労働学校通信

実践講座
第Y期No.03


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第Y期労働学校−第4回講座のお知らせ!
10月28日(土) 13:00〜
 労働者の団結権を奪い去る労働契約法を斬る
 講師 斉藤 弘平(元総評オルグ)
※16:00から懇親会を予定しております (会費1,000)
労働学校通信(実践講座) 第3号 (2006.08.10発行)
がんばろう労働者!たたかおう労働組合!ひろげようインターナショナル

政治と財界が一体となったむき出しの攻撃
対抗できるのは労働者の団結だけだ

(中野代表実践講座第2回あいさつより−要旨)

 05年度末の日本の借金は総額で827兆4805億円に達している。いろいろあわせて1000兆円を軽く越えている。1人650万ぐらい背負っている。今年3月期決算で1部上場企業の3分の1が過去最大の経常利益を上げている。一方で5分の1の人達が年収200万以下の収入だ。こういうことが同時にでてくるということをはっきりと見据えなければいけない。
 5年間の小泉内閣を総括すると、小泉が登場して「聖域なき構造改革」を打ち上げ、経団連と日経連が合併しトヨタの会長の奥田がトップに座った。小泉−奥田路線の中で何が行われたか。日本の戦後社会の仕組みを根本的にひっくり返すということだ。年功序列制の解体と例外なき規制緩和を遂行した。労働法制の問題、社会保障制度の問題、憲法改悪までも提言するということが起きた。政治と財界が一体でむき出しで進めたのは戦後初めてだ。それだけ危機が深刻だということだ。
 これに対抗する闘いをどうつくりあげていくのか。労働者の団結に尽きる。表面的には自公与党が3分の2を占め、労働者階級を代表する党が見当たらないという状況、労働組合のナショナルセンターがその威力を発揮しない状況だが、底流には新たな闘う労働運動の再生を目指す力が前進してきている。3分の2の議席がありながら今国会で重要法案を全部先送りしたことにもあらわれている。むこう3、4ヶ月の猶予が生まれたわけで、われわれはその間に何をやったらいいのかきちっと把握しなければいけない。  
 ワールドカップが終わった。サッカーもチームで闘うわけだから、組織の団結ということが核心だ。問題は誰を軸にして団結するのかということだ。これがない。労働組合の団結も、職場の中で軸になる人を中心に団結する。ふわっと団結するわけじゃない。1人を中心にして職場の団結が形成されていく。皆さんが職場の中心になって団結を形成しなければ団結は形成されない。いまの時代認識をきちっと捉えて、その時代に対応した戦略的な方針をたてる。あとは具体的な闘いの戦術を確立することと、団結のあり方という問題が同時に問われる。そういうことを常に考えながらやっていくと、時として爆発的に団結が拡大するということがある。

ひとりは万人のために 万人はひとりのために

交流の広場−闘いの輪(受講生の声)

◎ 受講感想・感想編

●動労千葉の反合・運転保安闘争、4・6幕張事故の闘争をはじめ、動労千葉の争議は、毎日毎日365日24時間ギリギリの攻防の中で闘われているというのを自分自身の怠惰な組合活動(自己批判)と対決して、強く感じました。
 わずか12時間のストライキの前倒しが1047名闘争を救った!自分の組合活動をもっとまじめにやろう!

●同じ安全を守らなければならない医療の立場として、今回のテーマは非常に励みになったし参考になりました。
 安全を守るための妥協はしてはならないこと、合理化、民営化が及ぼす影響が具体的に動労千葉が受けた攻撃、それに対する反撃も理解できまして、勉強になりました。

●JRの内情を知ることで、今までの自分の無知さが急に怖くなりました。
 何も知らずに足として使用している電車ですが、今までに何をして信頼をしていたのか疑問です。
 自分の職場の中で人々の「健康」を守っています。日々、「自分は大切なものを守っている」と思うようにしていますが、「金、金、金!!」という経営より、次々に膨大な業務を押しつけられ、「大切なものを守っている」という意識が薄くなってしまうことも多くあると感じます。これからも利用して下さる人々の「信頼」を破壊しないためにも、お互いに頑張っていきましょう。

●団結を固めて3日間で運転士を取り戻すということは素晴らしいことだと思います。明日は我が身と感じていても、なかなか実行に移すことは難しいと思います。組合員各人が闘いがなんであるかということを認知している結果だと思います。
 私も職場での闘いということをあらためて自分自身で再び学びなおし、職場等で話し合っていきたいと思います。敗北の中からでも光明を見出し、組合員と資本に屈服しない闘いをしていきたいと思います。

●船橋事故闘争を契機に、現場から闘いを起こして、それまであった反合理化闘争の限界を突破した闘争にしたことが分かりました。「合理化攻撃」とか、今までよく耳にしてきたことですが、どうも重要な闘いであり、組合員の団結を強固にしていくものだとあらためて感じられました。
 私の組合は全労連ですが、合理化反対すらも出ていません。民営化反対も言っても今では仕方ないと思っているからでしょう。
 この間の運転保安闘争について、ふり返ってみての話が出されていましたが、少なからず“現場から勘弁してほしい”などと、ケンケンガクガクとした論議がなされたそうですが、決断する時はぶれずに方針を出さなければならないんだなと、自分の職場のことを考えて感じたところです。

