(5326号よりつづく)
6月22日に行われた申21号交渉に続いて、申20号(総武本線の輸送混乱に伴う千葉駅での要員手配ミス等に関する申し入れ)に関する交渉が行われた。交渉の概要は以下のとおり。
申20号交渉
〜千葉駅で交替運転士がいない〜
5月7日、総武本線において人身事故が発生したことにともない輸送混乱が発生した。所定では、内房線上り列車2148M(館山運転区16行路)が千葉駅に20時54分到着後、21時まで動力看視を行い、その後、銚子運転区30行路(1384M)に引き継ぎ、回2148Mとして幕張電車区に運用入出区し、回2235Mとして千葉駅に戻ることになっていた。
しかし、総武本線で輸送混乱が発生していたにも関わらず千葉駅での交替運転士が手配されていなかったことから、館山運転区16行路の運転士が指令に連絡したところ「後の運転士は手配するので、回2148Mを幕張まで回送するように」との通告を受けたのでそれに従って幕張電車区に入区した。
しかし、結局運転士は手配されず、別表のように最後は所定の回3023Mに担当させられたというものである。
ATOS導入からすでに8ヵ月
昨年9月30日以降、総武快速線にATOSが導入されたことにより、指令の管轄が東京指令になったことから、千葉の各指令と東京指令との連絡体制がきちんとできるのかどうかについてはATOS導入をめぐる指導の問題について千葉支社との交渉の中でも議論し、千葉支社も責任をもって取り組むことを明らかにしていた。しかし、ATOS導入後8ヵ月以上も経過して輸送混乱に伴う交替運転士の手配が全くできていないということ自体、重大な問題だと言わなければならない。
動労千葉は、こうしたことから申20号により千葉支社の見解を明らかにするように求めた。
交渉の中で千葉支社は、当日の経過について下記のとおり明らかにしてきた。
19時39分 四街道−物井間で人身事故発生/1384M八街待機
20時54分 2148M千葉着
21時10分 2148M運転士、「後の運転士は手配する」との指令通告を受け、回2148Mを担当
21時22分 回2148千葉発
21時32分 1384M51分遅れで千葉着
千葉支社は、事故が発生した線区の当該指令から東京指令や千葉の各指令や各運転区等への連絡が全く行われていなかったことにより、運転士の手配等が全く行われていなかったことについて、「事故が発生した後、列車を止めることを中心に手配していた。運転士の手配が遅れたのは、動労千葉の指摘のとおりだ」と会社の責任を認める回答を行ってきた。
また、指令相互間の連絡がつかなかったことについては「連絡はしているがお互いに連絡中で、電話がつながらなかった」と回答してきた。しかし、輸送混乱は日常的に発生している状況であるにもかかわらず、ATOS導入から8ヵ月も経つというのに未だにこうした状況であるということ自体、重大な問題だと言わなければならない。
交替するはずの運転士にも不適切な指示
しかも、交渉の中で明らかになったことは、千葉運転区の予備の運転士を交替運転士として手配したところ、手配された運転士に対する指示が不適切であったため、一旦千葉駅に行ったにもかかわらず交替できないという事態まで発生しており、指令・指示の通告のあり方そのものにも問題があったことが明らかとなった。
千葉支社はこの点に関しても「予備を使っていれば所定の行路ができたという意味では、予備を使うべきだった」「指令がきちんと指示をすべきだった」、と回答し、今後の対策としては「ルールの徹底を図るなど、指導する」との見解を明らかにしてきた。
千葉支社は労務政策中心の姿勢を改めろ
指令の問題については、これまでもことあるごとに千葉支社に見解を求めてきた。
しかし、JR発足以降、労務政策を優先し、動労千葉や国労を脱退させるために指令に持っていくというやり方が横行している状況の中で、運転士の経験もない、線区も全く知らないという指令員が発生したのも事実だ。
こうしたことから動労千葉は、労務政策優先による指令員への登用を中止し、指令員を一からきちんと養成する体制を構築し、その中でプロを育て上げるべきだと、この間も千葉支社に要求している。
今回の問題も、こうした状況の中で発生した問題であることは明らかだ。動労千葉は、今後も千葉支社の姿勢を追及し、運転保安確立に向けて闘うものである。
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