する方針を決定しているのである。
 東労組革マルは、この間シニア協定やメンテナンス全面外注化にいち早く妥結・屈服し、今では東労組組合員をも犠牲にすることを宣言し、資本に取りすがることで自己の延命の狙っているのである。
 再度「ニューフロンティア21」について、はっきりさせなければならない。2001年度から2005年度の5年間で保守部門の全面外注化をはじめ、10,000人削減の大合理化攻撃である。鉄道会社としてのあり方そのものを一変させようというものであり、要員削減、労働条件の改悪はもとより、「安全」が根本から崩されてしまうという重大な攻撃なのである。それを松崎、JR総連革マルは、会社と一体となって、率先して協力するというのである。
 労働者に犠牲を押しつけて、自分たちだけ生き残ろうとする松崎、JR総連革マルを断じて許してはならない。怒りも新たにJR総連革マル打倒へ突き進もう。