●東交でも荒川線の追突事故があった。田中委員長のお話はとても参考になり、勇気づけられた。自分の職場でも動労千葉のような闘いがしたいと思う。

●国鉄分割・民営化から20年! 政府にしても全然勝負はついていないんだということをあらためて感じました。尼崎事故、羽越線事故等、国鉄分割・民営化のうみが浮き出してきたと感じます。このような事故がむしろこれから起きるはじまりであると認識すべきであると思います。
 動労千葉の反合・運転保安闘争の経験と闘いのノウハウが今こそ問われる時が来たと思います。鉄道だけでなく、職場生産点で基本的に今日の講演で学んだことをいかに実践するかが核心点だと述べたいです。

●職場で安全闘争をやろうとしましたが未遂に終わり、なぜできなかったのか、大事なことを一つでもつかみたいと来ました。
 今日の船橋事故の話は大事なことをたくさん教えてくれました。@同僚の不当解雇に腹の底から怒り、その怒りを仲間と共有して闘う、A事故=会社の責任という立場にたちきって闘う、B「反合理化闘争は資本主義体制を否定するに等しい」からきれい事では済まされない→ハラを決めて闘い、その中で「資本には勝てない」→「労働者こそ社会の主人公なんだ」と意識変革をしていき、また、させていく、という指摘はどの職場でも応用できると思います。
 組合のないところには組合をつくる、あっても御用組合ならぶち壊して闘う執行部体制を確立する、をモットーに、闘う労働者(戦争と民営化に絶対反対!)を目指してがんばります。

●資本の論理と安全−安全の確立という課題は、労働者・労働組合の闘いによって資本に強制する以外に実現するいかなる手段もない。「闘いなくして安全なし」
→これまでも聞いたことのあるフレーズでしたが、「基礎編」での学習とも重ね合わせて、ストンとおちるものでした。
 やはりどこかで「動労千葉の反合運転闘争は動労千葉だからやれる『特別な』闘い」と私自身考えていたように思います。安全の問題は鉄道だけではなく、全部で問われているわけですよね。
 いろいろな職場の話を聞いていると、「人が減らされた」「仕事がきつい」「残業残業で休めない」等々、たくさんの文句が出てきます。それをどう闘いにしていくのかという目的意識性が強烈に必要だと改めて思いました。

●田中委員長は「安全という問題に対して、労働組合がどういう立場に立つのか。理屈ではなく、1人の組合員の命とクビのかかった闘いにはあいまいさはない。現場では365日、事故は毎日起こっている。このありふれた問題の中に、労組に問われているものがごっそり詰まっているんだ」とくり返し提起された。
 闘う労働組合の方針は職場が元気になる方針でなければならないとも強調。「『安全対策の放置による事故であり、運転士の処分は不当。処分をするならスト突入するぞ』と言い切った時、幕張の職場が明るくなった。これが団結の力だ」と具体的な闘いからの結論が語られて、感動を共有しました。
 安全を保つこと、労働者と労働組合が反合・運転保安闘争を闘いぬくことは、敵のアキレス腱を切断することなのだ。これを「日常のありふれた問題の中に、ごっそりつまっている」と言い切って闘いぬく動労千葉のたたかいの団結のあり方を教えてもらった。すごいと思うとともに、その立場を自らのものにしたいと思います。

●動労千葉のこととして知らないことはないのですが、幕張事故、運転保安闘争は気を抜けなくて、地道な闘いであるなあーと職場の小さな事からの発展が大事だと思いました。

●胸に突き刺さったのは「現場での大激論」ということです。今、私の闘いの中で最も重要で、最もエネルギーをさいていて、最も痛みを伴う闘いです。医療労働はチームワークなくして成り立ちません。だから、とんでもないやつもいる職場でも、毎日笑顔で相手を思いやりながら職場のいい関係をつくり続けています。それでもやっぱり職場闘争をつくっていく過程では、いろいろな意見が出てくるし、意見だけじゃなく悪口を言ったり、決起した人をひっぱったり、そういうことをする人が必ず出てきます。とても痛いです。論じ合うことができればまだいいです。結論ありきでこちらがどんなに冷静に論理的に話しても、怒りだす人もいます。こんなんでいいのかなとふと思う時、職場の「え? この人が、こんなことを言って起ちあがった? えー! 本当に?」ということが起きる。そんな小さな決起が、それまでの痛みの伴う現場での大激論という闘いに、言葉じゃ表現しきれない、なんだろう「ヨシッ!!!」(ガッツ)というかけ声をおくりたくなることが起きます。私は今、このくり返しです。
 だけど「闘いは積み重ね」というのが、ものすごいエールになりました。動労千葉の闘いの積み重ねとして出てきたもの自体、今の私の職場では、もっともっと先ですが、それだって闘いを積み重ねていく先にしかないし、ここから逃げずに突き進めば、必ず闘いは爆発するんだ! と言われた気がしました。

