DC通信No.96 06/03/17 |
(動労千葉ストライキ突入ビラより)
16日正午〜18日
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動労千葉は次のことを求めている。 @ NEX(成田エクスプレス)東京〜空港間53分運転等、無理なダイヤ設定・130q/h運転の中止 |
だがJR東日本は、一切の要求をはねつけている。理由はすべて「規定内で安全上問題はない」というのだ。尼崎事故を引き起こし、羽越線事故を引き起こし、レールが折れるという非常事態がこれほど多発しているというのに、わずか数か月の間に百人を超す人命が奪われているというのに、何も問題はないというのである。信じられないことだ。
動労千葉は、16日正午より、全組合員が、断固としてストライキに突入した。
NEX (東京-空港)53分運転を止めろ!NEXルートがこの現状 締結ボルトが完全に抜け落ちている! |
成田エクスプレス(NEX)は、最短列車が東京〜空港間53分運転というダイヤ設定がされている。最高速度は130q/h。ちょっと気をぬくと遅れてしまう。限界ギリギリのダイヤ設定だ。NEXが走る総武快速線の最高速度はかつて95q/hであったことを考えれば、130q/hというのはものすごいスピードアップである。
しかも「東京〜空港53分!」という広告をするために、わずかな本数だけ、こんな無理なダイヤ設定をしているのだ。かつて千葉支社は「1分の時間短縮は1億円の宣伝効果、などといって、総武緩行線で無理なスピードアップを行い、その結果ダイ改の5日後に東中野で追突事故が起き、乗員と乗客の生命を奪った。
そしてスピードアップと余裕のないダイヤが運転士を追いつめられたとき、どれほど危険を招くのかは、尼崎事故によって、まさに最悪のかたちで証明された。福知山線と何ひとつ変わらない現実がいたるところにある。いつ事故が起きてもおかしくない状況だ。
車両故障でブレーキが抜けてしまう車両を、検査手配もしないで使い続けたり、運転士に徐行区間を間違えて指示し、自らの責任を逃れるために、それが発覚した後も訂正の指令を出すことを拒否したりという、絶対にあってはならないことが、わずか1ヵ月余りの間だけでも頻発している。まさに安全感覚が崩壊してしまっている。
団体交渉をしていて、何よりも感じるのは、コストがかかること、少しでも列車運行の規制や制限につながることは、会社の内部で言い出すことそのものがご法度になっているという雰囲気である。現場に近い管理者が例え危険だと感じていても言えない状況。そして尼崎事故が再び繰り返されるのだ。これが、国鉄の民営化が生み出したJRの現実である
線路巡回周期の延伸・総武快速線 | |||
種別 | 線路巡回周期 | ||
JR当初 | 95・97年 | 01年〜 | |
徒歩巡回(スラブ区間) | 10日毎 | 15日毎 | 4週間毎 |
徒歩巡回(普通区間) | 4日毎 | 7日毎 | 2週間毎 |
列車巡回 | 2日毎 | 3日毎 | 5日毎 |
本来ならば強化しなければいけないはずの線路の保守体制などは、徹底して手抜きが行なわれている。線路の巡回周期などは、上の表のように、3倍以上に延伸されている。理由は単純だ。コスト削減である。そしてレールは経験したこともないほどボロボロになり、この間、NEXルートでレール破断が多発している。
(動労千葉ストライキ突入ビラより)