一切の焦点を労組破壊に絞った参院選で自民党は「歴史的敗北」

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今こそ怒りの声を!
卑劣なすり替えを許すな!闘えば展望は開かれる

●自民党の歴史的敗北!

▼「社会保険庁徹底解体・職員解雇」(参院選の自民党新聞広告)▼「社会保険庁には悪しき労働慣行の癌がはびこっている。そうしたゴミを一掃する決意だ」 (安倍首相)▼「自治労・日教組はハローワークに言ってもらう」(中川幹事長)▼「参院選の争点は自治労?日教組を壊滅させることだ」(森前首相)─── 一切の焦点を労組破壊に絞った参院選で自民党は「歴史的敗北」をきっした。
今回の参院選は、労働者の怒りの声がいかに深いのかを示した。自民党は、マスコミなどを総動員して、年金制度の崩壊や「消えた年金問題」ををすべて労働 組合の責任にすり替え、洪水のような宣伝と攻撃を加えたが、多くの労働者がこんなデマを真実だとは思っていない。一方では、膨大な労働者が「クソッ!」 「どうせ民主党が勝ったところで何も変わりはしない」と言いながら、「安倍を叩き潰したい」と民主党に票を投じている。労働者の意識が巨大な変化を起こそ うとしている。しかしその怒りの声を体現し、結びつけ、展望を語る勢力が居ない。これが現在の情勢の特徴だ。

●卑劣なすり替え!

今、全ての労働者が、国鉄分割・民営化攻撃のときにわれわれが直面したのと全く同じ状況に叩き込まれている。自治労社会保険庁労組への攻撃や日教組への攻 撃は、まさにかつての「ヤミ・カラ」キャンペーンと全く同じだ。否、その比ではない卑劣な攻撃だ。自民党のホームページには、自治労や日教組攻撃の専門サ イトが作られて「国民の敵」だと攻撃している。「わたしたちの敵の姿がはっきり見えてきた」「非常識で怠慢」「ろくな仕事もしない」「わたしたちは戦いま す」というのだ。フザケルナ! 権利を主張したから「国民の敵」だということは、全ての労働組合が「国民の敵」と言っているのと同じだ。そもそもこれは露骨極まりない国家的不当労働行為 だ。

●腐りきった労組幹部

しかも今、社会保険庁の労働者には、民営化・一旦全員解雇-選別再雇用攻撃がのしかかり、夏のボーナスを「自主的に返上することが再雇用の条件だ」と公然と言われている。賃金を返上しなければクビを切る!これは明白な違法行為だ。
だが、とんでもないことが起きている。社会保険庁の労組までが、こんな前代未聞の攻撃を前に「ボーナスは自主的に返上するべきだ」というコメントを発表 したのだ。はらわたが煮えくりかえる。そして90%以上が返上したというのだ。動労千葉のメールには社会保険庁の労働者から、「職場はファシズムのよう だ。労働組合も腐りきっている」「自分ひとりでも闘いたい」という悲痛な叫びが寄せられている。
腐りきった労働組合の幹部たちは、労働者をドレイの道に突き落とそうとしている。こんなことはもううんざりだ!

●食い潰したのは誰だ!

「年金崩壊」の責任は1ミリたりと労働組合にないことは誰の目にも明らかだ。われわれがなけなしの賃金から払い続けてきた年金の掛金を食い潰したのは、はっきり言って政府と財界だ。だがそのことは誰も語らず、追及しようとしない。
年金の積立金は、厚生労働省から、財務省の資金運用部と「年金資金運用基金」という特殊法人に行って運用される。具体的には株や債権に投資され、さらに は「サンピア」等、年金関係のリゾートをつくることなどにも運用された。要するに年金の掛金が株価対策や銀行救済のために運用され、またゼネコンがハイエ ナのようにたかって莫大な利益をあげ、あるいは無数につくられた外郭団体に天下りする官僚たちの給料に使われてきたのだ。そして莫大な欠損を出し続けてき た。その金額は底知れぬものだ。例えば02年度などは、わずか1年で3兆円の掛金が消えて無くなっている。年金を食い潰したのは財界と官僚どもだ!

●非正規化が最大の原因

もうひとつ重大な問題がある。「少子高齢化で年金が厳しい」と宣伝されているが、それも事の本質をぬり隠すためのデマ宣伝だ。最大の原因は、小泉や奥田、 安倍や御手洗が推し進めてきた労働者への非正規雇用化攻撃にある。すでに全雇用労働者の3分の1以上が派遣やパートなどの非正規雇用だ。650万人をワー キングプアに突き落とし、2000万人の青年労働者をロストジェネレーションと言われるような現実に突き落とした政策こそが、年金を崩壊させた最大の原因 だ。何千万もの労働者が二重三重に搾取され、サギにかけられ、未来と希望を奪われて、食っていくこともできなくなっている。闘わなければ生きることができ ない現実に直面している。
安倍の卑劣なすり替え攻撃は、もはやそれ以外に労働者を支配する手段を失った資本主義の末期症状を示すものだ。

●今こそ労働運動の復権を

今何よりも必要なことはストレートな怒りの声だ。労働者が団結を取り戻すことだ。世論を激しく二分するような闘いだ。怒りの声は充満している。現在の危機 は労働運動の復権に向けた最大のチャンスが到来しようとしていることを示すものだ。この間の動労千葉の闘いへの共感の声の広がりはそのことを鮮明に示して いる。団結した労働者の闘いこそが社会を動かす力だと、今こそ展望を語ろう。

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