●動労千葉の歴史に関する田中さんの講義は、今日で3回目ぐらいと記憶していますが、今回の講義が一番おもしろかった!!
 その理由の1つは、動労千葉自身が昨年からの安全・保安闘争を行っている過程で、過去の闘争が再び強力な光を発して、その闘争の意味がより深く浮き彫りにされているからだと思います。今と過去の行き来が、現在の闘いを何か重層的な、確固たるものにしている、という感じがひしひしとして力強かった。
 もう1つの理由は、私自身がこの3年ぐらいの間での職場闘争の過程で、「闘争」の具体的な状況をリアルに想像することができるようになってきているからだと思います。講義はそういう意味で、自分の現場闘争に役立つ言葉で一杯で、今まで以上に具体的な力になりました。
 その中心は「反合理化」を徹底的に追求すること、あるいは追求していいんだということだと思いました。そして「闘い続ける」以外に展望は切り開けない、相手の立場を少しでもわかってしまったら、それは結局屈服につながるっていうことかと思いました。

●労働運動はおもしろい、おもしろいけど大変だ、でも大変だけどおもしろい−あらためて現実の生身の人間の、労働現場の闘いの躍動感・充実感や、時として味わう挫折感など色々な話を聞かせて頂いて勉強になりました。
 まさにその労働者魂、怒りの決起の原則がとうとうと根底に流れた労働運動感が伝わってきたように感じました。「敵よりも1日長く」絶対にゆずることのできない闘いに、さらに立ち向かうエネルギーを与えて頂いた思いです。

●田中委員長の話の中で、反合・運転保安闘争を闘って、組合が方針を出してから「職場が元気になった」とあった。仲間を守り、問題は当局にあると言い切り、妥協しない闘いを自分もやらなければならないと強く思った。自分は3月に広域配転され、孤立させられてしまっているが、今回、田中委員長の話を聞き、現場・職場・地域がどこであろうとも、今いるところで団結をつくり出すために頑張っていこうと思った。
 今いる場所では非常に厳しいところではあるが、職場に怒りはある。その怒りに対して、路線を打ち出せるように仲間をつくっていく。配転されて暗い気持ちであったが、今後明るく元気に頑張っていく。

●普段何気なく電車を使っているが、電車の安全のためにどれだけ労働組合が大切かということのイメージがつかめた。
 僕を含めた多くの人は、「カッコいいこと」「目立つこと」に注目するから、マスコミは必要以上に芸能人報道をやったりして、労働組合の大切さはあまり報道しない。そればかりか労働組合の足を引っ張るような報道すらする。
 だから労働組合の重要性を理解できない人も多い。だけど、地道な労働組合活動がどれだけ大切かということが、今回の田中さんの話の中から伝わってきた。労働組合が労働者を守り、安全を大切にすること。それが今回の講義でのポイントだろう。

●妥協して、労使協調路線をとると
→失望、組合の力(労働者の団結力)を示せない
→団結弱まり、ますます弱気の協調路線
といった悪循環に陥らないようにする必要があると感じた。
 現場からの声をあげて、労働組合自体を変えていく必要がある。(私の所属する職場の組合は一つで、とても弱腰です)
 今の合理化(安全、生活を切り捨てて効率化)は、産業を発展させて人々を豊にするためのものではなく、富国強兵のためのものであり、改憲攻撃と切り離せないことがよく分かった。
 自分の職場でも、事故が起きた時、ミスした人が責任をとらされて終わりということにならないよう、一人を守りぬく団結をつくっていきたい。

●安全は命や健康に生きることに不可欠なことであり、生きること、正しいこと、何が絶対的なものかにおいて、誰しもつながる問題である。そこで動労千葉が安全保安闘争−安全を訴え、現場で闘うことが力強い本当の正義を感じとるのだ。口だけなら言える。申し入れだってやらないよりマシだけれど、口だけで実際の行動にして減速運転やストライキ、監視に耐えても保安運転をするという心身貫徹された闘い、運動をするのはかなり大変であるし、だいたいそんなものに“闘い”や“運動”が形骸化されてしまっているように思えるのである。実際、口、表向きには闘っているような事を言っても行動でして行かなければ、誰も信じないし、ついていかない、聞かないだろうが、動労千葉はやってしまう。その行動していく団結がいかに大切であるか、どうやってどんな闘いの中で勝ち取られてきたのかを今日話していただいたわけだが、やはりその中にいるのは労働者で、特別なのではなく、指導する方針をうち立てていく者の存在が重要なのだと思う。
 その方針や指導がないところでの団結がいくら強かろうが、労使協調路線をとれば、マル生運動のごとく労働者が戦争に駆り立てられていくことしかりで進んでしまったりするのだ。

労働者学習センター事務局
千葉市中央区要町2−8 DC会館 電話 043-222-7207 FAX 043-224-7197

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