「攻めの改憲阻止闘争」 で憲法改悪攻撃と闘おう

第Ⅷ期労働学校実践講座-第3回講義(8/23)
「攻めの改憲阻止闘争」 で憲法改悪攻撃と闘おう!

「裁判員制度は権力の危機をリアルに示している」 と訴える高山俊吉弁護士

「裁判員制度は、中曽根行革の最後の要であり、改憲攻撃そのものだ!」
高山俊吉弁護士の講演で、勝利の展望をつかむ

 8月23日、DC会館において、労働者学習センター主催の「第Ⅷ期労働学校実践講座」の第3回講義が開催され、動労千葉の各支部代表や東京・関東から参加した受講生が結集する中、憲法と人権の日弁連をめざす会代表の高山俊吉弁護士から、「改憲阻止闘争について」と題して講演が行われた。

「自衛のための戦争」を否定する憲法9条2項

 講演において高山弁護士からは、まず近代憲法について、権力を獲得した新勢力が旧勢力を押さえ込む理念を明確にし、その理念を実現するために構築する国の仕組みなどを規定する基本法である、との性格が明確にされた。そして、日本の憲法の性格として、戦後革命という激動情勢の中で労働者階級の闘いが勃興し、これに恐怖したGHQなどが9条の戦争放棄を入れる代わりに象徴天皇制を維持するという、妥協の産物として制定されたことを明らかにした。そのため、労働者・人民にとって必要な戦争放棄等がある一方で、決して受け入れることができない天皇制等も含まれていることをハッキリと捉えなければならないと指摘した。
 そして、憲法9条2項の重要性に触れ、
これまでの戦争は、全て「自衛のため」と称して行われてきた歴史的事実があること、しかし、9条2項で「陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない」と規定しているため、いかなる戦争もできなくなる。極論的ではあるが改憲問題は憲法9条2項の問題に収斂されるとの立場を鮮明にした。

「 改憲」 前の改憲攻撃との闘いが、決定的に重要だ!

 次に、「攻めの改憲阻止闘争」とは、憲法の性格を無視した抽象的な「 平和論」 や「 憲法美化論」 のような曖昧さを残したままのこれまでの憲法擁護運動を否定し、労働者・人民が自らの闘いとして改憲阻止の闘いに起ちあがることであり、改憲攻撃とは明文改憲だけではなく、改憲に向けた全ての態勢作りが改憲攻撃であること、こことの闘いを徹底的に進めることが重要であることを訴えた。すでに海外派兵恒久法のように、国連決議なしに政府判断での派兵が可能で、先制攻撃も可能な法律の制定が狙われており、すでに改憲前の改憲攻撃がすでにはじまっており、こうした攻撃との闘いが決定的に重要だと熱烈に訴えた。
 そして、弁護士の立場とすれば、司法改悪との闘いこそ改憲阻止闘争そのものであることを明確にした。

改憲阻止闘争の中心に、裁判員制度反対の闘いを!

 一方、司法改悪の最大の攻撃として裁判員制度の導入が来年5月から施行されようとしていることについてふれた。
 司法改革とは、中曽根行革の最後の要であり、改憲と戦争国家化に向けた総仕上げの攻撃であることを指摘した上で、制度の本質は、「現代の赤紙」で労働者・人民を権力の下に動員し、「公」=国のために自らを犠牲にさせ、お互いを監視させる現代の「隣組」であることを明確にした。
 また、裁判員制度は「市民の司法参加」という宣伝が行われているが、戦前にはヒトラーが「密告」という方法で「市民参加」を推進していたことなどに触れて「司法への市民参加」自体ウソであること、「司法の市民参加」の本来の意味は、不当な裁判制度に対して批判し、弾劾する立場で参加し、正当な裁判を行わせることにあることを鮮明にした。
 そして、裁判員制度は、資本主義の統治形態が極限的に崩壊する状況の中で出てきた制度であること、裁判員制度の持つ矛盾や不合理(裁判を拒否できない、裁判内容の守秘義務等々)が多くあり、しかも今年5月のアンケートでは80%以上が消極的な意見であること、当初は導入に賛成していた既成政党が延期や凍結に転じるなど翼賛体制破綻し、権力も狼狽するなど、勝利に向けた全ての条件が整ってきたと説明した。
 最後に高山弁護士は、裁判員制度反対の闘いを改憲阻止闘争の中心に据えて闘うことの重要性を訴えるとともに、まとめとして①裁判員制度ほど権力の危機をリアルに示すものはないこと、②「 貧困・格差」 「 蟹工船」 「 秋葉原事件」 等々、全ての闘いを憲法9条2項の関係で捉えること、③そして全ての闘いを戦争国家化阻止の観点で捉えることの重要性を訴えて、講義を終了した。